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ネコ耳❤アリシアの魔王城日記  作者: 独瓈夢
第一部 ネコ耳アリシア
25/316

第25章 魔王と地獄と極楽と

 デュドル公爵さまとリンマイユさまのお骨折りで、ガジーマ城の大ホールで開かれた成人式の舞踏会は大成功で終わった。公爵夫妻への恩は一生忘れないと心に誓った。


 舞踏会では魔王さまとも踊った。

別に私は魔王さまを憎んでもないし嫌悪もしてないので

それはそれで楽しかったのだけど― 


 あの日のムチ打ちのことを思い出させられた。

するとあら不思議!打たれたところが、ビリビリと痛みだした。

あれにはおどろいたし、困った。


そこで、“真の事情”を知っているアイフィさまに相談したところ― 

「それは、たぶん、心が負った傷から来るものだと思うわ」とのこと。

「アリシアさん、あなたここに来たついでに、その心の傷を癒すために、『地獄温泉』に行ったらどう?行く気があるのなら、私からリンマイユ伯爵夫人に頼んであげるわ?」


 そういうような経緯で、鬼人族国の温泉に行くことになった。それにしても、『地獄温泉』って、何とも怖そうな名前...(汗)。そう言えば、舞踏会が行われたホールも『冥界の間』とかいう名前だったし。

 まあ、私の健康のためなんだ、怖そうな名前をつけるのが趣味みたいな鬼人族がつけた温泉の名前を怖がってないで、しっかり温泉に浸かって、精神的ビリビリを治そう!


 リンマイユお姉さまは、シュテン一族であることもあって、私が『地獄温泉』を使うことは即決みたいに早く承認された。この『地獄温泉』、実は、天道宮という国賓用の宿舎の中にあるのだそうだ。

だから、その使用には、モモコ大王さまの承認が必要なんだとか。


 デュドル公爵さまや、ブリュストン伯爵さまたち男は、それぞれ戦争で忙しいらしいく、『地獄温泉』には、リンマイユお姉さま、アイフィさま、リエルさんとエイルファちゃん姉妹、エリゼッテちゃんが、いっしょに来てくれることになった。

 アイフィさまは魔王国の魔術師部隊の主力魔術師の一人なんだけど、「わたくし一人抜けたくらいで魔術師部隊は全然影響はありませんわ」と言って、「アリシアちゃんの“真の事情”を知っているのはわたくしだけだから」と同伴をしてくれることになった。 


 お母さまとモナさまは、例の教師育成講義があるし、ルナレイラお義姉(ねえ)さまも鬼人族国に居続ける理由もないので、お母さまたちやビアといっしょに魔王城へ帰って行った。お父さまとマイテさまは、モモコ大王さまに厚く礼を述べてヤーダマーの塔に帰られた。



 テルースの世界地図

  挿絵(By みてみん) 



「ここ、天道宮は鬼人族国の国賓用の特別宿舎で、大きな寝室は20以上あります...」ガイドよろしくリンマイユお姉さまが、みんなの先頭を歩いて施設の説明をしてくれる。


 今日のリンマイユお姉さまの服装は、細い白の襟なしジャケットに白地に大きな花を金糸で刺繍したブラウスを着て、下もジャケットと同色の白の細身のロングパンツに細い踵の白い靴という、品格の漂う素敵な恰好だった。

 いつもはドレス姿だけど今日は案内役なので動きやすい服装にしたのだろうけどすごく新鮮だ。白い服が彼女のオレンジ色の髪と合って、とてもきれいだ。


 リンマイユお姉さまの説明によると、この天道宮の魅力というか、ここに宿泊したことのある国賓たちに好評なのが、血の池地獄、鬼鰐池地獄、三日月地獄、かまど地獄という恐ろしい名前がつけられた温泉だそうだ。

