20話 飲みにいく
金曜日の仕事が終わった。
「紐之、飲みにいこーぜー」
「あぁ」
同僚から飲みに誘われる。華金というやつだ。
明日? 普通に仕事ですが何か。
◇ ◇ ◇ ◇
地鶏料理店『白烏』だ。
鶏肉料理など扱う。
俺らと同じようなサラリーマンで賑わっている。
「「かんぱーい」」
カン!
ごくごく。
生ビールが体に染み渡る。
お通しの、鶏肉のサラダを食べる。
これもなかなか美味かな。
ザシュ!
ちゅーちゅー。
ちなみにユウネも透明化して、横に居る。
念話で『このボケナス腕輪』とか言っている。
俺はというと、慣れたので何も問題ない。
「そういえば部長が左遷されるらしーぜー」
「え? うちって支店あったっけ?」
「なんか、最近出来たらしい。そこで平社員に降格になるんだと」
「そうなのか」
「代わりにこっちに、1人よこしてくれるらしい」
「へー」
「社長の娘さんで、俺らの新部長になるってよ」
「ほー」
お、料理が来た。
焼き鳥12本セット。
まずはせせり。
う〜ん、じゅ〜し〜。
「あっ!? 高いのから食べやがって!」
「早いもの勝ちだ」
ごきゅごきゅ。
生ビールのおかわりを注文する。
タッチパネル式だ。最近はタッチパネル式はお店にあまり利益がないから減ってるらしいが。
続いてえんがわ。
を持った手を、同僚につかまれる。
「じゃんけんだ」
「じゃんけん?」
「勝った順に取って、食べる」
「なるほど」
ならば、スキル発動。【未来予知】
10秒先の最も起こり得る未来をみる。
もちろんそれがわかれば事前に改変可能。
ふむ、俺はチョキを出し、勝ったと。
「「じゃーんけんぽん!」」
俺はチョキ、同僚はグー。
!?
馬鹿な!?
そ、そうか。10秒先でチョキを出して勝ってたのは、その前があいこだったからか。
つまり未来予知して余計なことをして、未来を変えてしまったようだ。
くそー。使いづらいなこのスキル。
「おい、えんがわから手を離せ」
「やだ!」
「やだじゃねーよ!」
チッしゃーねーな。
譲ってやるとするか。




