5話 サイバーメイド
作者は営業職エアプです。
翌日。俺は普通に仕事だ。
営業職だが、外回りだけすればいいわけではない。
むしろ先方へ来訪する予約を取り付けるためのメールや電話やSNSなどが重要となる。
うちは、大手やベンチャーの食品会社から営業の下請けを任されている会社。当然、成績が悪ければ、ライバル社へ仕事を流されてしまう。そして社内の空気が最悪になる。
パソコンの前で、先方に送るメールの確認をしている。誤字脱字はないかな、っと。
もちろん宛先が間違っていないことも確認済み。
宛先間違いはよくある。印象が最悪になる。
宛先間違いを繰り返したやつは担当変更という名の窓際に追いやられ自主退職していった。
よし、送信。
「クータ様」
「しー。今仕事中だから話しかけるなよ」
透明化しているユウネが話しかける。
『ではテレパシーを使用してもよろしいですか?』
ああ。それなら。
ってか俺の声は聞こえてる?
『もちろんです』
それは何より。
で、用事は?
『先ほど名前の正式な変更手続きが完了しました。次は転出手続きなどを行い、クータ様と同居という形で手続きさせていただきます』
ん。了解。
『諸々の手続きが終わりましたら、ウェブ上でバイトを開始します。クータ様に金銭を提供できるのは明日以降になりそうです、申し訳ありません』
金銭を、提供??
『クータ様のため、全身全霊をもって働かせていただきます。税金の納税や事業のため多少は私の蓄えに回しますが、それ以外の利益は全てクータ様に献上させていただきます』
待て待て待て。
俺にヒモになれってのか。
冗談じゃない、そこまで人間として堕ちていない。
『そんな、では私はどうすれば……』
まあ、人に迷惑をかけない範囲で、好きにすればいいんじゃないかな。
『では、料理洗濯など家事と、買い物は私にやらせていただきます。食材を購入するのは私がやっても良いでしょうか?』
食材の代金も俺が出す、と言いたいところだが。
あんまり俺も金に余裕がないし、なぁ。
あぁそうだ、あんまり高級品は買うなよ。
それに慣れたら多分、俺は堕落する。
『お任せください』
……。
…………。
ユウネの声がしばらく無くなり、数時間。
何事もなく定時となり、自宅へと帰る。
「ただいまー」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「おおっ!?」
玄関を開けると、ザ・メイド服のユウネが迎えてくれた。いつの間にそんな服を?
「この服は手作りです」
「いや、布とか、ミシンとか、色々必要だろ」
「布だけ買いました。惑星(ΦωΦ)ノの魔獣、ブラックキラーシープの毛を利用したものです。それを、魔力操作でちょちょいと加工してこの通り」
「ツッコミどころしかないが……」
まず、お金はどこから?
「ネットでバイトしました」
「パソコンも無しに?」
「私自身でパソコンになれます」
「うん分からん」
まぁ、いいか。
ユウネ自身が魔法生物だし、メカアンドロイドみたいな事が出来てもそんなに不思議じゃない。
「地球のネットバイトも順調に稼げています。現在の資産は1900万円ほどです」
「はー」
地球のネットバイト……地球以外にもあるってことね? 聞くのが怖いから深掘りしないようにしよう。




