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<<不定期更新>>
わたしはここにいる
新緑深まる草木が、湖中に佇む円く連なる石柱を抱く
深奥から絶え間なく注ぎこまれるターコイズブルーを、遠望に立ちて眺む
わたしは森を、大地を、獣を
そして、彼を守る
小さな綿帽子のような栗毛を、風が撫でる
岩壁を叩く水が、雲間から射す光に跳ねる
眉を細めて湖畔に佇む我が子の、両の瞳に去来する様々な思いを
対なる二つの翡翠で捉えて心を重ねる
憂い
不安
切なさ
そして、堪えようのない寂しさ
わたしにはわかる
この子の思いは
わたしだけが理解できる
静止する心が、とどまる水のように、濁ることを――
ただ流れる風が、自らを置いて行く、鈍い痛みを――
大丈夫
時は吹くわ
わたしは――それを望まなかったけれど