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ネコ耳❤アリシアの魔王城日記  作者: 独瓈夢
第一部 ネコ耳アリシア
31/316

第31章 魔王と老侍従長

 魔王さまに抱っこされて大ホールを出て行くルナレイラお義姉(ねえ)さまの顔は、とても幸せそうだった。


私は、それを見て羨ましかった。

結局、あのブリュストン伯爵さまと踊ったあとで


魔王さまと踊り... 

(当然、アマンダさまのように抱きしめられなかったし、キスもされなかった)


魔王国の大臣や高官たち、それに将軍たちとも踊り... 


十王と踊り、同盟国の王侯貴族と踊り... 


「アリシアちゃん、今日は引っ張りだこの人気だったわね?」

「本当におどろきましたわ!ルナレイラさまより人気があったみたいでしたわ」

「この()も旬なのね...」

マイテさまとモナさまが驚くほどで、お母さままで驚いていた。


 ルナレイラお義姉(ねえ)さまは、魔王さまと踊られたあとで2、3人と踊られたけど、もう限界だったみたいで、椅子に座りこんでしまっていた。

それを魔王さまが立たせて、お義姉(ねえ)さまの細い腰を抱き寄せ、チューをした。


オオオ――っ!

キャ―――っ!

近くにいた招待客たちが歓声をあげ


オオオオオオオオ――――――っ!

歓声がたちまち大ホール中に伝播しちゃった。


義姉(ねえ)さまは真っ赤になったけど、一生懸命にチューに応えていた。

また大聖堂での時のように数分間チューが続くと思って、早くも期待で鼻息を荒くしながら魔王さまのチューを受けていたけど... 


(ネコ耳は、聴力が抜群なの)


今回のチューは10秒ほどで終わった。


「?」

ちょっとわけがわからないと言った顔のお義姉(ねえ)さま。


「さて、教皇聖下のご指導にしたがって、新郎新婦がしなければならない“たくさんのこと”をするとしようか?」

「ええっ?」


おどろくルナレイラお義姉(ねえ)さまを軽々と抱き上げると

魔王さまは招待客たちに一礼をすると大ホールを後にして、寝室のある魔宮殿へ向かって消えて行った。


まあ、ルナレイラお義姉(ねえ)さま、あれだけ酔ってらしたしね。

そんなお姉さまと比べられても困るんですよね... 

とは言え、どうやら、私にも遅かりし春がやって来たらしい。


披露宴の舞踏会で踊った相手方は、全員、すごく私が美しいって言ってくれたし、仲良しのマイレィちゃん、エイルファちゃんとエリゼッテちゃんまでもが、「今日のアリシア、すっごくきれい!」って言ってくれたし。



 *   *   *  



 さすがに、翌日はお昼近くまで寝てしまった。

昨日は百人くらいと踊ったんじゃなかろうか?

思わず、寝間着の上から、胸をさわってしまった。


 昨日の、大聖堂からの帰りの馬車の中でのグロッピンさんの話を思い出してしまった。

“女は胸の大きさより、心のやさしさです!”って言って、侍女長だったモルガナさんが、マイテさまだけならず、お母さまとモナさまも、お父さまの側女に選ばれたと言う話。

 結局、そのおかげでお母さまは王妃となり、私とビアは王女という恵まれた身分で生まれたわけだけど、ブレストピア王国が滅びて、私たちはヤーダマの塔に幽閉されることになり、魔王に発見されて魔王城に住むことになったのだけど... 


 とまあ、いろいろとあって、私は若いわりにはけっこう苦労しているのよね?

そして、魔王さまから“猫耳美少女”と呼ばれてネコ可愛がりされ、ムチ打たれ(汗)、15歳になった。

 そして、現在、ブリュストン伯爵さまにすごく愛されていて- 私は、まだ告白してないし、告白もされてない... いや、お嫁さんにしたいって昨日、踊っていた時に言われたのって告白じゃないの?

