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ネコ耳❤アリシアの魔王城日記  作者: 独瓈夢
第一部 ネコ耳アリシア
28/316

第28章 魔王、不戦協定を結ぶ

「みんな、この不埒なク〇魔王と魔王妃どもをここから摘まみだせ!」


突然、三日月温泉に突入して来た軍服姿の一団にソフィア隊長が命令をした。


「「「「「「「「「「オオオオオオオ―――ゥ!」」」」」」」」」」

30人ほどの突撃隊員が、槍を剣を手に突入して来た。



 多勢に無勢で、アマンダさまもヴァスマーヤさまもミカエラさまも何も抵抗をしなかった。

アンジェリーヌさまたちも何もしなかったし、すでに酔いがすでに冷めていたアイフィさまも何もしなかった。  


 反抗しようろ想えば出来たのだろうけど、魔王国の最大の同盟国である鬼人族国の国賓が泊まる宿舎で戦うというのは、誰が考えても良くないと理解したのだろう。

 魔王国の超絶魔術師たちが本気で戦ったら、天道宮なんてふっ飛んでしまう。

もし、そうなれば、損害賠償の問題だけにとどまらず、ヘタをすれば魔王国と鬼人族国の間で戦争が始まってしまうかも知れない。それに、悪いのは、“手当たり次第に美女の体をさわる魔王さま”なのだ(汗)。


 魔王さまとアマンダさまたちー いわゆる“魔王妃”と呼ばれる四人- アマンダ、プリシル、リリスさまとハウェンは、「戦士の情けだ」と言って突撃隊の隊員たちにバスローブをあたえられ、周りを物々しく突撃隊に囲まれて三日月温泉から連れ出されて行った。



「ふ――ぅっ...とんでもない静養になっちゃったわね。ごめんね、アリシアちゃん」

リンマイユお姉さまが、メロンのような立派なオッパイをたゆんたゆんとお湯の中で揺らしながら、謝った。

「いえ、リンマイユお姉さまのせいではありませんし」

「だよね――っ、魔王さまったら、本当に癖悪いんだから!」

「これで少しは懲りればいいんだけど」

エイルファちゃんとエリゼッテちゃんもお湯に浸かりながら、口を尖らせている。


「まあ、魔王さまが、わたくしたち妻の体をさわるのはいいんですけどね... 他人の奥さまや、アリシアちゃんやソフィアさんなどをさわるのはねぇ...」

アイフィさまは、そう言ってから、私が魔王さまにムチ打たれたことを思い出したのだろう―

「アリシアちゃんは、もう魔王さまの... あ、いけない! ブクブクブク...」

と、またお湯の中に潜ってしまった。

魔王さまの恋人とか愛人(?)って言おうとして、失言だと気づいて、気まずくなって潜ったのだろう。


「アリシアちゃんが魔王の何ですって?あら、アイフィさん、どこ行っちゃたの?」

リンマイユお姉さまが、キョロキョロと湯気で曇る中をアイフィさまを探したが、当然見つからない。

「アイフィさん。アリシアちゃんが魔王さまの何んとかって言いかけていなくなっちゃったけど、あれ、何を言っていたの?」


“はい。私は、魔王さまに“乙女の神聖な区域”やおムネのボタンをムチ打たれましたので、魔王さまのセイドレイ...じゃない、魔王さまのムチなしには生きていけないオンナになりました”

なんて言える訳ないし、そんなオンナには()()()()()()()ので(なりたいとも思わないし!汗)、アイフィさまの言葉の意味を説明しなかった。

その代わり、別の説明をすることにした。


「魔王さまが、私をあきらめないっておっしゃったから、魔王さまには気をつけた方がいいって...」

「えっ、いつそんなことを言ったの?」

「舞踏会でいっしょに踊った時です」

「まったく、あきらめの悪い魔王ね...」

やれやれとリンマイユお姉さまが肩をすくめた。

「魔王さま、悪ふざけ、やりすぎね」

「危うく、わたしたちまで、この温泉から追放されるところでしたわ」

アンジェリーヌさまとジョスリーヌさまが、まだ驚きをかくせないようだ。


その時、連行された魔王さまたちと入れ替わるかのように、若い()たちがゾロゾロと三日月温泉に入って来た。


「ここが一番いいわね!」

「そうだよね。血の色してないし、ワニもいないし!」

「でも、クヴァシルやヘーニルは、入りたがっていたじゃない?」

「ミーミルは、ワニ見たら悲鳴あげて入口に向かって走って逃げたし!」

「ち、ちがうわっ、あれはオシッコしたくなったので、お手洗いに行ったのよ!」


姦しく騒いで入って来たのは、ミカエラさまと同じく、元ブレストピア国の魔術師の女の子たち。

ヨガヴィッド魔術学校出身で、ミカエラさまの後輩だと聞いた。


 ......... 

