40話 カードゲームアプリの修行開始
夕方、自宅にて。
俺は天使の配信しているカードゲームのアプリに悪戦苦闘していた。難しい、覚えられない。
天使の配信で見かけるカードは少しだけ覚えたが。
1万種類もカードがあるって頭おかしいだろ、覚えきれるかこんなもん。
「よく見るカードのうち、百数枚を覚えたら、だいたい遊べますよ」
覚えきれるか、そんなもん。
「天使さんと生配信で出た戦いたくないんですか? 交流するために覚えているのでしょう?」
むむむ。
「クータ、頭が良くなる手術する〜?」
リンが、手をワキワキさせて聞いてくる。
うーん、悩む。
「駄目ですよ!」
「駄目なのか」
「いいと思うのにな〜」
ユウネが、俺の代わりに肉体改造を拒否してくれた。
天使のためなら肉体改造の1つ2つ、構わないが。
「ユウネかリンが、教えてくれると助かるんだが」
多分1人で覚えられる気がしない。
前にユウネにちらっと教えてもらったが、それでも分からない。
「それでしたら、シズルが一番詳しいですよ」
「そうなのか?」
「リンによって完全に再現されたクローンなので、記憶も完全再現されています。そのゲームに費やした時間、経験値など。私よりも詳しいでしょうね」
じゃあ、シズルに頼むか。
◇ ◇ ◇ ◇
黒髪ロングのタレ目な女性、紙札静留。
なぜか着物を着ている。
「シズル先生、お願いします」
「うむ、妾に任せよ」
「うむ?」
「キャラ付けというやつよ。オリジナルと同じ口調で過ごすわけにもいくまい?」
そういうものか?
前は無気力で無口な感じだったが、今は野心家のような存在感を感じる。
「言っておくがの、オリジナルも、心の底はそれはそれは自己顕示欲の塊ぞよ」
「ぞよ、って」
「細かいことをいちいち指摘するでないわ」
かくして、天使がメインで配信しているカードゲームアプリの学習が始まる、わけだが。
「まずはアニメの1話から12話を見るぞや」
「何で!? ゲームの訓練だろ!?」
「たわけが。百聞は一見にしかず。まずは流れをつかむことから始めるのじゃ」
わけもわからず、俺はシズルと一緒にアニメを観始めるのだった。