まあ、とにかく、今、人生で最高のモテ期らしいことは確か。


「アリシアさま、もう、そろそろ起きられてはどうですか?」

そう言って入って来たのは、マルカ。

「あ、うん。おはよう、マルカ」

「おはようございます。昨日は大へんでしたね?」

「うーん... 身体の節々が痛いわ」

「あれだけ踊ったら、それは痛くなりますよ。さあ、昼食の前にお風呂入って汗を流しましょう!」


マルカに寝間着を脱がされて、お風呂にはいった。

「あれぇ... アリシアさま、オッパイ、大きくなっていません?」

「え?そう?」


ムニュウ ムニュウ... 

あれ、本当。何だか一回り大きくなっているみたい?

 

「ね?ほら、わたしの手の平に収まり切れないくらいになっているじゃないですか?」

「そ、そう?」

「あーっ、うらやましいなァ!」

「うらやましいって言えば、マルカ、昨日、あのスケベジイさん、じゃなく、グロッピンさんに胸揉まれていたじゃない?」

「え、見ていたんですか?恥ずかしい...」

「だって、うれしそうな声上げていたし」

「うれしそうだなんて...」

マルカは、せっせと体を洗ってくれながらも、顔を真っ赤にしている。


 マルカはたしか17歳だって聞いた。

お城で働いていた頃は、まだ12か13歳くらいだったはずで、ヤーダマの塔では男の子と接する機会もないまま数年過ごし、魔王城にルナレイラお義姉(ねえ)さま付きのメイドとして付き添って来た。

 魔王城でもけっこう忙しくて、遊ぶ暇もあまりないみたい。

それに、マルカも私たち同様、魔王城では新参者だから、言動に気をつけていたから、恋愛なんかとは縁遠い生活を強いられていたんじゃないかしら?


 城で務める者って、家柄もしっかりしてないといけないんだけど、それと同じくらい外見の良さも重要視される。

まあ、マルカの場合は下女として雇われた()だけど、気がよく利き、頭の回転も早く、見目がよかったことから、侍女であったマイテさまたちのお気に入りの下女だったのが、マイテさまたちが王妃になった時に侍女に格上げされたあと、ゲネンドル一家といっしょに流れ流れて魔王城で暮らすようになったわけだけど。


 この()は、本当に気立てがいいのよね。

どらいやー(髪乾燥魔法具)で髪を乾かしてくれるマルカを鏡で見ながら、ここはもう少し深く突っこんで見ることにする。


「で、どうなの、マルカ?」

「え、何がですか?」

「カッコイイ男の子とか見つかった?」

「いえ、カッコイイだけの男って、中身ないのが多いですし...」

ヤバっ、この()、けっこう目が肥えている?

「とくに若い男は、女の子とヤることしか考えていないし」

ゲゲッ!そこまで言うの?

「そんなコは、こちらから願い下げですね。はい、立ってください」


手際よく、ブラジャーをつけてくれるが…

「やっぱり... オッパイが大きくなっているから、ブラジャー窮屈になっているわ... 大きい寸法のを注文しなくちゃ...」

「やっぱり?少し、キツいなって思っていたけど、洗濯してブラジャーの生地が縮んだのかと思ってた」

「ブラジャーは縮みませんよ。ビアさまのも大きいのを注文しなくちゃならないし。育ち盛りって困りますね」

「いや、私はもう育ち盛りじゃないから」

「あら、そうなんですか?」


「それより、じゃあ、どんな男が好みなのよ?」

パンティを履かせてもらいながら聞く。

「オシリも少し大きくなったかな?」

「いや、オシリは大きくなってないって!」

「そんなことはありません。女は15歳ころから皮下脂肪がついて、オシリも大きくなるんですよ」

「そうなの?」

「はい。わたしもそうでした」

「どれどれ」

マルカのオシリをスカート越しに揉んでみる。

たしかに、かなりふっくらしている。


「わたしは、落ち着いた、頼りがいのある大人の男性が好きです」

肌色のキャミソールを着せてくれ、ついで薄茶色の袖なしの編物のシャツを着せながらボソッと答えた。

「完全にオッサン趣味じゃない?」

「オッサンでもいいです。わたしを可愛がってくれるのなら」

前にボタンがある白のミニスカートを履かせてくれながら、顔を赤くして言うマルカ。

「わたし、小さい頃にお父さんを失くしたから、お父さんみたいな男性に憧れるんです」

「.........」


私を一回りさせて、服装が問題ないか見てから、

「うん。これで、だいじょうぶです」

と言ったマルカの顔はきれいだった。

いや、これこそ“恋する乙女”の顔じゃないの?



