part.14-1 パンジャンの残光を求めて
翌日、現実世界にて、
「やはり、パンジャンドラムと言うものは……」
僕は学校の化学室で一人、黄昏れていた。今は放課後、部活の時間だ。最近は仕事が無いのでいつもパンジャンドラムについてネットでの情報を調べている。しかし、あまり目新しい情報は無い。本場イギリスのサイトでも探ろうとしたが如何せん自分の英語力では理解が出来なかった。
「今度茜に解読でもして貰うか……」
そう呟いて背もたれに深く腰掛けた瞬間だった……。
「何をしているんだ?」
「う、うわあ!!」
いきなり背後から声を掛けられて僕は椅子から転げ落ちる。
「いたたたた……岡田先生!?いつから……」
「ずっと準備室にいたぞ?なんだ気付かなかったのか?」
「準備室?……まあ、物音も無かったので……」
そう呟くと、岡田先生は「ハッハッハ」と、笑い声を上げた。
「岡田 克典」先生——僕が所属している科学部の顧問教師だ。と、同時に全学年の化学の授業を担当しているので時々授業の資料集めや実験準備を手伝っている。
「先生、何か手伝う事でもあったら自分もやりますけど?」
「ありがとう、だが仕込みはもう終わったんだ。今日はもうやることは無いな。ところで君の方は何をしていたんだ?」
「僕ですか?いや、ちょっと調べ物をね……」
言われてなんとなくだが、携帯の画面を隠す。しかし、岡田先生は強引に携帯の画面をのぞき込んだ。
「フォーティテュード作戦……パンジャンドラム……君は、まさか……!」
「あ、あの、先生?」
岡田先生に近寄られて身の危険を感じ、後ずさる。しかし、壁際まで追い込まれて遂に壁ドンされた。何でだよ……。
「君は、パンジャンドラムが知りたいのか?」
「え……まあ……あ、いや、違いますよ」
岡田先生の目から恐怖を感じて嘘を吐いた。何故だろうか、ヘルメピアの人と同じ空気を感じる。
「嘘を吐くな。君はパンジャンドラムについて調べていた。それは君がパンジャンドラムを求めている証拠だ」
何言ってんだコイツ……。
「さあ言い給え。『私はパンジャンドラマーである』と……」
「いや何言ってるんですか……」
「言いなさい」
岡田に顎クイまでされてしまう。嫌だ、止めろ気持ち悪い!
「わ、私は、パンジャンドラマーです……」
「フッ、よろしい」
そう言ってようやく岡田は僕から離れた。離れる際の動きも大分腹が立つ。
「見たところ君はパンジャンドラムについての学が浅いと見た。丁度良い、私が教えてやろう。君はパンジャンドラムの何が知りたい?」
「はあ、ありがとうございます。……では、パンジャンドラムって何なんですか?」
「『パンジャンドラムとは何か』か……それは非常に難しい質問だな」
いやなんでだよWikiに書いてある事をそのまま話せ。
「……例えば神が現実にいたとしよう、その神は……」
「いやちょっと待って下さい僕は哲学的な話を求めているわけではないです」
「そうか、パンジャンドラムは失敗兵器だ」
いやそれを早く言えや。
◉ ◉ ◉
結局、下校まで岡田の高説は続いた。長い時間授業を受けたが有益なものは何一つ無かった。
「無駄に疲れたな。帰ろう」
岡田の前でパンジャンドラムの話は二度としないと心に誓った僕だった。
続くな……
TIPS!
岡田克典①:英 国 面




