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獣の日々



彼は常に実験していました。トゥクトゥクの客席に並んで掛けながら遠くに巨大な半球形を眺めたあと菩提樹の下に座りに行った黄昏時、安ホテルに帰ればフロントに大きなチップを渡します ─ ノックは無用にしてくれと。持ち込んだフライドライスとCarlsbergで日に一度の食事をします。二人はシャワーを浴びません。ワンヤン君が浴びさせません。蚊帳をくぐり、一日の汗でべとべとになった体をふたつベッドに横たえます。不眠不休でどこまで可能なのか実験を開始します。


安ホテルが却って歓喜となりました。耳元をかすめる蚊の羽音が却って二人を燃え立たせました。隣に配慮して押し殺すべき声を敢えて押し殺しませんでした。デング熱のことをも忘れさせる、トゥクトゥクで旅するドヤにはそういう効果がありました。


来る日も来る日も実験に当てました。昼夜逆転した暮らし。九日間もシャワーを浴びない獣の日々。アヌラダプラの生活。わたしは思い出していました、あの、アフリカから歩いて旅する人を。




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