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7.なぞがなぞをよんじゃう

 みっこおじさんを洗脳、じゃない説得するのはちょっと時間がかかった。まぁラノベ世代の若者でないし、普通に転移って言ってもわからんないよね? 


 私は地球の知的なアオノリから異世界の知的なアオノリに生まれ変わった転生。


 みっこおじさんは地球の普通のおじさんから異世界の普通のおじさんへと名前が変わっただけの転移。


 若くて可愛い子だったら丁寧に説明するんだけど、いかんせんおじさん。


 め ん ど い。


 最悪、寝ている間にちょこちょこっと脳をいじっちゃおっかな~なんていたずら心も浮かんだんだけど我慢した。私、悪いアオノリじゃないからね。


 あっおじさんが気絶中の遺伝子解析とか操作とかはシラを切りとおす予定だから。ノーカンで。


 乙女は秘密の一つや二つ持ってないとだしさ! ミステリアスな魅力が出ないし。


 それにしてもみっこおじさんは羽座博士に比べてちょぉぉぉっと物事の理解力が悪かった。


 まあ人外レベルの大天才のマッドサイエンティストとは比べてはいけないんだと思うんだけど私にとって比較対象は羽座博士か他の研究員達しか居ないんだからしょうがないよね。


「で、アオノリちゃんは俺にアオノリを売ってきて欲しいと?」

“その通り! よろしくー!”

 

 この結論までみっこおじさんが辿り着くまで5時間。


 びびりまくってたみっこおじさんをなだめてすかして自己紹介して説明して説得して脅して洗脳して最終的にはみっこおじさん的には自分が納得したからと思い込ませた。

 

 私の圧勝!!


 とはいえまじだるかった。


 前言撤回してちょっとだけ禁断の能力使っちゃったことは墓場(はかば)まで持っていく秘密。


「でもここからどこに街があるのか? ここがどうして異世界だってわかったのか? 俺いまいちわかんないんだけど? あとそもそもなんでアオノリちゃんの声が頭に聞こえるのかとか」


 やばっ! 触れられたくなくてぼかしたところ的確についてこられちゃったよ。内心ちょっと焦る。私の能力の説明なしでどうやって話そうかなって考えて……


 ん? あれ? おかしくない? 私は一つひっかかった。


 私、転生したのになんで普通に能力使えてるんだろう? 今まで全然気にしてなかったけど改めて気になった。もしかして私転生じゃなくて転移したの? みっこおじさんと同じく? 


 え、ちょっとみっこおじさんとお揃いとか萎えるんだけど。


 彼氏でもないのに!


「アオノリちゃん?」


 考え込んだ私にみっこおじさんが不安そうに話しかけてくる。みっこおじさんは自分が頭がおかしくなって水草に話しかけてる痛いおじさん化してしまったことを真剣に悩んでる。


 これは夢だ。これは夢だ。これは夢だ。これは夢だよな? 俺大丈夫だよな?


 現実逃避しているのがダイレクトに伝わってきてうるさい。


“みっこおじさんちょっと待っててね。今大事なこと考えてるから”


 優しいアオノリの私は穏やかにみっこおじさんをなだめておく。気分は保母さん。


 あのとき。あの研究所が爆破させられた日。羽座博士は最後に何て言ってたんだっけ? 正直ちょっと記憶が曖昧で気づいたらここにいたんだよね。


 だから私、転生だと思い込んでた。


 でも。違う?


 新たな可能性の出現に私は少しだけ動揺した。だけど私はその考えを振り払った。


 大切なのは今。ここで私が輝くために何をするか。


 なぞはおいおい解き明かせばいい。


 私はみっこおじさんに話しかける。


“みっこおじさん、ごめんね? じゃあちゃんと説明してあげるからね”


 みっこおじさんは神妙な顔で頷いた。よおし優しい優しいアオノリ先生がちゃんとごまかしちゃうからね!


 あたりはすっかり暗くなってきてる。


 そこら辺に居そうなおじさんが川の岸ぎりぎりに正座して私の言葉を待ってる。


 わあとってもシュール。


 おじさんだけどなんて言うか出来の悪い子ほどかわいいっていうか複雑な気分。また手のひらで転がしちゃうぞ☆ってやる気になったけど。手のひらないけど。


 でも。


 何かひっかかった。


 暗い水辺。暗い……くらい。くろい。黒い穴?


“あ。やっぱちょっと待って。とりあえず考えたいこと出来ちゃった”


「え? おい?」


 ガクッとコントみたいにずっこけたみっこおじさんはとりあえず無視。古いよそれ。


 黒い穴。ブラックホール.........ワームホール。


 心当たりが一つ。脳裏をよぎった。


 私の仮説が正しければ。もしあの研究が完成してれば。装置の起動が間に合っていれば。


 その予感に私は胸がどきどきした。心臓は無いから単なる比喩表現だけど。


 もしかししたら。もしかすれば。もしかして。


 羽座博士、生きてるかも。


 





 

 

 


明日は月曜日。真面目に仕事をしようとしてしない日です。ストックが切れたので明日更新できるかわかりません。なので時間稼ぎに宣伝です。


マッドサイエンティストの羽座博士が出てくる(笑)羽座日出樹さんの小説

「パラレルワールドでは君と」はこちらです↓↓


https://kakuyomu.jp/works/1177354054954419582


それから読了報告をツイッターであげてくれた南部さん 小説はこちらです↓↓

https://ncode.syosetu.com/n0153ev/


あともう一つ! みっこおじさん(micco)がツイッターの雑談で私が無茶ぶりした短編を一晩でサクッと仕上げてくれました。大人のせつない童話です。これも宣伝しときます。

小説はこちらです↓↓

https://ncode.syosetu.com/n6460gq/


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