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なぜか私は恋敵と付き合っています  作者: 多美橋歌穂
第四章
28/102

 その日私は夢を見た。昔の夢だ。中学生の頃だったと思う。


 休日に家族みんなで買い物に出掛けていて、クレープが食べたいと駄々を捏ねるヒビキ君と一緒に、屋台のクレープ屋さんでクレープを買ったのだ。


 そして両親の元に帰ろうとした時、小学生くらいの男の子が、買って貰ったばかりのアイスクリームを私達の目の前で落として泣き始めた。


 混雑していたこともあって周囲を見渡しても親御さんらしき人は見当たらず、周りの人達も泣いている子供に近付こうとしなかったので、私はヒビキ君と一緒にその子と一緒にいてあげることにした。


 なかなか泣き止まないその子に私のクレープを渡してあげると、泣きながらクレープを食べ出したので、頭を撫でてあげる。

 ヒビキ君という弟がいたので、その頃には年下の男の子の扱いに慣れていた。


 しばらくしてその子の母親だという人が現れて頭を下げられた時は、悪いことをしたわけでもないのになんだか申し訳なくなって私まで頭を下げたものだ。

 その後はヒビキ君の分のチョコバナナクレープを、二人で分けて帰ったっけ。


 空を焼いたような夕焼けがとても綺麗で、ヒビキ君が分けてくれたクレープが美味しくて、繋いだ手のひらが温かかった。

 また来ようね、なんて言い合ったけど、それからヒビキ君の反抗期が始まってしまい、また一緒にクレープを食べに行くことはなかったなぁ。


 ――なんで今更、あの時のことを夢に見るのだろう。


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