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第5話

遅くなって申し訳ないですorz


予想よりも書くのに時間がかかりましたorz

 人間とドラゴンの戦いが始まった。


 理琥はすかさず手に構えたデリティウスに闇の魔力を流し刃を振ることによって数多の闇の刃を飛ばした。今までどのような魔物でも断ち切れた闇の刃であったが、アポリスの体は傷一つつかなかった。柔らかいであろう翼膜でさえ切ることが出来なかったのだ。


「マジか・・・」


 理琥の考えでは、本体に傷をつけるのは無理であっても翼膜ぐらいなら少しは傷がつくのでは?と考えていたので理琥の中での計算が少し狂った瞬間であった。


『ふっ、甘いわ』


 ドラゴンのその言葉と共に腕を振った。するとそこから理琥とは比べ物にならない数の闇の刃が飛んできた。理琥はデリティウスを一振りして、その剣圧で全ての闇の刃を吹き飛ばす。


『お主みたいな人間がまだいたとは・・・世の中捨てた物じゃないな』


 そう言いながら口を大きく開ける。するとそこに黒い光が収束し始める。俗にいうブレスだ。


「とんでもない魔力量だな・・・」


 理琥はそう呟くと目の前に無属性魔法のシールドを展開する。しかも30枚ものシールドを一瞬のうちに同時展開した。しかも理琥に近づくに従って厚さが若干増している。


『面白い、その壁粉砕してやろうぞ』


 そう言うとドラゴンの口から一閃の黒き光のレーザーが放たれた。広範囲ブレスではなく、威力を収束させたとんでも威力のブレスである。10枚目までのシールドはほぼ一瞬のうちに突破されることになるが徐々に突破の時間が伸びて来た。そして29枚目のシールドを貫こうとしたが出来ずにブレスが散漫した。


「驚いたな・・・ここまでシールドを破壊するとは・・・別世界の魔王ですら20枚目がやっとだと言うのに・・・」


『ほぅ、お主別世界の魔王の事を知っているのか?』


「色々あったんでね・・・」


『ふむふむ・・・聞きたい事が山ほどあるが・・・今は置いといて楽しもうじゃないか!』


「戦闘狂かよ・・・俺的にもさっさと終わらせたいから本気で行くぞ」


『望むところだ。我も本気で行く。竜石開放』


 アポリスがそう言うと突如手に現れた石のようなものが粉々に砕けた。それだけで理琥は感じた。これはやばい。理琥からすればここまで恐怖を感じる相手は久々だ。最初の世界での修行以来である。


 彼は普段は実力を一切発揮していなかった。発揮するまでもなく終わりが来るからである。しかしながら今目の前にいる存在はどうだろう?確実に自らの全力をぶつけるに値する存在と言っても過言ではない。


 ちなみに竜石とは高位のドラゴンのみが持つ自らの力の一部を封印した石である。何故そのような事をするのかと言うと、自らの力の波動だけで野生動物が生きるための環境に支障が出るからである。無駄な生命を奪う事を良しとしなかったドラゴンが自らの力を封じた石、つまりは竜石を作成して自らの力を抑え込んだ。これを真似して周りの環境に多大な影響の出るドラゴンに関しては竜石を作る事が伝統として残っている。つまりは目の前のアポリスは竜石を作る存在、つまりは高位存在のドラゴンであることがわかる。


「おいおい・・・マジかよ」


『楽しませてくれよ?』


 アポリスはそう言うと口を開けて天を仰ぎ見た。すると口元に魔方陣が現れる。そこから数多の不可視の刃が飛んできた。理琥は感覚的にシールドを多重展開したが、30枚あるうちの26枚が破られていた。ちなみに竜石開放以前の似たような攻撃ではシールドが約10枚程度破壊された。つまり単純計算でも竜石開放によりアポリスの強さは2倍以上になったと言える。


「さっきとは大違いだな・・・」


『竜石を解放した我が現実世界へと向かうと自然災害級に世界が崩壊してしまうのじゃ。故に我は竜石によって他のドラゴン以上に能力を抑えておった。まさか生きている間に再び竜石を解放する時が来ようとは思いもしなかったがの』


