Ep.3 ギルド未加入おじさん
更歴1月1日
AM6:00
「やぁ、こんにちは。俺の名はギィ・タイトルズ。もう四十が近いってのに、ギルド無し、彼女無しの、無し無しおじさんだ。ついに始まったな、千年に一度の祭りギルドフェスタが。俺も生まれた時からこのギルドフェスタの為に様々な特訓をしてきた。今にも特訓の成果をお披露目した過ぎて、俺の魔王の右腕がウズウズしてやがる。あ?いい年こいて中二病はダサいって?ったくわかってねぇな。かっこいいもんはおっさんになってもかっこいんだよ。まぁそんなことはどうでもいい。そうどうでもいいんだ。俺にはいまそんなことがどうでもいいと思える1つの。大きな大きな”問題”があった。その問題と言うのはだな…。」
ギィ・タイトルズ
「誰かギルド・・・誘ってくれぇえ」
大きな大きな俺の問題。
それは俺がギルドに加入できていないということなのだ。
Ep.3 ギルド未加入おじさん
ギルドフェスタが始まった。
本来ならギルドの仲間と共に人生初ワープを決めてやりたいところだが、ギルドに入ってない。しかもギルドに入ってないからワープが出来ない。なえぽよ…。
やることがないおじさんはしょうがなく趣味の魚釣りに出かけるのだった。
装備:フィッシングロッド Lv1 釣り餌 レインボーミノー
俺はどこにでもある釣り竿に、一番よく釣れるルアーをつけて家から遠くない湖に行くことにした。
歩いて30分ほど経った後、いつもの釣り場に着いた。
とても大きな≪桜の木≫が湖の真ん中でピンク色の花を散らしている。
何度来ても見惚れてしまう光景だ。
…突然、こんな声が聞こえた。
フィールド解放「フィールド名:巨桜の庭園を解放しました」
ギィ・タイトルズ
「うぉ!!もしかして…これが≪世界の通知≫か!」
世界の通知はギルドフェスタで獲得できる様々なPtを知らせてくれる機能だ。
まさかいつも釣りをしていた場所が≪FieldPt≫の対象地域だったとは驚きだ。
そういえば、昨日の電子映像でアフロブラザーズが≪Menu≫というアイテムを宣伝していた。
お隣さんが言うにはギルドフェスタでのリアルタイムの各ギルドPt情報が見れる≪ランキング≫。
こういった名所、秘境、隠れエリア等の情報を書き込める≪掲示板≫というものが既に実装されているらしい。
ギィ・タイトルズ
「あぁ…ほしいなぁ≪Menu≫。そもそもギルドに入らないと意味ないかぁ」
俺はため息を吐きながら≪巨桜の庭園≫で釣りを開始した。




