第113章 アリシア伯爵は商機を逃さない③
「それで、私に個人的にたのみたいと言うのは何だね?」
会議室からゆったりしたソファーと暖炉のある部屋に移った。
魔王さまは豪華なティーカップに入れたお茶を飲んでいた。
豪華なティーカップに淹れられたお茶を飲んでいるのは、魔王さまだけでなく、私も豪華なティーカップに見とれながら飲んでいた。
“いいなぁ。こんなティーカップ、私もそろえたい。同じお茶でも、さらに美味しく飲めるわよね? でも高いだろうな... 今は贅沢品などにお金を使っている余裕はない。領地への投資や葡萄酒の販売拡大、それに新しい事業などお金はいくらあっても足りないくらいなのだ...”
「ギャストン伯爵殿、お酒をを混ぜて飲むと美味しいですか?」
奇妙な形をした酒瓶から、葡萄蒸留酒をティーカップのお茶に注いでいるのを見て、ペンナス伯爵さまが聞いた。
「おう。ただのお茶では刺激が足らんからな。こうして葡萄蒸留酒を少し入れると、お茶のうまさと酒の芳醇な香りを同時に楽しむことができるのだ!」
「それにしても、その酒瓶は何だ?まるでガイコツのようではないか?」
スティルヴィッシュ伯爵さまが、興味深そうに聞く。
「魔王さまから、元おられた世界では、戦に勝った将軍は、負けた将軍の骸骨に酒を入れて飲んで勝利の味を味わっていたという話しを聞いてな」
「それで、その骸骨酒瓶を特注したのですか?」
「左様です、アマンダさま」
「じゃあ、私にも少し頂けるかしら?」
「勿論!」
「あ、私も試してみたいわ」
「リリスが試すのなら、私も!」
ハウェンさまもトクトクとティーカップに葡萄蒸留酒を注ぐ。
唯一、葡萄蒸留酒を入れなかったのはプリシルさまだけ。
そう。喫茶室には、会議の出席者が全員そろっていたのだ(汗)。
みんな、ヒマみたい。これじゃ、個人的なお願いしにくいんだけど...
ティーカップ
「魔王さま、お願いというのは、ゾオルに『マオウナルド』の店を開ける許可をいただきたいんです」
「なに?『マオウナルド』の店をゾオルに?」
「はい。私も部下たちも、トリプルビッグバーガーとフライドポテトとマオウ・コーラの禁断症状に苦しんでおります」
「ほほぅ。だから、ゾオルでもトリプルビッグバーガーを食べたいと?」
魔王さまは、皮肉っぽい口調でおっしゃったけど、内心嬉しがっているのがわかった。
「いえ、食べたいのは食べたいんですけど、私たちがこれほど“ヤミツキ”になるのであれば、ゾオルでも獣人族に大人気になると考えたのです」
「ほう。自分たちも食べて、ゾオルの市民にも提供したいと?」
「はい」
「だが、西ディアローム帝国の国民は、肉を食べることが禁じられているということを知らないわけではなかろう?」
「はい。それについても検討をしていまして、ソイ豆を肉の代用にすれば十分に肉の味に近づけることが出来るということがわかりました」
「なるほど。確かにソイ豆は茹でた後で潰してから、タマネギなどを混ぜて調理し、塩コショウで味付けをすれば、結構うまい代用肉になる。パン粉もいらなぬしな」
魔王さま、魔王城でもいろいろと新しい料理を作らせたり、魔都にイタリアンとかフレンチとかいう、これまで聞いたことも見たこともないレストランを開けさせたり、『マオウナルド』の店を開けたり、ヤキトリ店を開けたりするだけあって、かなり料理にお詳しいみたい。
「ふむ。よかろう。西ディアローム帝国での『マオウナルド』展開は、肉食の問題があるので諦めていたが、そこまですでに検討しているのであれば... いいだろう。わが国が占領後のアングルスト帝国の領土を自国領とする承認を西ディアローム帝国政府から得た褒賞の一部として、ゲネンドル伯爵が『マオウナルド』を西ディアローム帝国に開店することを承認しよう。契約などの詳細については、リリス相談するがよかろう」
「ありがとうございます!」
最敬礼して感謝の意を示した。
ゾオルだけじゃなく、西ディアローム帝国全域に『マオウナルド』の店を開けることを許可してもらった。
そして今度はちゃんとゲネンドル伯爵って呼んでくれた。
うれしい!
