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馬鹿
「トロイアス殿下、サミラはさみしかったです」
「ああ、俺もだよ愛しいサミラ」
「わたくしたちやっと結婚できるんですね」
「あの忌々しいユリアとの婚約は破棄できた。今後については父上も好きにせよと仰ったのだ」
それにサミラにつきまとっていた他のライバルたちは皆居なくなった。
騎士団長の息子は準騎士の位を剥奪されて平民となった。
総大司教の息子は神殿の騎士に捕まり幽閉された。
あのユリアの弟は馬車の事故で死んだ。
サミラは俺のものだ。
「トロイアス殿下」
「サミラ」
父上がくださったこの別荘が俺たちの愛の巣だ。
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この二人、分かっていないのだろうな・・・
私はこの別荘の管理人兼監視役を拝命した。
ここは王家の避暑地の一つだが周辺には町はおろか集落の一つも無い。
そのためこの二人を隔離するために選ばれたのだ。
殿下の王位継承権は剥奪されており、薬による不妊処置も施されているので子供が生まれる心配は無く中央での政略とは無縁の生活が送れる。
この処置は国王陛下の温情なのだろう。
私の任期は三年、王宮から従僕とメイドが数名交代で派遣されるが、このお花畑たちの面倒を見ないといけないとは・・・
今世での罪は騎士団長の息子は八百長試合、殿下は婚約者を無視して少しいちゃついていただけです。