「じゃあ俺も久しぶりに使うか。"ファーストブレイクギア"」


 理琥がそう言うと魔剣から刃が消えた。そして辺り一帯から漆黒の闇が生まれ、その闇が魔剣の刃を形成した。


 ファーストブレイクギア。理琥の持つ魔剣"ディリティウス"に掛かっている能力制限の1つを解除することが出来る合言葉である。ちなみに今回解除された能力は刃が金属から闇になったことによってありとあらゆる防御を無効化できることにある。今目の前にいるドラゴンを例に挙げて説明しようと思う。


 ドラゴンには防御として鱗が存在する。しかしながらその鱗が隙間なくあるかと言われると答えとしてはいなとしか言えない。どこかに隙間は存在している。しかしながらその隙間に剣を突き刺せるのか、それは不可能である。しかしながら刃が闇の状態のディリティウスであれば問題なく突き刺すことが出来る。闇自体は気体であるためありとあらゆる隙間を通って直接肉体に対してダメージを与える事が可能となっている。


 つまり今回の理琥が枷を解いたことによって相手の防御が無効になったと言っても過言ではないと言える。


「行くぞ」


『来るがいい』


 理琥は言葉と共にディリティウスを構えて次元魔法を使い短距離ワープを幾度と行いアポリスをかく乱させる。


 次元魔法。あらゆる次元に関して干渉を行う魔法である。現在使った短距離ワープの他にも転移、次元跳躍等の次元に関する技が多くある。持っていると非常に便利な属性であると言える。しかしながら取得に関しては極めて困難な属性でもある。


 さてそんな次元魔法の短距離ワープを見たアポリスはと言うと自分の知識にない技を使われ現れては消えるを繰り返す理琥に対して完全に混乱してると言っても過言ではない状態であった。攻撃をしようとしても消える。かと言って何かしようにも何もできない。アポリスからするとそんな状態が続いている。


「はぁっ」


 気合の籠った雄たけびと共に理琥がディリティウスでアポリスの背中を切りつけた。アポリス自体は切られるまで理琥を完全に見失っており、背中を切られることは不意打ちに近かった。しかもディリティウスの刃は防御を無視するので堅牢な守りの背中であっても大きなダメージを受けるアポリスであった。


『がはっ、おのれ・・・』


 そう言ったアポリスは周囲ちょこまかと短距離ワープを続ける理琥を攻撃するために魔力を貯めて詠唱を始める。辺り一帯を攻撃するための攻撃を放つためである。しかし詠唱の間中、理琥の手によって手、足、首、頭等々様々な個所に攻撃を受けた。しかし詠唱を辞めずに行った結果、ついにアポリスの魔法は完成した。


『我が詠唱に答えよ、テンペストダークハリケーン』


 アポリスが唱えた魔法、テンペストダークハリケーン。アポリスを中心として数多の黒い闇に染まった風の刃が辺り一面を無差別攻撃する。そして極めつけはアポリスを中心として8方向に闇の竜巻が発生する。竜巻と竜巻の間には何も無いように見えてそこには不可視の風の刃が存在している。つまり完全に逃げ場を無くす範囲攻撃と言っても過言ではない。現に地上でこの魔法を使えば街や都市であろうとも10秒程度で崩壊する。


 しかし理琥はこの凶悪な魔法を一つの魔法で無効化してしまった。


「ブラックホール」


 理琥は地面に手をつく。すると床が真っ黒に染まり巨大な渦を形成する。するとどうだろう、アポリスの放った凶悪な魔法は気が付けば完全に消滅した。


『む、どういうことだ・・・?』


 疑問を思わず呟くアポリス。ネタさえ分かれば簡単な話だ。理琥の使ったブラックホールと言う魔法、それは闇属性魔法であり、効果は魔法の中に存在する魔力を吸収する魔法、つまり魔法から魔力がなくなってしまえば発動された魔法も消えてしまうわけである。そんな事も知りもしないアポリスからすると理琥のブラックホールと言う魔法は恐怖の対称でしかなかった。


「そろそろ全力で終わらせるよ?もう周りの被害なんてどうでもいいや・・・次元大切断」


 理琥は周りの、つまりは迷宮の崩壊を気にすることなくとある魔法を放つ。次元大切断。次元魔法であり、ありとあらゆる次元に干渉して切断した対象を次元事無くすとんでも魔法である。わかりやすく言い換えるのであれば存在自体を無くす魔法である。


 そんな魔法を使われたらどうしようもないアポリスである。しかしながら何もせずに敗北と言うのもアポリスからすれば考えられない事である。アポリスは最後の抵抗とばかりに理琥の真似をすることにした。