部下たちも一斉に頭を下げる。
「ネコ耳の個人的な願いは、これで解決したとして、おまえは今回の東ディアローム帝国の領土割譲問題を見事に解決した功績により、ドヴェルグ王国、鬼人族国、ボードニアン王国、それにミタン王国から伯爵の爵位を叙爵されることになっておるから、訪問しなければならないだろう?」
「はい。そのうち、暇を見つけて...」
またネコ耳にもどっちゃったよ?
「暇など待っておってはいつまで経っても来ないぞ? 今回の西ディアローム帝国政府との交渉大成功の褒賞として一ヶ月の休暇をやるから、すべて回って爵位を受けて来るがいい」
「重ね重ね心よりお礼を申し上げます」
ふたたび最敬礼して感謝の意を示す。
部下たちもまた一斉に頭を下げた。
「ところで... ちと、おまえと話したいことがある...」
「はい?」
魔王さまの意図を察したのか、アマンダさまたちが立ち上がるとドアに向かった。
大臣たちもゾロゾロと出て行った。
それを見たロニアちゃんとアマラちゃんがおたがいを見て頷きあって
「さあ、伯爵さまは、まだ魔王さまにお話ししたいことがあるようですから、私たちも引き上げましょう!」
「そうそう。さあ、出ましょう、出ましょう!」
とフローリナちゃんやミルイーズちゃんたちの背を押したり、手を引いたりして出て行った。
「えっ、なに?」
「何ですか?」
「ちょっとォ。押さないで!」
ロナミちゃん、クレーラちゃん、モニッケちゃんたちが、喚きながら追い出されていった(汗)。
ギャストン伯爵の酒瓶
「ネコ耳」
「はい」
「私の膝の上に座るがよい」
「は、はいっ」
来たよ。
魔王さまに、特別なお願いをする時には、決まって代償を払わされるのだ。
いや、“代償”という形をとっているみたいだけど、魔王さまにとっては、最近、まったく姿を見せなくなった私との“繋がり”を再確認する儀式なのかも知れない。
もちろん、この場合、“繋がり”とは、肉体的繋がりと精神的繋がりの双方を意味する。
しかし、報告会議の直後、そんな展開になるとは想像もしてなかった私の服装は―
濃紺のコートに金糸の刺繍があしらわれている鶸萌黄のベスト、真っ白なシルクの長袖シャツに首にはピンク色のネッカチーフをちょっぴりのぞかせて女らしさを出していた。
トラウザーはコートと同じ濃紺で、ぴかぴかに磨いたブーツは黒の膝下までのやつという、いつも通りの男装の麗人ファッションで、とても魔王さまが好みそうな、手ですぐに下着に触れられるようなドレス姿ではなかった(汗)。
しかし、せっかく魔王さまが『マオウナルド』をゾオル、じゃない、西ディアローム帝国に開くことを承認してくださり、おまけに1ヶ月の有給休暇みたいなものまでくれたのに、「今日は男装ですので」と遠慮するわけにはいかない。
「し、失礼します」
一応断ってオシリを魔王さまの膝の上に乗せる。
魔王さまは私の顔に手をあてて自分の方を向かせるとチューをした。
魔王さまの唇は柔らかい。まるで女の子の唇のようだ。
すぐに舌が入って来た。
ねっとりとした感じで、私の下に絡めグルグルと巻き付けるような感じで思わずあえぎ声が出る。
やっぱり魔王さまは、たくさんの女性との経験があるだけあって、キスもお上手。
魔王さまの手は、ベストの上から私のおムネを揉んでおり、もう片手はトラウザーの上から恥ずかしいところを触っていた。一切の動きに無駄のない、まるで芸術品を愛しむような動きだ。
どうやったら、唇、舌、右手、左手を同時にこのように動かせることが出来るのか、まったくわからない。
だけど、気持ちがいいったら...
もう、私は夢うつつだった。
コートは脱がされ、ベストのボタンもシャツのボタンも外され、
ブラジャーを押し上げられて露になったおムネに魔王さまは舌を這わせていた。
舌先でボタンを弾かれるようにされると
ビリビリと気持ちよさが全身に広がり、脳ミソが痺れたようなになり、
あえぎ声がとどめなく漏れるけど、これだけは抑えようがない。
「魔王さま... 魔王さま...」
いつしか、濃紺のパンツもレースのおパンティも脱がされ、
魔王さまは、私のお股に頭をうずめていた…
あまりの気持ちよさにあえぎ声がだだ洩れだ。
魔王さまは、ひょいと私を抱き上げると―
「部屋までゲート、オープン!」と言った。
なに、そのオープンって言うのは?
ジ…ジジジ…ジジジジ…
聞き覚えのある、あの空気が震えるような音がしはじめた。
“えっ、これってドコデモゲートを作動させているの?”
