第一章 第二幕 家族の幸せとは
※これを読む前に必ず 第一幕 を読んでください。
私が記したを第一幕を君たちは見てくれただろうか。ありがとう。
私の言い方が悪かった。申し訳ない。
実は私は君たちに隠していることがある。
――― 佐藤 は死んでいる。
これは紛れもない事実である。
そして...私は 佐藤の妻、山田 である。
今は刑務所から私の知人に手紙を書いている。
今見ている文章は私の知人が皆さんに読めるように編集して連載してもらっている。
さてまずは何から話そうか。
私が刑務所にいること。
なぜ佐藤は死んだのか。
娘はどうなったのか。いろいろ君らにも聞きたいことがあるだろう。
では事を順に追って話そうか。
まずは私が服役している理由。
私は今『殺人罪』として懲役12年を言い渡されている。
私が殺した相手は「佐藤」...ではない。
もちろん私は彼のことを愛しているからだ。殺す理由もない。
私が殺したのは、彼の同僚である。いや...クズどもだ。
もちろん私は殺人をすることは倫理的に考えてもいけないことだとは分かっているが
殺人をしたことを悔いてはいない。
そのこと――殺人を犯した動機についてなどは後々、別の話題の時に話そう。
次は私の娘のことだね。
私の娘は私の母親に今は預けて育ててもらっている。
申し訳ないことをしたとは思っているが、母親は私のことを気にかけて、心配はしてくれた。
出所しても私の事をまだ娘だと思ってくれるのだろう。
やはり、私の母親は世界一の母親だ。
話したいことが逸れてしまったね。
では次はここでの暮らしについて書こうか。
ここ――刑務所の暮らしは悪くない。食事も食べられる範囲であるし、ルームメートとの関係も良好。
なにより、刑務作業では一段とほかの受刑者よりも活躍している。
手先が器用だと自分では思っていなかったが、思いのほか、作業の進みを褒められることが多い。
それは嬉しかったと思う。
昔、裁縫を勉強していた甲斐があったのだろうか。
たしか夫にも、褒められたような...
まあそんなところでだろう。
では次は私の夫――佐藤 のことについて話そうか。
私の夫、佐藤は実に勤勉家で家族を深く愛してくれる。私はそんな彼の人柄に惹かれて結婚を決めた。佐藤は裕福だと言えるほどお金を持ってはいなかったが、毎日コツコツと働き、家を買い、車を買い、そして今度家族3人でハワイ旅行にでも行こうと資金を貯めているところだった。
しかし、あんな事が起きてしまってはもう遅かった。君は聞いてくれるかい?あの日の事件のことを




