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59.尋問

 ラインバッハ家から屋敷に戻ると、カミラとミラグロス、アーネが出迎えた。

 ミラグロスの服装が鎧じゃない。

 ボディーラインがはっきり見えるような服。

 筋肉質な中でも胸と尻でできるくびれが目立っていた。


 なぜに?


「「「お帰りなさいませ、旦那様」」」

 三人が声を揃える。

 そのあと、

「黒ずくめの男は申しつけの通り、既に催眠状態にしております。

 いつでも尋問が可能です」

 カミラが言った。

「わかった。

 あと、ラインとの婚約が成った。

 やることは残っているがね」

「それは良かったですね。

 それならば、レオナさんも……。

 ルンデルさんも乗り気なのですから、ちゃんと声をかけませんと……」


 それよりも……。

「何これ?」

 ミラグロスを指差す。

「『これ』と言われてしまった」

 と言って少しミラグロスがヘコんでいる。

 すると、

「お疲れの旦那様へ抱き枕のプレゼントです。

 ミラグロス様も納得なので、遠慮しないでください」

 ニコリと笑ってカミラが言った。

「何それ?

 疲れたのに疲れろって?」

「いいえ、そういうつもりでは……。

 私が旦那様と一緒だと、いろいろしてしまって……疲れてしまうでしょう?

 だから、添い寝係でミラグロス様を……」

 カミラがポッと頬を染めた。

 そして、

「ああ、襲うのも同意済みです。

 そして、襲わなくても問題ありません」

 と意味不明な事を言う。


 いや、意味は分かってるけど。


「年上は嫌ですか?」

 心配そうにミラグロスが聞いてきた。

「んー、俺実年齢四十過ぎてるしなぁ」

 頭を掻きながらポロリと言ってしまう。

 イメージとしては、ミラグロスは大学の一回生なのだ。

 カミラが、ニヤリと笑う。

「旦那様、折角我が家に住んでいるのです。

 言っていないことは言っておきましょう」

「えっえっ、何ですか?」

 アーネも食い付いてきた。

「他には言わないことを約束できるか?

 まあ、言ったとしても『何馬鹿なこと言っているんだ?』と思われるだろうけどね」

 ミラグロスとアーネに言うが、わかっていないようだ。


 結局、俺が死んだケインの魂の代わりに入った魂であり、異世界の記憶を持っているということを説明すると、

「ああ、そういう事だったのか……。

 だから、バケモノのような強さなのだな」

「ご主人様は規格外なのはそういう理由なのですね」

 妙に納得されてしまった。


 屋敷の風呂に入って、ベッドに入るとミラグロスが俺の部屋に入ってきた。

 そのままスッとベッドに入ってくる。

 そして背後から大きな体で俺を抱きしめると、背中にカミラを上回る何かが触れた。

「まあ、いっか」

 カミラとは別のものを堪能して、肌の温かさで寝入る。

 次起きた時は夜中だった。



 俺はミラグロスを置いたまま部屋を出ると、リビングに向かう。

 カミラとアーネが起きていた。

「手を出さなかったので?」

 カミラが聞いてくる。

「無理だ。

 今手を出すと結構大変な気がする」

 俺が言うと、

「確かにミルドラウス侯爵から何か言われるでしょう。

 でも同衾するだけでも言われますよ?」

 との指摘。

「そう仕向けたのはカミラだろ?」

「ええ、ミラグロス様が『ケイン殿は私に興味が無いのだろうか?』と悩んでいましたので、『旦那様はオッパイ星人と言う者らしいので、見事な乳を持つミラグロス様の乳を見てまさぐるでしょう』と言いました。

 嫌いじゃないでしょう?

 五歳にして私の胸をまさぐったのですから」

 カミラはニヤリと笑った。


 確かに、胸は嫌いではない。

 大好物だ。


「旦那様はちゃんとミラグロス様を抱き枕にしたようです。

 ですから、ミラグロス様は納得できる」

「そんなもんかね?」

「ええ、自信を持つきっかけにはなるでしょう」

 カミラが笑った。



「黒ずくめの男はどうしますか?」

「問題ないなら、今から尋問だな」

「畏まりました」

 カミラとアーネがすっと立ち上がると、俺たちは牢に向かう。



 牢に行くと吊り下げられ焦点が合わず涎を垂らしている黒ずくめの男。

 後ろ手に縛られている。


 アーネがやったんだろうが、若干亀甲縛りっぽいのはやめて欲しいかな。

 正直男のを見ても興覚めだ。


 カミラが既に黒ずくめの男を催眠状態にしてある。

 顔を抓っても、ほおをニーって広げても何もリアクションは無かった。

「じゃあ、アンタを雇ったのは?」

 俺が聞くと、

「マクダル王国、アルフ・マクダル王子」


「仲がいいと聞いていますが……」

 カミラが言う。

「俺も、仲がいいと社会の授業では学んだんだけどねぇ。

 裏ではいろいろなのかね?」

 俺は言った。

「マクダル王国のアルフは我儘だと聞いていますね。

 一人息子のせいで、厳しくできなかったとか。

 気に入らない者は殺されたりするらしいです」

 アーネが言う。

「良く知ってるな」

「ご主人様。

 私も一応、姐さんのように生きてきましたから。

 それなりに国を渡っているんですよ?」

 フンとアーネが鼻息荒く言った。


 さて、どういう理由でリズを襲ったのやら……。


 俺は黒ずくめの男に

「エリザベス王女をなぜ襲った?」

「アルフ様はエリザベス様との婚約を希望した。

 しかし、その婚約をむげに断ったのだ。

『好きな男が居る』と言ってな」

 じーっと俺を見るカミラ、アーネ。


 はいはい……。


「そこで、指令が下った。

 エリザベス王女に危害を与えろと、殺すまでもないが死ぬほどの恐怖を与えればいいと言われた。

 そこで、影でトップの俺が選ばれ、エリザベス王女に危害を加えに来た。

 このことはアルフ様しか知らない」


 女に振られた腹いせで、女に危害を加えるか……。

「カミラ、こいつにアルフって奴を殺す指令を出せるか?」

「はい、可能です。

 しかし、その影を操ったほうが面白いのでは?

 そうですね、襲撃は成功と報告をさせておき、バルト王の目の前で影に暴露させるというのも面白いかと……。

 まあ、そのためにはエリザベス王女様にマクダル王国に行ってもらう必要がありますが、私を含めアーネ、ミンク様が居れば、どうにでもなるかと……」


 ミンクが暴れたら災害にならないか?


 ふと、カミラを見る。

 目が笑っていない。


 うわっ、カミラが怒っとる……。

 エリザベスを妹のように扱っていたからなぁ……。


「その辺はエリザベスと相談だろう」

 俺が言うと、

「とりあえず、催眠は深層に残すようにしておきます」

 と聞きなれない言葉を言った。

「深層?」

「ええ、ある言葉を言えば催眠状態になるようにしておきます。

 まあ、この世界の者が言わないような言葉です」

「ほう」

「エリザベス王女への嫌がらせは成功し、マクダル王国へ帰国中という記憶を植え付けて、適当な場所で解放しておきます。

 いいですね、アーネ」

「姐さん、了解です!」


 このあと自分の部屋に戻りミラグロスの背後から抱き付くと、寝ているミラグロスの乳を再び堪能するのだった。


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