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孤高の魔法少女ちゃんはぐーたらオタク生活のために英雄になる(予定)  作者: のこじ
第一章 孤高の魔法少女ちゃんは平凡にぐーたらしたい(無理)
5/8

第5話 魔法少女会議《ワルプルギス》①

ブックマーク大感謝祭

 例の危険度(レベル)5が出現してから3日、土曜日である今日は家でぐーたらしながら配信する予定―――だったのだけど………。


 ………どうしてこうなった。


「アインネ様………お美しいですわ!!!」

「アインネちゃんいっつも魔法少女会議(ワルプルギス)に参加しないからこうするしかなかったの。ごめんね?」

「ア、アインネさん。だ、大丈夫でしゅ。わた、私がついてます!!」


 どこかの令嬢っぽいドリルをつけた子と、周りによくわからない光の玉をふわふわさせている子が私を取り囲んで、聖女様は少し離れた場所から私を応援している。聖女様目線ではもしかしたら私はコミュ障仲間と思われているのかもしれない。





 ことの発端は数十分前。アンニンが家にやってきた所から始まる。


「―――と、言うわけで、魔法少女会議(ワルプルギス)に参加して欲しいんだ」

「どういうわけ?」


 わけのわからない言い草でアンニンが私に話しかけてきた。


「だーかーらー、一度も参加したことないでしょ?だから今回から魔法少女ランキングトップ10は強制参加になったの!!」

「いや、なんで私の為に特例まで作ってくれちゃってるの………」


 正直、超面倒くさい。

 私の心の中の怠惰が、そんな場所へ行くな〜と、うめき声を上げるほどにはだるい。

 あ、でも、無視すればいっか。

 プイッと一昔前………いや、ひょっとすると二昔前程のような頑固親父みたいに背を背ける。


「何が何でも行かないからね」


 すると、アンニンはどこか残念そうに言った。


「あ〜あ、せっかく魔法少女全員が初めて揃う会議なのかもしれないのに」


 グルン!!と効果音が出そうなぐらい私の首が回った。

 コキッという音もなる。………。首逝ったかも。

 それでも全員が揃うのは魅力的すぎる。


「聖女ちゃんだって君のことを心配していたよ?『ア、アインネさんはご無事でしょうか』って」


 おいおいおい。死ぬわ私。じゃなくて。しかも、限界化死だし。それ。

 聖女様に申し訳ないけど…………。行きたくないものは行かないんだ!!(体を乗り出しながら)


「おまけに君の最推しである1位さんも参加するというのになぁ………」

「連れてけ。じゃなくてお願いします。連れて行ってください!!」


 このように私はチョロインの如く、ものの数分で陥落したのであった。





 魔法少女会議(ワルプルギス)は基本的に妖精界で行う。

 基本的に、というのはかつて妖精界と現実世界の繋がりが薄かった時に魔法少女が妖精界に向かうことができなかった為、現実世界で魔法少女会議(ワルプルギス)を行っていたから………らしい。

 その会場は妖精界の中心部、通称『篝火の虹山』と呼ばれる場所で行う。


 私も魔法少女になりたての頃は………。頃は………?

 何を言おうとしたか忘れてしまった。

 アンニンの方を見るも、首を傾げるのみであった。


 まあ、過去に行ったことがある………気がする。


 山の麓にたどり着くと、アンニンが口を開き、言った。


「ボクはここでお別れだよ。まあ、しきたりがあるからね」


 山の頂上は一般妖精は入れず、魔法少女のみしか立ち入ることができないというしきたりがあるらしい。私としてはいてもいなくてもあまり違いはないのだけれど、そこはまあいいとする。


 例によって空間を圧縮させて一気に山頂まで登りきる。


 山頂には一軒の少し大きめの建物があり、その中へと扉を開けて入る。ドアの軋むギギィという音が鳴りるが、中には人気がない。

 間違えてしまったかもしれない、と思う程であった。

 まあ、いずれ他の魔法少女達も来るかと思い、扉から更に進んで正面の大扉を開く。


 ギギギィ……という音は仄暗い館とも言える建物と合わさると心を不安にさせる。

 だけれど、慣れればどうにも思わない。私はもう慣れた。


 大扉を進むと、大きな円卓とその周りに並べられている椅子があった。

 よく会議とかで用いられる大きな円卓である。

 実際に実物で見るのは初めてなのだが、どうも新鮮さがないように感じる。なんというか、家のテーブルのような身近さがある。

 なぜだろうか、と思ってもしょうがないかと、自分の名前(アインネ)の書かれた椅子に座って、人が来るのを待つ。

 ちなみに、柔らかい椅子だから座り心地は良かった。


 10分ぐらい待っただろうか、ようやくドアの開閉音が聞こえ、人声が聞こえてきた。


「でねでね〜!!ワタシ、ついにやったの!!精霊ちゃん達と―――」


 話している途中であった緑色の髪をした魔法少女と目があい、その子の口が止まる。


「あ、アインネちゃん!!」

「そんなに急がないでよ、エルフィ………って!!アインネさん!?!?」


 先に入ってきた子を追って後から入ってきた金髪の魔法少女も私を見るなり驚く。

 私はそんな珍しいものだろうか。いや、かなり珍しいか。ほとんど参加することも無いし。


 簡単な自己紹介をして、彼女らは自分自身の席につく。

 緑色の髪の子が魔法少女エルフィーネ、精霊の魔法少女である。妖精の上位存在である『精霊』との意思疎通が可能であり、また、精霊の力を借りることができるらしい。

 その力によって魔法少女ランキング5位となっている。

 そんな彼女の能力については魔法少女オタクである、と自負している私でも詳細についてはわからない。なぜなら、海外の魔法少女であり、得られる情報量が少ない、というのもあるが、そもそも魔法少女は基本的に自分の能力を明かさない。

 能力を明かさないのは魔法少女になる時の”願い”に関係があるからであるらしいが、その真相は謎に包まれている。

 それはさておき、エルフィーネちゃんは可愛い。抱きしめたい。ナデナデしたい。

 …っは!!通常時の欲望が出てきてしまった。

 しまわないと。

 なお、エルフィーネちゃんはロリっ娘であるとだけ言っておこう。


 金髪の子は魔法少女ランキング9位、物理の魔法少女、フィーパちゃんである。

 その華奢な体からは想像もつかないとんでもない筋力をつかい、魔法少女と言いながらほぼほぼ、魔法を使わない異例な魔法少女と言える。

 彼女もまた海外の魔法少女であり、エルフィーネちゃんと同様、能力の詳細はわからない。

 筋力に全てエネルギーを吸い取られたのか、絶壁様である。

 ちなみに、私はどちらでも可愛いものは可愛いと思う派とだけ言っておく。

 フィーパちゃんは可愛い。



 と、少しすると、バーーーーーン!!という効果音が出そうなほど大きな音で大扉が開かれる。


「わたくしがやってまいりましたわ!!今日こそはフィーパ様を打倒し………え、あ、アインネ様!!!!!」


 髪の毛のドリルをぐるぐるとしている子が自信満々に扉を開くと同時に私に驚く。

 またか……と思うも、騒がしいけど可愛い子がやってきたと思う私なのであった。

なんだかんだで3日に1回更新はできそうです。

ただ、常にストックがないという状況なので、たまに更新を休むかもしれません。


ワルプルギスは③まで続く予定。

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