 ......... 

 ......... 

 ......... 



「まあ、そう怒るな。魔王はお湯の中に潜って泳いでいたら、何だか柔らかいものに当たったので、それがおまえのケツだとは知らなかったと言って謝っておるではないか?」


「モモコ大王、私はケツと言っておらんのだが...」

聞き覚えのある声が鋭い聴覚を持つ私の耳に聴こえて来た。


「ケツも尻も同じことだ。キャーハハハハハハハ!」

間違いない。モモコ大王の高笑いだ。


「そ、それは詭弁です!それにケツなんて言わないでください!人聞きが悪いですっ...」

あれっ、あの声は突撃隊のソフィアさんじゃのじゃない? 



 言い合いながら、ぞろぞろと三日月温泉に入って来たのは― 

やはりモモコ大王さまと魔王さまだった。後ろにはアマンダさまたち魔王妃、それにソフィアさま。

その後ろに14、5人ほど鬼人族の娘がいる。

 統率がとれた様子から、先ほど乱入じゃない、三日月温泉に突入して来た突撃隊の隊員らしい。隊員の半数ほどが若い女性隊員だったのを覚えていた。


 モモコ大王さまも、魔王さまも、アマンダさまたちも全員ハダカだった。

当然、後ろの突撃隊の女子たちもハダカだった。モモコ大王さまにせよ、ソフィアさんにせよ、女子隊員にせよ、体の美しさが際立っている。

 種族の特質なのだろうけど、腕とか足とか、お腹とかの筋肉が半端ない。

よく引き締まっているけど、ごつごつの筋肉モリモリじゃなくて、女性らしい身体の丸やかさと調和した美しさだ。女子隊員の中には、まだかなり年若い()もいるようで、裸が恥ずかしいのだろう、顔を赤らめていた。


「ここ、女子風呂なのに、なんで魔王がいるのよ!」

「男隊員は、男風呂の方に行ったってのに!」

「大王さまのダンナだからでしょ?」

「くっ、それで、あたしたちのハダカも見放題ってわけ?」

「しょうがないじゃん。隊長も大王さまから言われて、魔王を許したらしいから!」

「ったく、隊長らしくないわ!」

突撃隊の女子隊員たちが、小声で言っているのが聴覚の鋭い私の耳に聴こえる。


「さあ、『地獄温泉』に来たついでだ。国賓しか入れない温泉にゆっくりと浸かって、戦いの疲れを休ませるといい!」

「「「「「「「「は―――い!ありがとうございま―――す!」」」」」」」」

モモコ大王の言葉に、女子隊員たちは元気よく答えて、ドボン、ドボンと威勢よく飛びこむ。


「こ、こらっ、女の子らしく、おしとやかに入らないか!」

ソフィアさんが、湯飛沫を頭からかけられて、女子隊員をたしなめる。

「はいっ、すみません!」

「ごめんなさい。隊長!」

ペロっと舌を出して謝る若い隊員たち。

いずれもメチャ可愛い()たちだ。


「やーい!マリコッチ、叱られたァ!」

「う、うるさいっ、ニナっぺ!」

「こら、ニナっぺって行っちゃあダメっ!オナラみたいじゃん!」

「お湯の中でオナラでもしてなさい!」

「マリコッチもニナもやめなさいよ」

「隊長、怒ったら怖いわよ!」

仲間の隊員が言い争いをやめさせる。


ソフィアさんの顔を見ると、口争いはあまり気にしてないみたい... 

何か、魔王さまとモモコ大王の方を見て、何か言いたそうにしている。


「いいかげんに、大王さまの前で子どもみたいな言い争いはやめろ...」

「はい」

「すみませんです」


「ところで... 魔王... 約束のモノは?」

「心配しなくてもだいじょうぶです。連絡しているので、しばらく待てば持って来る...」

「おまえには聞いていない!」

アマンダさまが答えようとしたのをソフィアさんが、途中で遮った。

「むっ...」

アマンダさまも不機嫌な顔になる。


「まあまあ、二人とも仲良くして。あ、ほら、持って来ましたわ!」

プリシルさまが、入口の方を指差した。

見ると、ラビットディオ(ウサギ人族)のメイドさんたちが、次々とのワゴンカートを押して、三日月温泉に入って来た。ワゴンカートは5台ほど。

ワゴンカートの上には、何やら乗せているようだけど、白い布で覆われているので何を乗せているのかはわからない


その時、私の耳に、奥の方から近づいて来る男の声が聴こえた。

「なんだ、さっき、マリコッチとニナの声がこっちから聴こえたぞ?」

「うん。俺も聴いたけど、女湯って、近くなのかな?」

「ウヘヘ... 女湯、出来たら覗きたいな?」

「おれも!おれは、ベルナがいい!」

「オレは、フルールが好みだ!」


さっき、言い争っていたマリコッチとニナって言う名前の()たちのことを話している?