「モモコ大王さまのご好意で、三日間この施設を利用することができます。それでは、みなさんのお部屋に案内しますね」

さすが国賓用にの宿舎というだけあって、部屋は広く豪華だった。

リビングルームとベッドルームは、たっぷりとスペースがあり、調度品も家具も超一流で、バスルームも結構広い。プールもあるベランダからは天道宮の広大な庭に出れるようになっており、散歩も楽しむことができる。


 それぞれが宿泊する部屋に着替えなどの荷物を置いたあとで、ダイニングルームに集まって夕食をとることになった。 

「女子だけしかいないんだし、アリシアちゃんの幸多からん未来を祈って乾杯しましょう!」

リンマイユお姉さまの音頭でシャンパンで乾杯する。


「はーい!」

「乾杯!」「乾杯!」「乾杯!」「乾杯!」

「三日間、女の子だけで羽目を外すのもいいわね!」

「自由バンザイ!」

「アリシアちゃんバンザイ!」


 待ちかねていた15歳になった。

うれしいみたいだけど、まだ少し子どもとして親に甘えていたいという気持ちもあり、まだ実感がわかない。14歳も15歳も、それほど変わらない気がする。ただ周囲が“もう一人前”と騒いでいるような感じだけのような気もする。


 大人になって飲むシャンパンはさらに美味しい感じ。

おつまみのブタ肉の燻製薄切りやエビ、輪切りトマトの揚げ物、トゥルッタの薄切りにオイルをかけたものなどが、すっごく美味しい。

 大人になったんだ、お酒をたくさん飲んでも誰からも怒られないんだという解放感が、急ピッチでグラスを開けさせる。


「それにしても、モモコ大王さまも鬼人族国のみなさんも、魔王さまって怖くないんですか?」どうしても、一何かが腑に落ちなかったので、あらためてリンマイユお姉さまに訊いてみた。いくら、鬼人族国軍がテルースの世界最強の軍をもっていると言ったって、()()()()()()()()()()()()()()で、あの魔王さまが、私を手放すなんて信じられない。


「ああ。それはね、鬼人族国が、最強の軍をもっているって聞いたのでしょう?」

「ええ」

「それは、本当なのよ。たしかに獣人族国なんかには、エレファンディオ(ゾウ人族)とか、ヒポホルスディオ(カバ人族)とかタイガニディオス(トラ人族)なんていう強い種族がいるけど、数が少ないのよね」

「そうなのよ、アリシアさん。人口別に見ると、獣人族が一番多くて約4000万人だけど、今、公爵夫人が言われたように、そのほとんどが、ボヴィニディオス(牛人族)カプラニディオ(ヤギ人族)カニスディオ(イヌ人族)ラビットディオ(ウサギ人族)フェリノディオ(ネコ人族)など中型種族、もしくは小型種族なの...」


アイフィさまは、かなり物知りだ。テルースの人口は、獣人族がトップで4000万を超しており、ついで鬼人族が1000万ちょっと、エルフが340万人くらいなのだそう。


「鬼人族の戦士は一騎当千の戦士たち。男も女も同じくらい強い。だから、獣人族は鬼人族の敵ではないのよ」

リンマイユお姉さまが誇らしげに胸を張る。“いや、近くで見ると、リンマイユお姉さまのおムネ、すごい!


「魔王国軍は、寄せ集めの軍なの...」


ん?ああ、そうか!そりゃそうだろうね。魔王さま、戦いで負けた軍の将校を捕虜にしたあとで、魔王国の軍に入れるって聞いているし、魔王国は、元マビハミアン国と元ブレストピア国の領土だったものだから、住民はほとんどが獣人族かエルフ族だしね。もっともエルフは少数民族だから人数は、獣人族よりずっと少ないけどね。


「寄せ集めの軍って、勝っている時は強いけどまとまりがないから、負け始めたら弱いのよ。獣人族軍って多種族軍でしょ?だから、おたがいライバル感みたいなものもあって、なかなか一致団結という訳にはいかないの」

リンマイユお姉さまの言うことが、よく理解できる。


「その点、鬼人族軍は200万人全員が鬼人族だから、まとまっているの」

「まとめ、いや、まとめった、違う、まとまったぁ、一致団結した軍隊ほど強いものはないのよォ」

アイフィさまが、リンマイユお姉さまの言葉をしめくくった。けど、しゃべり方、何だか少しおかしい?

