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第3話 のじゃロリが顕れた




 夢を見始めて四日目です。

 それはもう特大の異変をもたらす事になるのですが、未だ誰も気付いていません。修羅場の始まりです。

 

 天皇陛下の特別緊急記者会見は、何と皇居豊明殿にて行われます。宮中晩餐会が行われる大宴会場ですが、仕様変更でバタバタだったでしょう。立食パーティーなら600人収容の大会場ですが、色々詰め込んで、記者さん達1,200人入れるそうです。

 手荷物検査に金属探知機にと空港の検査よりも厳しいです。疑われたらそれまでです。退場! 復活はありません。

 宮内庁職員さんも、借り出された都庁や霞が関の職員さんも、更に私服で自衛官まで投入ですが、人が足りない。みんなピリピリです。

 警察はもちろんいますが、何故か別な所にも規制線の準備で人手不足です。謎です。

 昨日受け付けて抽選した記者会見の申し込み人数は、多少さばを読んで1,300人ですが、空気の読めない方達がドンドコ消えて行きます。容赦無しです。

 後、バスがいっぱい用意されていますね、敷地内にも規制した車道にも。パトカーと黒い車もいっぱいです。自衛隊の指揮戦闘車とやらもあります。

 今日は皇居ジョギングは無理そうです。

 豊明殿の記者会見場に続々と記者が入って行きます。

 TVはNHKにキー局にネットTV4社の他、アメリカから2社、イギリス・フランス・中国・台湾・韓国・シンガポール・カタール・オーストラリアが各1社、TVカメラを構えて、調整に余念がありません。

 この他ロシアもTVクルーを入れる予定でしたが、挙動不審で疑われて退場しています。

 参加人数は最終的に1,121人になりました。よっ予想を上回る退場率です。

 入って来た記者達が一様にざわめきます。

 天皇陛下がお座りになる玉座が中央からずれているのです。記者席から見て右に。玉座として置かれている一人掛けのソファーがやけにシンプルなのも謎です。

 あっ、陛下が入ってこられました。

 定番の冒頭の挨拶がありましたが、早くも会場がざわめきます。そう、陛下があの皇族言葉を使っておられないのです。そして話題が本題に入ります。

「あの夢を見始めて二日目、神託夢であろうと結論して、親族の他、神社庁を通じて各神社の関係者、勿論宮内庁職員達などに当たりました。結果、皇族の血を引く者の中でも、私と娘の玲子が最も夢を覚えている事が判りました。特に玲子は細部まで、事細かに覚えていました。そして三日目です。それまでは神様達からの夢のメッセージでしたが、天照大御神ご本神様よりお言葉を頂戴いたしました。私達が世界で最も正確に神々の言葉を受け取っている。会見を開き、皆さんに説明するように、と」

 会場はどこかポカ~ンとした空気が流れています。仕方ないね。天皇陛下の御神託宣言ですもんね。

「大丈夫ですか。ついてこれますか」

 陛下もお気を使われます。これに皇室記者が周りを見てまとめ質問をします。

「皇室の方々は我々よりも詳しく夢を覚えておいでになり、特に詳しく覚えていらっしゃる陛下のもとに、天照大御神様より御神託が下された。この理解で、よろしいのでございましょうか」

「はい、それで間違いありません」

 会場がどよめきます。人間宣言をした天皇陛下が、神託を受けたと断言したのです。日本人記者達のどよめきが止まりません。

 ダンジョンの説明に入れそうな雰囲気ではありませんね。爆弾発言です。

 ふいに陛下がお立ちになりました。まさにビクンッと言う感じです。そして頭をお振りになり、

「玲子を呼びなさい」

そう侍従長にお命じになったのです。

「へっ陛下今のは一体な・・」

「神託が下りました。意思のイメージと言う感じです。要約すると『迂遠なので玲子に降りる』と」

「えっとそれは…、降霊術や口寄せと理解してよろしいのでしょうか」

「おそらくは似たようなものとは考えますが、何分初めての事です。皇室の記録にもありません」

「それは陛下、この様な事があり得るとお考えであったとおっしゃられるのですか」

「先の神託の時に、すでに伺っておりました」

「陛下、玲子内親王殿下がいらっしゃいました」

 侍従長が声を発して促されました。

 その横では陛下がお掛けのソファーよりも二段程高く設え、これぞ皇室と言う様なソファーが置かれます。チェアーではなくソファーです。その前に玲子様がお立ちになります。会場はざわめき続けていますが、内親王が巫女服を着ていらっしゃる事も無関係ではないでしょう。

 すると、そう一拍おく間もなく玲子様のお姿が歪み始めます。その異様に皆が息を飲み目を見開いた瞬間。

 閃光が走りましたー。

 見事な攻撃です!

 会場中パニックです。目が~目が~。

「玲子!」

 陛下が玲子様のお姿をお求めになりますが、そこにあったのは、…ロリでした。10歳位の少女です。

「何じゃこれは」

 自分の手を確かめ、顔を撫で回し、体中をパタパタします。

「何なのじゃこれは!」

 少女の悲鳴にも似た叫びが会場にこだまします。目が~って悲鳴も未だ続いているんですが…

 のじゃロリが顕れた…

 創作世界で絶大な名声を持つ『レイコ様』ですが、玲子様は令和なので玲子様、他意はありません。


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