32話 見たことのある人
天使の配信を見始めて3週間。
天使も配信に慣れてなかったのか、ぎこちない喋り方であった。顔出ししておらず、2Dのアバターで喋っていた。
『クータ様、魔力操作の練習は?』
あぁ、まあ、片手間にやってみる。
配信を見るのに忙しいからな。
◇ ◇ ◇ ◇
リアル天使に会いに今日もニャックニャルドゥに行く。
レジには行列。
俺はもちろん天使のいる方に並ぶ。
前に並んでいる女性が振り向く。
ん? どこかで見たような気が。
この笑顔が張り付いたような、アンドロイドのような顔……試食会で会った女性だ。冷凍ハンバーガーのベンチャー企業の人。クソ高価で美味いハンバーガーだったな。
「あなたもハンバーガーに取り憑かれた民ですか?」
「違います」
変な事を尋ねてきた。
俺は別にハンバーガーが大好物というわけではない。
「では……我々の敵ですか?」
「は?」
何を言っているのか?
と、思ったら目の前の女性が消えた。
◇ ◇ ◇ ◇
・ユウネ視点
店の外の上空。
私の製造元が送りつけた刺客と戦闘し、ボコボコにしてやった。
「ガハッ! な、なぜこれほどの力の差が……?」
「教えません」
「秘密があるということ……?」
「ノーコメント」
私は既に製造元の支配下から逃れている。
製造元からしたら面白くないのだろう。
定期的に刺客を送られる。
クータ様の近くにはリンが居るし、変な事にはならないでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇
・主人公視点
「いらっしゃいませ、いつもありがとうございます。ご注文をどうぞ」
「スーパーニャックバーガーセットを1つ」
「かしこまり」
ザシュッ!
ちゅーちゅー。
天使が一瞬動きが止まる。
「? かしこまりました」
「……」
支払いを済ませ、注文の品が出来上がるのをテーブル席で待つ。
おいリン?
お前やりやがったな。
『祭麗灯瑠の血液を貰ったよ〜。これで彼女のクローンでも臓器でも作り放題だよ〜』
お前やりやがったな!?
『欲しくないの? クローン』
ぐぐぐ……い、要らない。
この悪魔め……。




