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第4話

遅くなりました。

 11階層目に突入して探索をしていた理琥の目の前に2m程の槍を持った豚の魔物が現れた。そう、かの有名な魔物オークである。11階層~19階層にはプチオーク、オーク、オークナイトと言った魔物が出現する。彼らの特徴としてはゴブリン以上の知能を持つ事、そして力が強い事、武器としてリーチの長い槍を使ってくることが挙げられる。これだけ見たら強敵のように思えるかもしれないが実際のところ、ゴブリンより頭が良いと先ほど言ったがオークでさえ人族から見ればアホなのであり、力はあるがゴブリンに比べてスピードはのろまである。以上の点から初心者を脱出した人にとって相応な相手である。


 さてそんなオークであったが理琥は再び実験を始める事にした。理琥は1回目の異世界にて自分専用の魔剣を使っていたわけであるが、地球へと帰還する前にその魔剣を自ら作り上げた亜空間の中に保存していたのであった。わかりやすく言うのであれば自らが作り上げた別空間にあるアイテムボックスの中に入れて地球へと帰還したと考えて頂ければ良い。さてそんなわけで理琥は自らが作りあげた亜空間の中から魔剣を呼び出すことにした。すると何もない空間に小さな亀裂が生じて、そこから黒い剣の柄と思われる棒状のものが出て来た。理琥はそれを引っ張り出すと1振の剣が現れた。


 魔剣デリティウス。それが理琥が取り出した剣の名前である。最初の世界で出会った自分専用の剣、そして最初の世界、2つ目の世界にて共に魔王を倒す際に活躍した武器で相棒の様な存在である。刃は約80センチ程の漆黒の刃の中心に1本の赤い線が入っており、とても勇者が使うような剣とは思えないほど禍々しい雰囲気を醸し出している。


『プギャアアアアア』


 理琥がデリティウスを取り出すとオークが叫び声をあげた。そして持っている槍を前に構えてゆっくりとこっちに近寄ってくる。この辺で突っ込んで来ない辺りがゴブリンと違い頭が少しは良くなっていると言える。普通であれば警戒しながら間合いを計って行くのであるが、理琥には全く関係なかった。理琥はデリティウスに闇を纏わせてデリティウスを一振りした。するとそこから無数の闇の刃がオークの下へと飛んで行った。次の瞬間、オークは闇の刃により細切れの肉片にされてしまった。


 先ほどの理琥の攻撃であるがデリティウスの補助効果もあり消費したMPは20センチ程の球体を掌で作り上げる程度しか使っていない。以前の訓練でミスティアがお手本として見せた炎の球体を作り上げるのより少ないMPの消費でオークを瞬殺したのであった。しかしこれは瞬殺でもあり、同時に過度なオーバーキルとも言える。完全にやり過ぎであった。


「うーん・・・なんと言うかこの世界のオークは他の世界に比べて弱いな。それにしてもさっきのは感覚を取り戻すとはいえオーバーキルだったな。なんというか皆にばれないように力加減をするのも難しいし、かと言って少しでも力を解放すると確実に目立ってしまうな・・・なんか逆に疲れるな」


 理琥は先程の戦闘から様々な事を分析した。そして分析が終えると再び無属性魔法と闇魔法を組み合わせた探知魔法でこの階層を把握して迷宮の攻略を進めるのであった。



~~~~~~~~~~


 理琥がゴブリンロードを倒してから約12分後、理琥は19階層の下の階に降りる階段、つまりはボス部屋の手前にいた。道中に魔物とは20体ほど遭遇したがそのどれもを剣の一振りで瞬殺してきたのであった。そして理琥はボスの待つ部屋、つまりは20階層へと足を進めたのであった。


 部屋に入ると奥にはオークの上位種族、オークジェネラルと5体のオークナイトがいた。持っている武器は今までの物とは比べ物にならない性能である。特にボスのオークジェネラルの持っている物は一般で売っている武器と遜色のない逸品だ。それを魔物が持っているわけであるから脅威以外の何物でもない。


「オークジェネラルがこの世界では上位種に当たるのか。他の世界だとハイオークとかだったのに・・・なんか世界の違いを感じるな」


 そんな事を理琥がぼやいていると突如オークナイト達が槍を構えて突進してきた。今まで出会ったオークやオークナイトとは違い練度を感じられる突進であった。しかしそれでも理琥には関係のない事であった。理琥が手を前方に掲げると手からオークナイトと同じ数、つまり5つの魔方陣が現れてそこから漆黒の槍がそれぞれのオークナイトの下へと飛んで行った。普通に考えれば躱せばいいのであるが、その飛んで行った槍の速度に問題があった。そう、槍は一般人では目視する事も出来ない速度で飛んで行ったのだ。そんな攻撃をかわせるわけでもなくオークナイト5体は呆気なく何も言わないただの屍へと成り代わったのだった。それに腹を立てたオークジェネラルはゆっくりではあるが徐々に理琥との間合いを詰めていく。そんな状況で先に動いたのは理琥であった。構えている魔剣デリティウスに闇魔法を纏わせて最初に出会ったオークをやっつけた時のようにデリティウスを振った。そこから現れた無数の闇の刃にオークジェネラルはなす術もなく難なく生命力を削り取られた。


「まぁ、こんなもんか・・・」


 理琥が迷宮に入ってから約1時間程度で21層に到達していた。そろそろ疲れを感じた理琥は21層の魔法陣から入り口へと転移した。



