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Reverse Terra 第一章『揺蕩のレジナテリス』   作者: 吉水 愁月
第一章  揺蕩のレジナテリス
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<<不定期更新>>

 わたしはここにいる


 新緑深まる草木が、湖中に佇む円く連なる石柱を抱く

 深奥から絶え間なく注ぎこまれるターコイズブルーを、遠望に立ちて眺む

 わたしは森を、大地を、獣を

 そして、彼を守る


 小さな綿帽子のような栗毛を、風が撫でる

 岩壁を叩く水が、雲間から射す光に跳ねる


 

 眉を細めて湖畔に佇む我が子の、両の瞳に去来する様々な思いを

 対なる二つの翡翠で捉えて心を重ねる

 

 憂い

 不安

 切なさ


 そして、堪えようのない寂しさ


 わたしにはわかる


 この子の思いは

 わたしだけが理解できる


 静止する心が、とどまる水のように、濁ることを―― 

 ただ流れる風が、自らを置いて行く、鈍い痛みを――

 

 大丈夫

 時は吹くわ


 わたしは――それを望まなかったけれど

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