「いくら魔王国の魔術師部隊が強いと言ってもねぇ... 鬼人族国の突撃隊に夜中に急襲されたらぁ、すぐに全滅してしまうわぁ」

「... ドコデモボードって、便利ですけど、奇襲に使われたら防ぎようがありませんからね」

「その通りよ、アリシア。あなた見かけよりアタマいいわね?」

ポンポンとリンマイユお姉さまから、頭をたたかれた?

お姉さま、ちょっと酔っているみたい。

だから、ドコデモボードは国家機密なのだ。厳重な管理下におかれているね...と納得した。



「その通りよ。そして、ドコデモボードは、魔王国の同盟国にも魔王国から供与されている。鬼人族国軍も自由に使えるの」

「だから、いくら魔王さまと言えど、モモコ大王さまの“お願い”に『それは出来ません』とは言えないの」リンマイユお姉さまとアイフィさまの説明で事情と背後が理解できた。

先ほどの話の中で、リンマイユお姉さまが、“鬼人族国の突撃隊”と言った言葉が、頭に残った。

何だか、すごく恐ろしそうな部隊の名前... 


「アリシアぁ... あなた、そんなに飲んだら酔っぱらっちゃうわよォ?」

私が冷たくて美味しいシャンパンをコクコクと喉を鳴らして飲んでいるのを見て、リンマイユお姉さまが注意をする。そういうリンマイユお姉さまも、久しぶりに肩の凝らない場所にいるからか、顔がかなり赤くなって、息も荒くなっている? そう言えば、アイフィさまも先ほどから呂律がよく回ってない感じ。


「ったく!魔王さまったら、いくらネコ耳が好きだからって、アリシアちゃんをいたぶり過ぎ!プハ―っ!」

「あぁん?それ、どういうこと、神教官さまぁ?」

「リエルさぁん...」

「はぁぁい」

「ここはぁ... 礼拝室でも大聖堂でもないしィ、わたくしもォ 今、祭司のお仕事やってないんだからぁ...」

「はぁぁい。神教官さまぁって呼ぶなってことでございましょうォ?」

ヤバっ、アイフィさまとリエルさんもかなり酔っぱらっている!



「んじゃ、そぉろそぉろ 『地獄温泉』に行くとしますかぁ?」

「お―――、行こう、行こう!」

「『地獄温泉』攻略だ――!」

少しろれつが回りにくくなっているリンマイユお姉さまの声で、みんな立ち上がる。

テーブルの上には十数本のシャンパンの空き瓶があった。みんな、かなり出来上がっている感じ。

あまり酔ったように見えないのは、エイルファちゃんとエリゼッテちゃんだけ。私は半分酔っぱらっていた。


「え―っと え―っと え――っと... たしか、こっちだね」


 バスローブを着たリンマイユお姉さまが、手に持っている冊子を見て、少し首を傾げて先頭を行く。

お姉さま、天道宮、あまり詳しくないみたい... 

手に持っている冊子は、天道宮の案内誌なんだろう。


 それでも、ほかに知っている者もいないので、リンマイユお姉さまのあとをみんなついて行く。

温泉に入ると言うので、全員、部屋にもどって着替えの下着を入れた袋とバスローブを着て来ていた。

アイフィさまとリエルさんは、おたがい肩に手を回して転ばないようにして歩いている。


 温泉があるという方に廊下を歩いて行くと、廊下が二つに分かれていた。

そして、壁に案内プレートがあった。

『地獄』と大きく書かれたプレートの下に


「← 男 女 →」

と書かれていた。


「女湯はこちらね」

リンマイユお姉さまが、指差してズンズン歩いて行く。


「楽しみね!」

「私は温泉ははじめて!」

なんて楽し気に話しながら右へ曲がって歩いて行く。


「ヒック!魔王さまもいないし... ヒック!今日は、ゆっくり羽を伸ばすわ...ヒック!」

「うぃ~!だよねぇ、アイフィ。たまには、こうやってぇ うぃ~! 助べえな誰かの目でジロジロと見られないでゆっくりお風呂浸かりたいもんね!」


アイフィさまとリエルさん、かなり酔っているみたいだけど、温泉だいじょうぶかな?