 魔王城内を歩ける恰好になった私は、早速、昼食をとるためにダイニングルームへ下りた。

ダイニングルームでは、すでに昼食が始まっていたので、控えの間で魔王さまが来るのを待つこともない。

って、魔王さま、今日は(この時間は)下りて来ないでしょ?


 案の定、魔王さまもルナレイラお義姉(ねえ)さまもいなかった。

アマンダさまたちが、少し面白くなさそうな顔で昼食をとっていた。

 魔王さまとお姉さまは、昨夜遅くまで披露宴に参加したあとで、寝室へ行かれ、そのあとであんなコトやこんなコトを、ああやったり、こうやったり... 

やめよう。妄想しすぎるのは身体によくない(汗)。


「アリシア――っ!」

「アリシアちゃ――ん!」

「こっち、こっち――!」

仲良し三人組-マイレィちゃんとエイルファちゃんとエリゼッテちゃんが、奥のテーブルから呼んだ。ビアもいっしょだ。 


「今行くわ!」

そう答えて、料理や飲み物が並べられているテーブルに行って、お皿に料理をとろうと思ったら、先にお皿に料理を乗せたマルカが、数人が座っているテーブルに向かうのが見えた。

何と、そのテーブルにはグロッピンさんがいて、マルカは嬉々としてその隣りに坐った?


テーブルに着くと、ビアが開口一番教えてくれた。

「グロッピンさん、魔王城で働くことになったみたい」

「え?ここで働くの?」

「ママがね、昨日、グロッピンさんに礼服とか貸してあげたでしょ?」

マイレィちゃんが、あとを説明する。

「うん」

「それで、その時にママが色々経歴とか聞いたらしく、魔王城には経験のある侍従が少ないから、良かったら働いてみませんかって聞いて、グロッピンさんお受けになったらしいの」

マイレィちゃんが、採用の事情を教えてくれた。


 へえ、そうなのか... 

昨日、突然大聖堂に現れて、お父さまや私たちを見て大泣きし、今日は魔王城で侍従として働いている。人生、何が起こるかわからないものね。

 まあ、グロッピンさんは40年以上もイヴォール城で仕えて来た信用できる貴族だし、ここでは一応魔王さまに仕えることになっているけど、その実は私たちの近くにいたい- いや、そうじゃなくて、マルカといっしょにいたいのか?

 楽しそうにおしゃべりしている二人を見ると、グロッピンさんの目的はマルカだと思えるようになった。同じテーブルにいるのは、彼のことを知っている元ブレストピア国の貴族で、今は魔王国の貴族となっている人たちみたい。


「お父さまとマイテさまは?」

お母さまたちのテーブルに、お父さまとマイテさまの姿が見えないのでビアに聞くと

「あ、お父さまとマイテさまは、朝早く、朝食をとってから帰ったよ」とのこと。

ルナレイラお義姉(ねえ)さまの結婚式には参加したし、披露宴にも出たので、これで親としての務めは果たしたと考えてヤーダマーの塔に帰られたのだろう。

まあ、元ブレストピア国の貴族がたくさんいるところに長居してもしかたない。

問題を起こすだけだ... 

早めに塔に帰ったのは、賢明だったと言える。

だけど、娘としては少し寂しい... 


そう言えば、お母さまとモナさまは、

ジオンとキアラを私たちの部屋に寝かせて、三人でお父さまと一晩過ごされたらしい。

ま、まあ、四人は夫婦なのだし、四人いっしょに寝ても問題はない。


って、お父さま、誰を最初に抱いたのかしら?

お父さま、お若いから盛んなんだって、

一度、お母さまがちょっと恥ずかしそうに言ってらしたのを思い出した。

一番若いモナさまを最初に抱いたのかしら?

それとも成熟した女の魅力のお母さま?


なぜだか気になる... 

マイテさまってことはないよね?

だって、マイテさまとは一週間ずーっといっしょじゃない?


あーあ... 

オトナの女になるって、こんなコトも気になりはじめるのね。

フクザツ…


 



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