魔王さまにハダカで抱かれたまま、薄目を開けて見ると―
あの窓際の壁が総ガラス張りの魔王さまのお部屋の景色が、空間に開いた小さな穴から見えはじめた。
穴は急速に大きくなり、魔王さまは私を抱えたまま、喫茶室からお部屋へ移動した。
“私の服と下着が... 喫茶室に残っている!”
そんな私の考えには気づくはずもない魔王さまは、つかつかと大きなベッドに近づき、私を横たえると、さっさと服を脱いでハダカになってしまった。
そして―
私の脚を開くと、がっしりした躰を入れて来た。
...............
............
.........
それから3時間―
めくるめくような時間が過ぎた。
魔王さまの尽きることのないようなセイリョクには、毎回おどろかされる。
男って、1回したら1時間ほど待たないとまたヤレないって言うけど、魔王さまはまるで十代の男の子みたいにすぐ臨戦態勢になれるのだ。
まだ16歳の私が、「少し休ませてください」と言わなければ、連続してヤリ続けるくらいお強い。
まあ、あのソントンプ研究所で作らせたという、セイリョク剤とやらを飲んでいるらしいんだけど、まったく、ライオニディオス並みにお強い。
「さて、では久しぶりにネコ耳を堪能したから、今度は久しぶりに大浴場へ行くか?」
「え... 大浴場?」
「そうだ。大浴場では、母上にもマイテにもラーニアにも会えるぞ? それにルナレイラにもな!」
そういえば、魔都に帰ってから、会議に直行したので、お母さまにもビアにも会ってない。
ルナレイラお義姉さまにも、かなり長いこと会ってない。
「行かないのか?」
「行きます」
大浴場に着ていく服がないと言うと、10分もしないうちにニットのロングワンピースを部屋に備え付けの小さな垂直移動箱で持って来させた。ただし、おブラもおパンティもついてこなかった。お風呂に入るだけならいらないってことらしい(汗)。
魔王さまといっしょにお部屋を出て垂直移動部屋に入ると、魔王さまは一階のボタンを押した。
魔王さまは、黒に金色の刺繍が施されたガウンをまとっていた。裏地が赤いステキなガウンだけど、下着を着ないのは、私に合わせたのかな?
垂直移動部屋の中で、またたっぷりチューをされ、オッパイをモミモミされた。
さすがにすぐに一階に着くので、ほかのところには触られなかったけど、これが魔王国情報総局のビルみたいに15階とかだったら、きっと恥ずかしいところさんざん触わられていただろう
いや、それ以上のことをされたかも?(汗)。
1階に着き、垂直移動部屋のドアが開いて、廊下を歩きながらもチューを続ける魔王さま。
それにしても、魔王さまのセイヨクって強すぎない?
廊下で、メイドさんとか使用人とかとすれ違うんだけど、私はチューをしながら歩いているのを見られて恥ずかしくてたまらなかった。
使用人たちはもう見慣れているらしく、脇に寄って道を開け、お辞儀をして魔王さまと私が通るのを待つ。廊下はそんなに狭くないんだけど、やはり魔王国の王なので敬意を表しているのだろう。
大浴場は、魔宮殿の裏庭に面したところにあり、ここは魔王さま以外の男性は立ち入り禁止区域だ。
大浴場の両開きの大きなドアを開くとむっと熱気を感じる。入ったところは、脱衣所でここで服を脱いで棚に置いて浴場に入る。
魔王さまはガウンを脱ぎ、私はニットのロングワンピースを脱ぐ。
大浴場は総大理石造りの豪華なもので、広さは50メートル以上ある。湯舟も30メートルほどの長さがあるという巨大さだ。
ハダカになった私を見て欲情したのか、魔王さまはもうもうと湯気が立ちこもっている大浴場で濃厚なキスを始めた。おムネを揉まれまくり、アソコやココを触られ続け、私の体にはまた火がついた。
早く大理石の床に押し倒されて、力強く愛してもらいたかった。
私の願望を感じ取ったのか、魔王さまは私を床に寝かせた。
大理石の床は冷たかったけど、熱くなった体には気持ちよかった。
魔王さまが、私に重なって来た。
私は迎え入れるために脚を開いた。魔王さまの熱いモノが私の体に触れたのを感じた時―
「魔王さま――っ、そこで何をしておられるんですか――?」
大声で呼びかけながら、ジャブジャブとお湯の音をさせて近寄って来た、色白でぽっちゃりした体の若い女性。
