第6話 世界の反応1――情報部は見た――
「やはり直接部員を送れなかったのは痛いな」
「外交官を送れば良かったですね。中国・イギリス・フランスはこれですよ」
「はあ~あの鉄道大使があれ程頭が固いとは思わなかった。そんな不合理な物はないの一点張りだ」
「ロシアのTVクルーの拘束が解かれました。この後の行程に参加します」
「ロシアに気を使ったかフェイク対策か」
「日本外務省に探りを入れます」
「イギリスの記者がSNSにあげました。エイプリルフールネタにしていますね。レイアタックはやり過ぎだって怒ってます」
「そんなカワイイ物なら良いが」
「スペクトラム解析がきました」
「太陽光ですか。ただし、宇宙空間での」
「掲示板サイトが面白いことになってます」
「どう面白いんだ? ウン? 国立競技場を更地にしてダンジョンを作るか」
「玲子王女の小説からアマテラスとやらの行動を予測しようとしています」
「ああ、誰か読んでたな」
「すみません。結構長いのでもう少しかかります。ただ、行動の整合性はありません。感情と思い付きでの行動がほとんどです」
「神の寛容はどうだ」
「寛容も不寛容もあります。と言うよりも、人間のことを基本的に気にしていません」
「はあ自然神か。掲示板は要注意だ。スクリーニングして上げてくれ。画像解析はどうだ」
「オカルトの方からは時間がかかると」
「画像処理の方からは、フラッシュの瞬間は何も映っていないと。王女がゆがむ所は、光の屈折だそうです」
「台湾が放送を始めました。王女に太陽神が降臨」
「韓国は本当に概略だけ映像無しのコメントニュースです」
「台湾の放送終了です。比較的好意的な内容で、主にTVクルーや記者達の降臨に対したコメントですね。一様に圧倒的な存在感で、まぶしさがゆるめば目を離すことができなかったと。後、自分達は日本語が出来るのでその時は気付かなかったが、どうも、神は頭に直接話しかけていたようだと」
「シンガポールが流しました。どうも本当にダンジョンが出来るのではないかと」
「外務省からですが、ロシアのTVクルーの件は総理案件です。再検査の後合流だそうです」
「総理案件ならおそらくはいちゃもん対策だろうな」
「カタールが流しました。冒涜的な何かが王女を乗っ取ったと。かなり辛辣ですが、何かはありそうだと」
「西部地域で内も流し始めたか。王女の小説の紹介しているな。人ではない何かはそこにいたか。やはり一神教の所は辛辣だな」
「オーストラリアが流しませんね」
「これから先の所と合わせるつもりか」
「イギリス・フランスは一括でしょう」
「まあ現地時間的にはな。あまり内容も無い。カタールは全ムスリム向けの衛星放送って所がある」
「東部はコメントニュースですね。続報を待つです」
「中国は出ませんね。予想通りですが」
「記者達のニュース配信ですが、日本以外は概ね信じがたいが何かある。続報を待てですね」
「台湾以外が念話に言及していないが、どう言うことだ。気付かないと言うことはないはずだが」
「軽い思考誘導があるのではないかと。王女の小説ですが、始めの何回かは念話についてのやり取りがありますが、途中から面倒がって思考誘導しています。なぜ台湾だけが気付いたのかはわかりません」
「オカルトの方からです。今言えるのは、本物だと言うことだけだと」
「本物かクソ。本当に神が降りてきたと言うのか」
「再開まで30分を切りました」
「短いが休憩にしよう。今度はじっくり見せてくれるんだろうな…」