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Ep.5 ギルド新設!ドンクサお嬢様登場!

俺がハイジュエリーから採れた宝石をイージスの道具屋に持ち込んで家に帰ると見知らぬ少女が玄関の前に立っていた。

エルフにも劣らない金色の長髪。晴れ渡る空のように鮮やかな水色の瞳。

胸元を黒いリボンで留めたブラウスに、白いフリフリのついた高価そうなロングスカート。

いかにも”お嬢様”って感じの少女が何故か俺の家の前に立ちつくしている。

しばらく様子を見ていたが、ドアの前でうなだれたり、水筒を飲もうとして服にこぼしてたり、鳥にふんをひっかけられていたり。なんだか可哀そうな状況になっていたが悪意はなさそうに見えた。

俺はお嬢様風の少女に声をかけてみることにした。


ギィ・タイトルズ

「やぁ嬢ちゃん。災難な一日だな。家の前にずっといるけど俺に何か用事か?」


俺が声をかけると少女はビクッと肩を跳ねさせた。

そして俺の顔をまじまじと見始めたと思いきや、ニヤニヤと嬉しそうな表情を浮かべこう言った。


お嬢様風の少女

「見つけましたわギィ・タイトルズ!貴方!私のギルドに入りなさい!」


驚くことに少女は俺をギルドに誘ってきた。


ギィ・タイトルズ

「ギ…ギルド?」


お嬢様風の少女

「えぇそうよ!貴方!私のギルドに入りなさい!」


お嬢様風の少女は先ほどと同じことをもう一度言った。


ギィ・タイトルズ

「ほ〜う。しかし何故会ったばかりのこの俺をギルドに誘おうと思ったんだ?もしかして、俺がギルドに入ってないことも知っていたのか?」


突然すぎる勧誘。それにどうやらこちらの情報を知っている様子だ。探りを入れるために質問をしたのだが。


お嬢様風の少女

「…やった!ギルド入ってなかった!」


調べていたわけでなく、何も考えてなかったようだ。

ひとしきり喜んだあと、お嬢様は一つ咳払いをして名を名乗り始めた。


お嬢様風の少女

「失礼いたしましたわ。突然ギルドの勧誘なんて…不審に思われますよね。私の名はヒ・・・」


お嬢様が自分の名前を言いはじめたところで硬直した。


ギィ・タイトルズ

「ヒ?」


ヒ?

「ひ…」


ギィ・タイトルズ

「ひ?」


ひ?

「ヒ…!」


お嬢様は下唇を噛んでこう言った。


ヒンガナ・イメタボ

「ワタクシの名前は!『ヒンガナ・イメタボ』ですわ!」


ギィ・タイトルズ

「っが!!!???」


余りに予想していなかった名前に大口を開け数秒硬直してしまった。


ヒンガナ・イメタボ

「と・に・か・く!改めてお願いするわよ!」


ヒンガナ・イメタボは顔を赤くしながらこう続けた。


ヒンガナ・イメタボ

「先ほど「巨桜の庭園」にて見せた狙撃の腕、ワタクシ感激いたしましたわ…!貴方の腕を見込んで是非!ワタクシが設立したギルド「プリティープリンセス」に加入していただけないでしょうか!!!」


少女は深々と頭を勢いよく下げて手を差し伸べた。


ギィ・タイトルズ

「あぁー…わかった」


俺はそう言って少女の手を取った。


ヒンガナ・イメタボ

「え…いいんですの?」


ギィ・タイトルズ

「あぁ…?」


ヒンガナ・イメタボ

「え?い、いやぁこれまでずっと断られてきてたので…。てっきり今回も断られて「舐めてんじゃねぇ殺すぞ~」って銃弾ぶち込まれるかと…」


随分と被害妄想が激しいようだ。ヒンガナ・イメタボさんは。


ヒンガナ・イメタボ

「嬉しいです…!これからよろしくお願いします!ギィさん!」


ギィ・タイトルズ

「あぁ!よろしく!」


俺は突然現れたお嬢様風の少女ヒンガナ・イメタボさんに誘われて、ギルド「プリティープリンセス」に加入することになった。

まだ2人しかメンバーはいないけどこれからたくさんの仲間が加入してたくさんの出来事が俺たちを待っている。そんな予感がした。





エムエムオリア人物図鑑


ギィ・タイトルズ

ウィンドカーテン地方の果て、イージスの村に住むおじさん。

ギルドフェスタに参加する気まんまんなのにギルドに入れない悲しい男。

趣味は武器の改造で一日中家の中で武器を触っていることもある。

意外と女子力が高い。


ヒンガナ・イメタボ

ゴシックロリータに身を包むギィ・タイトルズをギルドに誘う美少女。

ギルドを設立したもののメンバーが集まらず四苦八苦していたが偶然見かけた「ギィ・タイトルズ」を勧誘することに成功。

自身を含め2人目のメンバーを獲得。

まギィ・タイトルズの家を知っていたのは、偶々買い物に出ていたお隣さんに訪ねていたため。

大半の行動が童貞臭い。


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