表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なぜか私は恋敵と付き合っています  作者: 多美橋歌穂
第六章
41/102

教室での会話

「裕也、好きな人いるってマジ?」

「麗華様じゃねぇの?」


 教室で繰り広げられる会話は、全て裕也君の傷口を抉るもの。

 あれほど自分に好意を向けていた先輩を振ってしまった罪悪感は、相当なものだろう。


 裕也君が気兼ねする必要は、全くないのに。

 だって裕也君には裕也君の好きな人がいて、裕也君が周りの幸せの為に、自分の気持ちを殺すことはない。


 裕也君の好きな人――全人類から愛される裕也君(※個人の感想です)が、告白するのを躊躇うような、自信を持てないような、そんな人。


 年下? 年上? 芸能人やアイドル? いや、この高校にいるということは、特別な職業ではないはず。


 やはり先生なのだろうか。教師と生徒の禁断の恋、漫画で読んだことあります……。

 もし先生だったら、裕也君が告白できないのも頷ける。その先生にも迷惑が掛かるだろうし。

 この高校で裕也君と仲のいい女性の先生と言えば……いや待て、女性とは限らない。男性教師も探らないと……。ああもう! 悟のせいで可能性が広がって紛らわしいよぉ!


 私は裕也君の周りの会話だけではなく、教室中の会話に耳を傾ける。

 裕也君の好きな人が、同じクラスの可能性もあるのだ。


「裕也が麗華様の告白振ったって噂は本当か?」

「え、マジ?」

「麗華様の性格は遠目から見れば可愛いけど、恋人になったらめっちゃ苦労しそうだしな」

「それあるー」

「デート代めっちゃかかりそう」

「誕生日とか、かなり高価な物じゃないとその場で振られるな」

「それでも俺は麗華様が好きだ!」

「おう告白して来い今ならいけるぞ!」


 男子共のバカな会話しか聞こえない。

 お前ら、裕也君がどれほど落ち込んでるかも知らないで!


 裕也君はそんなこと気にしてないとでも言うように、いつも通りの笑顔でクラスメイト達と言葉を交わす。


「人の恋愛気にしてる暇があるなら、気になってるって言ってた子に告白しろよ」

「えー、いっちゃう? 裕也が言うなら俺告っちゃうぜ? 裕也より先に彼女作っちゃうぜ?」

「やれるもんならやってみろ」


 休み時間の教室に響く笑い声。裕也君も、友人達と一緒に楽しそうに笑っている。


 いつもと変わらない笑顔だった。けど、その笑顔を見ても、私の心は晴れない。

 それは裕也君の心中を、少しでも察することができるから。事情を知らなければ、私は今頃裕也君のあの笑顔を見て、簡単に幸せになれただろう。


 今までも、こんな時があったのかもしれない。裕也君は辛いことがあっても、あまり顔には出さないようだから。

 きっと今までだって、辛いことがあっても変わらずに笑っていることが沢山あったのだろう。

 その笑顔を見て、裕也君の心も知らずに、私は何度元気を貰っていたのか……。

 

「……」


 私がブルーになっても仕方がない。

 私が今できること……それは、裕也君の好きな人を特定すること……!


 特定した後のことは、あえて考えないことにする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