~~~~~~~~~~


 理琥が迷宮から出て来た時と同じように闇魔法を使い姿と気配を消して自らの部屋へと戻る。しかしそんな理琥に気が付いた人物がいた。そう、香織である。彼女が何故気づくことが出来たのか、彼女には魔力が見える魔眼を持っているからである。香織はアリスティア以外にも過去に1度勇者召喚を経験しており、その際に得た能力である。つまり彼女には常日頃から手を抜いている理琥を唯一知ることができ、他の理琥を除く勇者の中ではトップクラスの実力を保有している。


(こんな夜遅くに魔法を使って何をしてるのかしら・・・気になるわ)


 そうは思った物の聞くわけにはいかず自分の心の中にこの事をとどめておくのであった。



~~~~~~~~~~


 そんな事があったにも関わらず特に何も起きる事もなく1週間が経過した。


 勇者の面々は迷宮を39階層までクリアした。理琥はと言うと95階層までクリアしている。勇者たちが40層をクリアする頃にミスティアは魔王討伐の旅を開始しようと考えていた。


 そして39層を探索していると下の階層、つまりボスの部屋へと続く階段を発見した。階段を下りるとそこには1体の黒い毛並みに1本の白銀の線が背中に描かれている狼がいた。30層には基本的にブラックウルフが主なモンスターであり、ボス部屋はその上位種、スターダストブラックウルフがいる。


 敵を発見した勇者たちの行動は早かった。まず前衛の2人がボスに対して牽制を行う。そしてそこに女性3人が魔法の詠唱を始める。理琥は女性の魔法の詠唱を妨害させないためにいると言っても過言ではない。


 そして女性3人の魔法が完成する。香織が放つのは水のレーザーの様な魔法、凛が放つのは定番と言っても良い風の刃、光が放つのは火と光属性を混ぜた聖炎の矢。魔法の完成と共にボスから距離を置き、その後ボスに対して炸裂する3人の魔法。特に苦戦する事もなく5人はレベルがⅣに上がった。ちなみに理琥だけはすでにここのボスをデリティウス一振りで殺して、現在96層にいるのでレベルはⅨであった。


 ボスを倒し終えた勇者達6人はミスティア王女の下へと報告へと向かった。


「そうですか・・・ついに40層を突破したのですね。これで貴方達も立派な勇者様です。明日から魔王討伐の旅へと向かって下さい。装備、その他必要な物は此方で準備させて貰います。それでは皆様、明日に備えて今日はゆっくりと休憩を取って下さい」


 ミスティア王女にそう言われた理琥達は各々の家へと向かう。今日が城にいる最後の日、各自家へと着くと今まで世話をしてくれたメイドさんへの挨拶を済ませると国王、御世話になった騎士団の方々、そしてミスティア王女に対して御礼を言った。そうして集会を行い明日からの事を確認した6人は各々の家へと向かい最後の夜を過ごす。そして現実世界で言う午後11時頃、皆が寝静まった。


~~~~~~~~~~


 皆が寝静まってから約3時間、現実世界で言う午前2時。理琥は目を覚まし最後の迷宮攻略へと向かった。いつものように分身のドッペルゲンガー、闇魔法による姿と気配を消すことを行い最後の迷宮攻略へと向かう。


 96層へと転移門から着いた理琥はいつものように魔法を使う。そして出来る限り的と出会わないように下の階層に向けて進む。ちなみに90層には亜竜種とも言える魔物、レッサードラゴンがいる。


 レッサードラゴンはドラゴンの下位種とも言える魔物で羽が無く空を飛ぶことは出来ないが、その分陸の戦闘に関して特化してると言って過言ではない。2m程度の巨体とは思えないほどの素早い動きと、その辺の剣でも難なく折る事の出来るような鋭い爪、ドラゴンほどではないが強靭な鱗による防御力が驚異の魔物である。そんなレッサードラゴンでも理琥からするとデリティウスの敵ではなかった。デリティウスは難なくレッサードラゴンの鱗を切り裂き、肉をも切り裂き、難なく命を奪い取る。


 そんな感じでレッサードラゴンを倒しつつ探索をし始めて10分が経過した頃、ついに99層から100層へと行く階段を見つけた。理琥は何の迷いもなく今までとは比べ物にならない非常に長い階段を下りて100層へと到達する。


 100層のボス部屋はとんでもない広さの部屋であった。高さ100mはあろう天井、1辺300mはあろう正方形の床。そして目の前には巨大な黒いドラゴン。そう、このドラゴンこそ迷宮100層のボス、エンシェントエビルドラゴン。過去2人がこの魔物に挑戦したが聞いた話によると瞬殺だったらしい。


『汝、我に挑戦せし者か?』


「そうだ」


『その挑戦、受けてたとう。我が名はアポリス。汝の名は?』


「夜杜理琥だ」


『さぁ・・・人間よ。我を楽しませてみろ』


 その言葉と共にアポリスと理琥の戦いが始まった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

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