と言うことは... 

突撃隊の男たち?


「ここからが、三日月温泉とか言う温泉みたいだな?」

「うん。薄緑色の湯だから、そうだろうな」

「この近くには、かまど温泉とか言うのもあるって『天道宮』の案内冊子に書いてあるぞ」

「かまど温泉と言うくらいだから、熱いんだろうな?」

「熱さ我慢比べでもするか!」

ガヤガヤと大声で言いながら、湯気が立ち上る中を突撃隊の男隊員たちが、奥から入って来た。


「きゃっ!ヤニグ?」

「ダロッグにギスロン?」

「オーレルもバジロもいるわ?」

「なんで男隊員たちがいるのよ――?」

女子隊員たちが騒ぎはじめた。


「ゲーッ!マリコッチにニナ?」

「ベルナ、フルール?」

「ソレヌ、ミラベラ?」

「おまえたちこそ、なんで男湯にいるんだ―――?」

男隊員たちもビックリしている。


「騒ぐな!」

モモコ大王が一喝した。


「あ、大王さまだ!」

「モモコ大王さまも?」

「どういう事だ?」

「どういうことよ?」

「なんで、男子隊員がいるの?」

「なんで女子隊員がいるんですか?」


「騒ぐなと言っておろうが!この『地獄温泉』は、男と女と入口は別々だが、中では繋がっているのだ。女湯から女を入れて、男湯から入って来る国賓をもてなす仕組みになっておるのだ!」

モモコ大王さまの説明で、みんな納得した。


いや、女子隊員たちは、男子隊員たちとの混浴なんて納得してないだろうけど

国賓しか入れない地獄温泉にモモコ大王から招待されて、ここで文句を言ったり、恥ずかしいと言って逃げ出したりしたら、厳しいことで有名なソフィア隊長に厳罰に処刑されるかも知れないだろう。

いや、処刑されないまでも、突撃隊を除名されたり、牢屋にぶち込まれるかも知れない。


しかし、それでも仲間(男子隊員)にハダカを見られると言うのはかなり恥ずかしいらしく、若い女子隊員たちは、あいかわらずキャーキャー騒いで男子隊員たちから離れたところでかたまっていた。

そのくせ、ジャブジャブと遠慮なしにお湯の中に入って来た男子隊員たちの体をしっかりと“観察”していた?


「モモコ大王さまも、趣味が悪いですね? こんな仕掛けのある温泉に、若い男と若い女だけの突撃隊を招待するなんて...」

「そう文句を言うな、ソフィア。ほら、おまえが私の夫である魔王をこれ以上襲わないという約束の見返りに、魔王城で大評判という“すいーつ”とか言う菓子をたくさん持って来させておるではないか?」


ラビットディオ(ウサギ人族)のメイドたちが、ワゴンカートを覆っていた白い布をとると、何やら白っぽい者の上に赤いイチゴが乗っている、ソフィアたちが見たこともない美味しそうな“お菓子”が小皿に乗っていた。


「さあ、みなさんどうぞ!」

「お一人三皿までお代わりできますよ!」

「あ、順番に並んでくださいね!」


真っ先にお湯から出て並んだのは、突撃隊の女子隊員たちだった。

お菓子をもらうためにハダカで並んだが、それは男子隊員に見られるのは恥ずかしくないらしい?

羞恥心より食い気ってこと? そして列の先頭はソフィアさんだった?


「う...うまい!」

サジで一口食べたソフィアさんの目尻が下がり、口元がゆるみ、締まりのない顔になった!


「おいしい!」

「なに、これ?ふわふわして甘くて美味しい!」

「この白いクリーム、すっごくおいしい!」

「こんなの初めて!」


女子隊員たちが、あまり騒ぐので、男子隊員たちも入ったばかりのお湯から出て、列に並んですいーつをもらって食べはじめた。


「何だ、このウマサは?」

「すっごくうめえ!」

「魔王国では、こんなうまい菓子を喰っているのか?」

「信じられんおいしさだ」

こちらも大騒ぎだ。


なーるほど... 

魔王さまは、お菓子でソフィアさんと突撃隊を懐柔したのね?


この日、魔王城の夕食では、最近、人気になっていた『すいーつ』と言う、ソントンプ研究所の若手研究者たちが、魔王の依頼で研究の合間に“遊び半分”に作ったと言う好評だったお菓子が提供されず、夕食に来た者たちに、少なからず不満をもたらしたと後日聞いた。




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