第53章 アリシア子爵と魔王のエタナールマス
垂直移動部屋は、魔王さまの部屋の階に到着した。
垂直移動部屋のドアが開くと、そこは控えの間だ。
ここは以前と変わってない。天井まで5メートルがあろうかと言う広々とした控えの間には、長椅子とソファーなどが置かれ、彫刻なども置かれている。
ただ、鉢植えの木が以前と違って広く大きい葉の植物に変わっていた。
魔王さまは、ひょいと私を担いで奥にある両開きのドアに向かった。
ミニドレスもキャミソールも靴も垂直移動部屋の中だ。まあ、あとで取りにくればいい。
ドアの前に来ると、両開きドアがすーっとひとりで開く。
これも前と同じ。魔王さまの部屋だけあって、至りつくせりだ。
魔王さまの部屋は広く、奥行きだけでも50メートルはある。
エタナールマスの時期だからなのか、部屋の隅には天井にとどくほどの鉢植えの松の木があり、小さな電球がピカピカ光っていた。
部屋は三方がガラス張りで、部屋の真ん中に大の男が10人は寝れそうな巨大なベッドがある。
一方の壁際に5メートルほどの大きさのお風呂があるのも変わっていない。
まあ、風呂とかそう替えるものではないけどね。
「お願い。ベッドに投げないで!」
部屋に入った時、私は魔王さまにお願いした。
前にここに連れて来られた時、私はまるでモノのようにベッドに投げられたのだ。
「む...今日は投げはせぬ」
「今日はムチでたたかないで!」
「む... 気にいったのではなかったのか?」
「気に入るはずなんか、ないじゃないですか!」
「む!」
想像もしてなかったであろう私の剣幕に、魔王さまはおどろいたように目を少し見開いた。
だが、すぐにだまって頷いた。
魔王さまは、巨大ベッドに私を座らせると、お風呂に行ってお湯の栓をひねってお湯で満たしはじめた。
そして、もどって来るとぱっぱと服を脱ぎはじめた。
どうやらお風呂に入るらしい。
「何をしておる? おまえも脱ぐのだ!」
「え、私もですか?」
「風呂にいっしょに入って、私とヤルのでなければ、何のためにここまで連れて来たと思うのだ?」
だ、ヤルって...
そんな直接的な言い方しなくても
私は、まだ経験の浅い少女なのですよ?
なんて、胸の内でブツブツ言いながら、脱ぐ。
と言っても、魔王さまからもらった透け透けの
ブラジャーをとって、おパンティを脱ぐだけなんだけど。
魔王さまは、“レディーを尊重して優先する”という、古き良き伝統などはお構いなしで、先にお風呂に入っている。それにしても、なんで魔王さまが服を脱ぐのが、私がブラジャーとおパンティを脱ぐのより早いのよ?
ブラジャーとおパンティをレディーらしく上品に脱いで、レディーらしく上品に手で胸と恥ずかしいところ隠してお風呂に行く。
「いつまで胸と下を隠しておるのだ? 私とおまえの仲ではないか?」
「ま、魔王さまとは... 一度しただけです...」
「そうだ。男と女のコトを一度した深い仲だ」
「......」
たしかにそうだ。
あの夜、“家族風呂に集合するように”と魔王さまから召集がかかって、一ヶ月ほど魔王城を不在にした魔王さまがとても懐かしくて、早くお会いしたくて猛ダッシュで大浴場へ向かい、誰よりも早く大浴場に着くことが出来た。
魔王さまは、私が一番先に着いたことをとてもよろこばれ、何かご褒美をくれると言った。
私は“ご褒美”なんて、どうでもいいと思っていた。
つきあいを始めて間もないブリュストン伯爵さまとは、2週間も会ってなかった。
私は男の人に、やさしくして欲しかったのだ。
私は男の人に、強く抱きしめて欲しかったのだ。
私は男の人に、熱いキスをして欲しかったのだ。
私は思春期真っただ中のネコ耳少女なのだった。
私は魔王さまにやさしく抱かれ、“オンナ”にしてもらった。
後悔はしてない。だけど、私は、“魔王さまの女”になどなりたくなかった。
魔王国の王妃になろうなんて望んでもいないし、そんな堅苦しい生活はイヤ。
私は若いんだ。もっともっと、色んな経験をしたい。
もっと、いろいろな男性を知りたい。
魔王さまが、気持ちよさそうに足を伸ばして入っているお風呂に、そっと足から入る。
魔王さまは、半眼半口の、何だかエタノールさまを男にしたような柔和な顔で湯に浸かっていたけど、私が足を入れるのと同時に目を開けた。
私は、魔王さまにオシリを向けてお風呂に入るべきか、それとも魔王さまに向かい合って入るべきか、迷った。私の逡巡に気づいたのか、魔王さまは湯の中で伸ばしていた足をさらに開いた。
「ここに座りなさい」
彼の足の間に座れと言っているのだ。
「失礼します」
こと、ここに至っては、覚悟を決めるしかない。
私は魔王さまの開いた足のところまで進み- まだ、しっかりとお胸と下を手で覆っていた- 魔王さまにオシリを見せてしゃがまないように、横向きになると90度身体をひねりながらお湯に浸かろうとした―
「なにを面倒なことをやっておるのだ?」
いきなり、私の胴を手でつかむと、そのままザブンとお湯の中に私を座らせた。
「ひゃっ!?」
驚いた私は、バランスをくずし、両足を開いた形で魔王さまの両足の間に尻もちをつくようにして座りこんだ。
お胸と下をかくしていた手もとれてしまった。
間髪を入れず、その瞬間を見逃さずに...