廊下はずっと曲がっていた。

しばらく行くと、右に両開きの扉があり、上には『地獄入口《女湯》』と書かれたプレートがあった。

リンマイユお姉さまが、扉を押して開けると、むわ~っと熱気が中から出て来た。


「うっぷ!すごい熱気!」

「蒸し風呂じゃないの?」

「いや、温泉だって言ってたわ」


 扉から入ると、そこはちょっと広い場所で床には石が敷き詰められているけど、温泉に近いためか床が暖かい。正面には岩を積み上げて作られた壁があり、その下の方に棚がある。

「天道宮の管理人の話ではぁ、『地獄温泉』に入る者はぁ、脱衣所で服を脱いでくださいって言ってたからぁ、みなさん、服は全部脱いでねぇ!」


 説明しながら、リンマイユお姉さまは、パッパとバスローブを脱ぎ、さっさと大きなブラジャーを外し、おパンティを脱いだ。おパンティを脱ぐ時によろけて私につかまった(汗)。

 それにしても、リンマイユお姉さまの身体、すっごい!

ルナレイラお義姉(ねえ)さまの身体もすごいけど、リンマイユお姉さまの身体は、腕とか足とかお腹とか、きりっと筋肉がついているところが違う。


 やはり、鬼人だからのだろうけど、それでいて、身体の曲線は二十代の女性の身体らしく、なめらかでふっくらしている。おムネはたっぷりと大きく、この大きさだとデュドル公爵さまの手の平には収まらないだろうなどと変な想像をしていた(汗)。

 オシリもキュッと引きしまっていて、まったくたるんでいないし、それでいて、けっこう脂肪もあり、丸っこい感じの色っぽいオシリだ。


「あらん!公爵夫人さまのオシリ、魔王さま好みみたいだわ!ヒック!」

アイフィさまが、リンマイユお姉さまのオシリを揉んだ。

プリンプリン 

まさしく、そんな感じのオシリだった。


「うぃ~!どれどれ」


プリンプリン 


リエルさんも揉む。「あら、二人ともォ、わたくしのオシリばかり揉んでぇ!」


「きゃあ!」


ムニュムニュ... 


アイフィさまが揉まれた。


「ひゃあ!」


モニョンモニョン 


リエルさんが揉まれた(汗)。


「二人ともォ、オシリの鍛え方が 足りないわ!ふふふっ!」

魔王国、いや、テルースの世界最強と呼ばれる魔術師も、こうなれば形無しだ(汗)。リエルさんの方は、魔術師でも剣士でもない、私と同じ王族出身なんだけど... 彼女はエルフ族だから、オシリはおムネと同じく、あまり出てないのよね。


モッチリモッチリ


「キャっ!?」


「おぉ!さすが、フェリノディオ(ネコ人族)だけあって、アリシアのオシリは肉質感が半端じゃないわ!」


しゅるしゅる... 


「それに、このシッポもいい感じ!」

「アタシにも感じさせて!」

「ヒック!わたくしにもおシッポさわらせて!」

「うぃ~!あたしも!」

「ワタシもさわりた~い!」

「はあぃ。順番にね!」


リンマイユお姉さま、私のシッポ、見世物じゃないんだから、やめて!


 さんざん、オシリとおシッポを揉まれ、さわられたあとで― 

いよいよ『地獄温泉』に落ちる、いや、入獄、違う、入ることにした。




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