42話 必要悪霊
翌日。
俺は朝食の豚汁とブリの照り焼きを食べつつ、考えていた。
ユウネいわく、あと5日で強大な悪霊が出現し、インターンの大学生の鈴木さんを襲う。さらに、それをきっかけに日本中の悪霊が活性化するらしい。
どうするんだ?
俺に何か出来るか?
「しなくていいですよ、これは日本の祈祷師や陰陽師に必要なイベントです」
「いや、イベントって」
「異世界風に言えば、魔王と勇者の関係みたいなものです。どちらも必要ですし、どちらかが完全にいなくなると、もう片方も消滅します」
でも、鈴木さんは命を狙われるんだろう?
「クータ様が守りたいのであれば、ご自由にどうぞ。ただし……」
ユウネが深刻な顔をする。
何か恐ろしい事でも起こるのか!?
俺も背筋を伸ばす。
「鈴木さんとフラグが立って、将来の伴侶が鈴木さんに決定してしまいます」
ガクシッ。
伸ばした背筋が崩れる。
「くだらない冗談は、よしてくれ」
「くだらなくありません。逆に手助けしなければ、鈴木さんのフラグは陰陽師のイケメンに立ちます。そしてシズルを加えた三角関係に発展するでしょう」
未来予知。ユウネの超能力だ、魔法で補強しているらしい。
だがリンのことが全く予想出来ていないなど、完璧ではないようだ。
「クータ様が決めてください。どうなりたいか、どうしたいか」
「うーん、保留で」
それにしても、このブリの照り焼き、美味えな。
豚汁も、肉がとろける。どうやって料理したのだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
今日も外回りをしてきた。
そして全滅だった。
鈴木さんも、俺に着いてきて車に一緒に乗ってきるが、暗い顔をしている。
「病み上がりで、まだ本調子じゃないのか?」
「いえ、私の方は大丈夫です。断られてばかりで、営業職って大変なんだなと思いまして」
「そうかな?」
俺は失敗し慣れているからそんなに思うところはないが。
むしろ、ヘコむべきなのだろう。本を読んで勉強しないといけないかな。