魔王さまは、私のお胸をムニュムニュっと揉んだ。
「ほう... また大ききくなったな?」
「と、当然ですっ。私はまだ成長盛りの女の子なんです... ふわ~っ?!」
なんと、魔王さまは片手で私のお胸をムニュムニュしながら、もう片手で私の“神聖な区域帯”に触れたのだ!
「ふむ。ケも濃くなったようだ」
モジャモジャ...
「濃くなんかなっていません!」
めっちゃ恥ずかしかった。
「妹のビアの方が、お母さまに似てボウボウですっ!」
「であろうな。家族風呂ではよく見ておる」
あら、ご存じでございましたか?
って、私の“神聖な区域帯”をあまり弄るのはやめていただけませんか?
ヘンな気分になるんですよ。
ヘンな気分になったら...
最後まで行きたくなっちゃうじゃないですか?
「どうだ、ネコ耳子爵、この際、正式に私の王妃にならんか?」
来たよ? お誘いが!
「ドゥモレ男爵は、ダユーネフ国外務省の大臣政務官に昇格することが決まったそうだから、もう帰っては来んぞ?」
「え?...」
温かいお風呂に入り、気持ちよくお胸をムニュムニュされ、“神聖な区域帯”を弄られていた私は、ウットリと恍惚な気分に浸っていた。
もう、二十日間以上、男に肌を触れられてなかったのだ。恍惚な気分になった私を誰も責められないだろう。
しかし、男爵さまが、もうもどって来られないという情報は、青天の霹靂だった。
私は思わず、ふり返って魔王さまの顔を見て聞いた。
「それ... 確かなんですか?」
ダユーネフ国駐在公館からの連絡だ。間違いはない」
「昇格された...」
「栄進だな。スティルヴィッシュ伯爵が、祝福の書簡を送っているはずだ」
そう言いながら、魔王さまは、私のオシリの下に手を入れると、半回転させて、彼に向き合う形で座らせた。
チュウウウ...
そして、あごに手をそえられ、キスをされた!
「ふにゃ~ん...」
熱いキスに、体がとろけるような感じになり
頭の中が白くなる。
魔王さまは、またお胸をムニュムニュしはじめ
今度はボタンをクリクリと弄りはじめた。
ボタンがポコンと飛び出て反応する。
“神聖な区域帯”がさわられるのも、とても気持ちがいい。
それもこれも、すべてが体をさらにとろけさせる気分にさせ、
魔王さまのキスに懸命に応えている私がいた。
.........
.........
お風呂で、たっぷりと愛されたそのあと、ベッドで夜明け近くまで愛された。
まあ、私もそれを望んでいたんだけどね。
それにしても、魔王さまって、あちらの方がお強いのにオドロキ...(汗)。
レオニディオ族でもないのに、延々と5時間も6時間も出来るなんて。
「これはアビグラというセイリョク剤だ。おまえも知っている通り、私はマゾクだ。ある種の獣人族のように、1日に100回も出来ない。そこで、ソントンプ研究所で作らせたこのセイリョク剤を飲むと... 100回出来るのだ!はっはっはっは!」
愉快そうに大笑いした魔王さま。
そうか。
あのアビグラとか言うクスリのおかげで、王妃さまやら妻やら恋人やらを二十数人も満足させることができるんだ。
私は、回数こそ数えなかったけど、
十分以上に渇きを癒してもらった。
って言うか、最後の方は、もう、オマタが痛くて...