ワチビア地方のアバドワル州太守の娘で、ナーリミアさんという名前だ。
ナーリミアさんは、色白でぽっちゃりしていてとても明るい娘だ。
いや、もう結婚しているのだから、王妃さまか。
魔王さまは、ワチビア地方の三州をルーボードタン連邦に加盟させるために、三州への投資を餌にした。そして三州の太守たちは、魔王さまと縁続きになるために、そのそれぞれの王女たちを魔王さまに嫁がせたのだ。
その時にナーリミアさんといっしょに魔王さまと結婚して王妃となったのが、ガリュベン州太守の娘ヤシュタラさんとナーカダル州の太守の娘ラゥパニさんだ。
最年少のヤシュタラさんは16歳で、至極の白肌美人で情熱的な性格の女の子。
ラゥパニさんは最年長で18歳で、彫の深い顔ときれいな黒髪を持つ美女で三人の中で一番落ち着いている。
「あーん、私たちもう1時間近く待っているんですよォ?」
ナーリミアさんは、甘えた口調で魔王さまに抱きつき、エルフにしては豊満すぎるオッパイを押しつけている。
「ナーリミア、魔王さまのお邪魔しちゃあだめじゃない!」
ラゥパニさんは、さすがに年長だけあって分別があるみたい。
彼女は長身で、ちょっとビースーに似ている感じ。
「だってぇ... 魔王さま、1時間も遅れて来て、そこでアリシア伯爵さまと愛し合っているんだもん!」
「私も少しのぼせましたわ」
ヤシュタラさんは、自慢の白肌が長く大浴場にいたことで薄桃色になっていた。
身長は三人の中では一番低く、150センチくらいしかないけど、均整の取れた体をしている。
「おう、そうであった!悪かったな」
魔王さま、さっさと私から離れて三人のワチオピア娘とキスをしたり、どこかを揉んだり、触ったりしながら大浴場の奥の方へ消えていった。
「やだあ、魔王さまぁ!」
「あん...」
「こそばゆいです、魔王さま」
遠くから、三人の嬌声が聞こえて来る。
私は、魔王さまによってまた火がつけられて火照ったままの体で、お子さま用みたいな10メートルほどの小さな浴場に向かった。
「お姉ちゃんも大へんだねぇ」
湯気で見えなかった女性が、私に声をかけた。
「ビアじゃないっ、何をしているの?」
「何をって、見ての通り、お風呂に入っているのよ。大きいお風呂の方は、魔王さまが来たら子どもが見てはいけないようなことをするからここに入っているのよ」
「あなた... 魔王さまから襲われちゃうわよ?」
去年から、ビアは急速に成長をしてすごく女らしくなった。
背は170センチを超えているし、オッパイなんか私の二倍くらいありそうだ。
オマタの毛もボーボーで密林みたいになっている(汗)。
こんなオイシイ娘を見たら、魔王さまが黙っているはずがない。
すでに、去年のピクニックの時に、ビアは魔王さまに初キスを奪われているのだ。
私もすでにショジョを魔王さまに奪われているし、お母さまはとっくにショジョではないけど魔王のものになっているし、ルナレイラお義姉さまは王妃になっちゃっているし、マイテさまもモナさまも同じく魔王さまのものになっている。
これで、もしビアが魔王さまのものになったら、ゲネンドル一族は、(男であるお父さまをカリブを除いて)ほぼ全員魔王さまの女になるわけじゃない?
「あたしが魔王さまにショジョを奪われることになったら、連帯責任でビースーたちも捧げるって言ってたよ!」
私の懸念に気がつはずもなく、ビアがとんちんかんなことを言う。
「れ、連帯責任?そんなの連帯責任じゃないでしょ?」
「ま、呼び方はどうでもいいけど、一緒に経験しようって決めているんだ」
いや、ビースーとかロナミ・ペンナス ちゃんとか、アラネイル・ハンノンベリちゃん、イジルダ・ベテラーブ ちゃん、それにリラーナ・ダルドフェルちゃんなどには魔王さまは手を出さないと思うよ。
彼は信頼する部下たちの家族には手を出さない主義みたいだから。
そんなことをしたら、閨閥が出来かねないし、ほかの将軍たちも競って妻や娘を差し出し始めるかもわからないからね。
そんなことが起これば、魔王国の権力構造がおかしくなってしまう。
魔王さまが狙うのは、そんな笧のない私たちとか、元輔祭のロニアちゃんたちだよ。
幸か不幸か、あの日、魔王さまは私と愛し合ったあとでワチオピア娘たちに関心を持ち、ビアには目もくれなかった- というか、湯気でビアが見えなかっただけの話だ。




