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なぜか私は恋敵と付き合っています  作者: 多美橋歌穂
第九章
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三上君

 月曜というのは、無条件に体がだるいものだ。一般的には月曜病(ブルーマンデー症候群)と呼ばれ、休日明けの学校や仕事のことを考えると気分が重くなるアレである。


 しかし授業が憂鬱だからと言って学校を休むわけにもいかないし、私のお父さんのように見苦しく仮病を使って会社を休もうとしてもいけない。だから私は今、きちんと授業を聞いていた。


 聞いてはいるが、理解しているとは限らないのが世の常である。


「ここの問題、出席番号26番から30番」

「げっ……」


 私は自分の出席番号が30番であることを嘆く。亘理家に生まれたことをしれっと後悔。

 しかも最後の問題だから難易度高い。


 私は当てられた問題と教科書を見比べて、なんとか解こうとするが、数学はちょっとあの苦手でして……。


 私が問題を解けず、黒板に回答を書きに行けずにいると、ツンツンと私の腕を突く人がいた。

 隣の席に座る、裕也君だ。


「亘理さん、これ」

「裕也君……」


 裕也君がノートを見せてくれる。大きくて綺麗な字で、裕也君のイメージにぴったりだ。

 裕也君は私が困っていると、すぐに助けてくれる。授業中に落とした消ゴムもすぐに拾ってくれるし、体育の時私に当たりそうだったボールを素早く弾いてくれるし、当てられた問題が解けずにいるとこうやって答えを見せてくれる。


 自力で解かなきゃ意味がないだって? 解けずに皆の前で公開処刑を受ける方が重大な問題です。

 数学をトラウマにしないためにも、これは必要な不正。


「ありがとう裕也君……!」


 先生にはバレないように静かに礼を言うと、私は答えを写したノートを持って、いざ黒板へと立ち上がった。


 が、その瞬間。


「あ~、亘理だけずりぃ! 俺にもノート見、せ、てっ!」


 KY三上君、私と裕也君の間に割って入る。大声で。


 そう言えば三上君は出席番号26番だった。一番最初の問題を当てられている。


 ……一番簡単な問題じゃねーか、それくらい自力で解けよ!


「お前ら何してる?」

「「あっ」」


 案の定、私と三上君のノートが取り上げられた。犯人は先生。


「他人の答えを写すなんて、いい度胸してるな?」


 私は先生にバレた原因である三上君をじっと睨む。

 三上君さえ入ってこなけりゃ、この授業は裕也君との薔薇色の思い出になったのに……!


「お前ら二人、罰として放課後倉庫掃除な」

「なっ……!」

「いてっ」


 私が弁解する間もなく、私と三上君は取り上げられたノートでそれぞれ頭を叩かれた。


 放課後とか嘘やん……。剣道してる裕也君が見られない……。

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