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ここに日本の兵隊がたくさん爆弾を落としていったんだよ



渡航したころ、セイロン島はようやく内戦が終わってほっとしていました。荒廃した北部へは行こうと思えば行けたでしょうけれど、宿屋もないし何があるか分からないからおよしなさいと、コロンボのホテルでもアマンガラのボーイにも言われました。ジャフナ市という、北の中心地を、巡礼が目的でスリランカへ渡ったのだったクリスならば訪れたでしょうか。知りませんが、遊びに来たワンヤン君は躊躇なくルートから除外しました。朝な夕なセックスしながら三輪車を乗り回すワイルドな生活を思い描いて渡った彼には、「不便」だの「物騒」だの用のないことでしたから、私たちはリゾート地と世界遺産地とにだけスリランカ巡りを絞りました。で、ゴールの次に目指したのがトリンコマリー。海運の町であり、ビーチでも有名です。


「ここに日本の兵隊がたくさん爆弾を落としていったんだよ、このあいだの大戦争で」とニコニコしながら説明します。「でも、我々はゆるす。」


自称ガイドがそうやって営業をかけてきました。小刻みに首を右に左に揺らしながら。


「このあいだ自動車に乗った日本人が海に落ちて死んだのは不幸だった」と言って十字を切るのでした。




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