34話 クローン命名
夕方。自宅の自室。
今日も今日とて天使の配信を見る。
天使が働いているのは、水木曜日の夕方から深夜。
それ以外の日は配信をしている。
SNSはそれほど更新していない、配信告知くらいだな。
2Dアバターの配信なので、天使の声だけ聞くことが出来る。姿は見られない。姿を見るためには水木曜日にニャックニャルドゥに通う必要がある。全然苦ではない。
「クータ様、このクローンどうしますか?」
ユウネが、部屋の隅にちょこんと座っている、天使のクローンを指さす。天使のクローンは無表情だ。自分でトイレには行くし、食事も食べる。
「リンが天使そっくりに作ってくれたクローンだけれども、俺は天使の代わりにこの子をどうこうするつもりはないぞ。ユウネ、この子にも戸籍と名前を用意してやってくれ」
「かしこまりました。名前はどうします?」
苗字は任せるとして。
静かにしているので。
「静瑠というのはどうだろう」
「灯瑠のクローンぽい名前というわけですね」
「ああ。あと静瑠は髪を黒に変えて、髪形を変えてもらおう。天使の格好のままだと本人に迷惑だ」
天使は相変わらず、カードゲームのソシャゲの配信をしている。同じゲームばかりで飽きないのかな?
「クータ様は、そのゲームしないんですね」
「難しかった」
とはいえ、天使もそのうち視聴者企画とか開くだろう。その時に備えてきちんとやらなければ。
「ユウネ、このソシャゲの指導頼む」
「任せてください」
「それとリンはどこにいる?」
「お風呂で寝てますね」
「……自由な奴だな」
溺れたり風邪引いたりしないらしいから、放っておく。
配信を観つつ、魔力操作の練習を片手間でしつつ、ユウネにソシャゲの指導もしてもらいつつ、時々課金チャットを送りつつ。
今日も素敵な時間を過ごせた、ありがとう天使。
なお、静留の苗字は紙札という行方不明の戸籍を奪ったので、紙札静留という名前になった。