「もう、無理です!」
と言って断ったんだけどね(汗)。
「あと、10回は大丈夫であろう。減るモノでもないし!」
そんなことをおっしゃっても、私はもう十分に満足しております、はい。
減るモノではないけど、限度ってものがあるでしょうが?
「もっと、したかったら、ルナレイラお義姉さまでも、アマンダさまでも、プリシルさまでも呼んでください!」
「む... そうであったな」
しびしぶといった感じでベッドから降りた魔王さまは、すぐに部屋に備え付けられているマデンキを使って、当直の従者と話し始めた。
「私だ。アマンダを起こして、ここに来るように言ってくれ」
『かしこまりました』
「それとな、グロッピン。アマンダにプリシルとルナレイラもいっしょに連れて来るように伝えてくれ」
ゲっ、宿直の侍従って、ついこの前マルカと結婚した、元お父さまの侍従長だったグロッピンさんだった!
『かしこまりました』
「あ、それとな、トリプルビッグバーガーとマオウ・コーラを三人前持って来るようにと言ってくれ」
『かしこまりました。3人前でございますね?」
「そうだ」
『すぐにお伝えいたします』
30分後―
午前4時だと言うのに、アマンダさま、プリシルさま、それにルナレイラお義姉さまがやって来た。
ルナレイラお義姉さまは眠そうなお顔をしていたけど、アマンダさまとプリシルさまは、目をキラキラと潤ませていた?
三人ともナイトガウン姿だったけど―
部屋に入ると、ナイトガウンを脱いだ。
アマンダさまは、ナイトガウンの下に何も着ていなかった!
ボイーンとカッコよく張った見事なオッパイ。
キュッと引き絞ったような腰。
紫みを帯びた深い青色の髪と同じ色の下の叢。
筋肉質だけど、モリモリではない手足。
「あら、アマンダは、一番に魔王さまに抱かれるつもりなのね?」
そう言うプリシルさまは、“それでも着ているつもりですか?”と聞きたくなるような夜着、いや、魔王さま煽情着とでも言うべき夜着を着ていた。
それは、お胸のボタンも下の紫色の叢も透けて見えるベビードールだった。
アマンダさまは、早い者勝ちよと言わんばかりに、すでに魔王さまと抱き合って濃厚なキスをしている。
「アマンダったら、早いんだから!」
そう言って、プリシルさまもベッドに向かう。
残ったルナレイラお義姉さまも、ナイトガウンを脱いだ。
少し、イヤイヤみたいな感じで。だけど、お義姉さまも魔王さまの妻だからね。
魔王さまから“お呼び”があれば、駆けつけなければならない。
彼女のベビードールは、両胸が白い刺繍がふんだんに使われた透け透けの布で覆われており、これも透けた白色のお股下くらいの長さのハーフスリップを着て、その下に白い刺繍がある白く透けた三角形の小さなおパンティを穿いていた。
「ルナレイラ」
「はい」
「さっさと、そんなモノは脱いでこちらに来るがよい」
「は、はい」
ルナレイラお義姉さまは、せっかく魔王さまもよろこばせようと思って着て来たランジェリーを脱いで、いそいそと巨大ベッドに向かう。
途中で、垂直移動部屋から服をとってもどった来た私とすれ違う。
お義姉さまは、ちょっぴり羨ましそうな顔をして私を見た。
だけど、恨めしそうな顔はしてなかった。
お義姉さまは、そんな醜い感情などもって純な心を持っているのだ。
巨大ベッドの上では、すでにアマンダさまとプリシルさまが、白く美しい躰をさらけ出して、魔王さまから寵愛を受けていた。
そこに、少しおずおずといった感じで、ルナレイラお義姉さまが加わった。
私は、たっぷりの“満足感”でもって魔王さまの部屋をあとにした。
部屋の自動ドアが閉まる直前、私はアマンダさま、プリシルさま、それにルナレイラお義姉さまの三人と組んずほぐれつコトをやっている魔王さまを見て言った。
「私は... 親子丼はキライです!」
魔王さまは、私を見て名残惜しそうな顔をしていた。
「魔王さま、親子丼ってなんですか?」
プリシルさまが、「?」マークを頭上に浮かべて聞いていた。