『魔力シールド多重展開』


 アポリスは魔力をシールドのように使ってそれを10枚ほど展開した。しかしながら理琥の次元大切断を防ぐ事が出来るはずもなくシールドは呆気なく破られてアポリスの体は切断されてしまった。辛うじてアポリスには息があるが長く続いても精々1時間程度でしかなかった。


「はぁはぁ・・・」


 次元大切断に想像以上の魔力を使って肩で息をする理琥。次元大切断は1撃で理琥の魔力はおおよそ7割程度を使う大技である。故に今のように肩で息をするぐらいにまで疲れており、最後の切り札的な物である。


『グフッ・・・我が迷宮に閉じ込められて早184年、ここまで傷付いたのは初めてだ・・・それに我自身もそう長くない・・・理琥と言ったか?人族の貴殿に知ってほしい事と頼みがある』


「俺で聞ける範囲で良ければ聞きますよ。どうすればいいんですか?」


『まずはこれを見てくれ。我の記憶だ』


 そう言ってアポリスからイメージが流れてきた。


 緑豊かな森林、綺麗な水でいっぱいの湖、エルフと魔族とドラゴンが触れ合っている光景。傍から見てもすぐにわかる、極めて平和で幸せな世界の理想のそのままの光景が広がっていた。アポリスの記憶によるとこの世界はおおよそ3000年ほど続いていたらしい。


 しかしながら突如イメージが変わった。燃え盛る木々、目の前で人の手によって殺されるエルフやドワーフ、獣人。3000年続いていた平和な世界の崩壊の時が来た、人族がこの大陸を発見して侵略を開始しだしたらしい。


 覚えているだろうか?ミスティア王女は一切国の歴史について触れてこなかった。その原因がこれである。ミスティア王女の話だけを聞くと人族の住んでいたこの大陸に魔族やエルフ、ドワーフ、獣人がこの世界にやって来て領地を侵略されており、人と魔族の関係は最悪ではあるがその他の種族との関係は普通であるみたいに考えれるだろう。しかし実際のところは完全に違ていた。アポリスの記憶の映像から判明した事実はこれまで理琥が考えてきていた物とは全くの逆の物であった。この大陸は本来魔族、エルフ、ドワーフ、獣人が平和に暮らしており、その平和を人族が侵略と言う形で奪っていたのだ。魔族以外の種族に関しては多分であるが侵略に成功して人族の国の属国の状態ではないかと予想できる。しかしそんな人族の侵略もある程度の所で止められていた。魔王と言う存在、そしてアポリスと言うドラゴンの存在である。


 人族はまずドラゴン達の長であったアポリスを迷宮という檻に封印することに成功する。それ以降の事はアポリスの記憶に存在しなかった。そして魔王に関しては幾度となく戦いを挑んで負けている状態であった。アポリスが迷宮に封印されるまでの間、約20回ほどの侵略に挑んでいたが全てにおいて魔王の手によって失敗に追い込まれている。それほど魔王と人との間には確たる力量差が存在していた。


 アポリスの記憶の映像を見た理琥はそれからの事は大体想像出来た。まず人族はアポリスを封印した後も侵略戦争を続けるも全て魔王の手によって失敗に終わり、今回こそ成功させるために勇者召喚を行った。そして魔王を倒した後にこの大陸を支配すると言った感じの考えではないかと理琥は結論づけた。今現在理琥は人族側の勇者として存在しているが、この事実を知ってしまっては正直ミスティア王女たち人族側に協力しようとは思えない。


「アポリスはここに封印されていたのか・・・知らずとは言え申し訳ない事をした」


『よい、気にするでない。そしてお主に頼みたい事がある。平和な世界を再び作ってはくれないだろうか?』


「・・・わかったと言いたいところだが、出来るかどうかはわからない。一応全力で答えるつもりではいる。それと聞きたい事があるんだけど良い?」


『なんだ?』


「ここから出たくない?」


 理琥はある意味とんでもない提案をアポリスに対して行った。その答えは決まっているに等しかった。


『出れるものなら出たい。しかしながらそれは無理だ。我はもう長くない、多分後10分も持たないだろう・・・』


「それはどうかな?」


 理琥はこの世界に来て見せたこともない悪だくみを考えているような笑みを浮かべた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


予定とは大分違いますが、多分後1話か2話で終わる予定です。

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