27話 操血
リンの服の買い物を終えて自宅へ帰る。
お、黒猫アインが、リンに毛を逆立ててふしゃーしている。
「アインちゃん、リンだよー」
「……」
くんくん。
アインがリンをにおって、なるほど、みたいな顔をして警戒を解く。
「いやいや何がなるほどなのですか!?」
ユウネは、俺の考えを読み取って勝手にツッコむ。
「着替えてくるね〜」
「おう」
「もう何が何だか……」
ユウネは混乱している。
というか腕輪作ったのお前じゃん。
「いえ、リンについては制御不能に近い予想外というか」
「ユウネでも予想外のことがあるのか」
「ええまあ。ところでリンの戸籍はどうしますか?」
「行方不明者から貰うしかないだろう」
というわけで、行方不明者の川園樹奈という女性の戸籍をパクることにしたようだ。
「じゃーん」
「おー。可愛い」
ゴスロリをまとったリンが現れる。
今どきの若者って感じだ。
いや、俺はまだ30歳だ、俺も若者だ。
って誰に向かっていい訳しているのやら。
「ん? 骨のヘアピンなんか買ったっけ?」
「作った!」
「作っ……ええ?」
「えーとね、リン、血や骨を作って操れるよー」
リンが手をかざすと、ゴゴゴゴゴと血が出てきて渦巻き、骸骨の頭が現れる。
それをリンは自分のほっぺにペタッとくっつける。
「じゃん! オルトロス!」
「なるほど」
「何がなるほどですか!?」
魔法だなぁ。
「血を操るといったか。骨は内部は血が詰まっている、さっきの骨を作る様子を見るに、いきなり骨を作るというより、血の関連物質として骨を作れるといったところだろう。リン、ひょっとしたらほかにも血管とか神経とか皮膚とか臓器とか作れるんじゃないか?」
「うーん、時間かかるかも? でも練習したらいけそう」
「クータ様が私よりもリンを理解しているぅ!?」
「ユウネ落ち着け。今日はツッコミし過ぎ」
銀髪メイドはクールメイドでなければならないbyおじいちゃん。
俺も全く同意見だ。
リンは骸骨をもう1個作り、反対側のほっぺにくっつける。
「じゃん! ケルベロス!」
「ケルベロスだなぁ」
「何が!?」
それから、リンと一緒に魔力操作の練習を庭で行うのだった。ユウネは遠い目をして座っていた。




