転生の始まり
唐突だが俺はこと"坂崎 屍"は死んだ。
所属する秘密結社の対抗勢力である秘密結社"アバドン"を半壊させるがあと一歩の所で力尽き、捕まってしまった。
それからは1年間にも渡ってじっくりと拷問され続け、最後にはファラリスの雄牛を用いて処刑された。
とても念入りに拷問された俺は、処刑される前には既に四肢、両目、下半身、全身の皮膚、耳、声帯は無くなっていた。
世界中で"死神"という異名で恐れられた俺の最後としては、実に不甲斐ないというのが感想と言える。
しかし俺の人生はそこで終わりはしなかった
☆☆☆
「おはよう。屍くん。生き返った気分はどうかな?」
ふと意識を取り戻した俺はそんな声が聞こえた。
声のする方に向くとそこに居たのは正真正銘の"化け物"だった。
絶世の美男子といえる容姿だが纏っている覇気は俺でさえ足が竦むほどの異物だ。
「何者だ?」
反射的に飛び起きて戦闘態勢を取る。
「ひどいなぁ。君の事を生き返らせたのに」
「な?!」
その瞬間思い出す。1年間にわたって拷問され続けた記憶を
「ぐっ」
「あれ?大丈夫かな?」
「大丈夫だ。少し驚いたに過ぎない。それよりも君の話が本当なら俺は本当に生き返ったのか?」
そう問いかける。
「そうだよ?」
実にあっさりと言ってのける。
「なんのために」
「余興にすぎないかな?僕にとって人だろうと、神だろうと、世界だろうと復活させるなんて些細な事だ。故に余興だ」
「もうひとつ強いていうなら興味だ。戦闘において最強まで至った人間があんな終わり方では少し興醒めだ。
是非とももう一度やり直して自由な人生を謳歌して欲しい。それが目的かな?」
復活という奇跡を些細なことで片付け、あまつさえ余興と言ってのけるこの男は正真正銘の"化け物"だ。
しかしこの男のお陰で生き返ったのも事実だ。
「勿論地球に戻ってやり直せとは言わないよ?」
「なに?地球出なければどこだ?天国か?地獄か?」
「最近ラノベとかによくあるやつだよ。ファンタジー世界ってやつ」
予想外の返答に驚愕を隠せなかった。自分自身があと少しで仙人の領域まで到達しかけた事もあり、武侠小説に出てくることが半ば事実であることは知っていたが、まさか異世界までもが本当に存在したとは思わなかった。
「それを信じろと?」
「信じる、信じないは関係ないよ?元より君に拒否権は存在しない。僕は君を異世界に転生させると決めたんだ。これは決定事項に過ぎないよ?」
不遜な態度と言動をもって"化け物"は答えた。
「まぁ一つ証拠でも見せてあげようかな」
"化け物"がそう呟くと頭の中にとある言葉が響いた
『世界"グランドセブン"のシステムを適応します.....』
『適応されました。ステータスを表示します』
- 主人公転生前 -
- ステータス -
〖根源〗Lv.100/100
〖年齢〗32
〖性別〗男性
〖氏名〗坂崎 屍
〖魂名〗アッカー・ロマノフ
〖異名〗"死神"
〖種族〗超人族
〖職業〗死神
〖HP〗A+〖MP〗A
〖STR〗S+〖VIT〗C〖CON〗SS
〖DEX〗SSS-〖AGI〗S+〖INT〗B+
〖MND〗SS+〖CHA〗B〖LUC〗C
〖加護能力〗
【地球神の加護Lv.5(MAX)】
「言語理解」「隷属無効」「異次元収納」「成長加速」「完全偽装」
【超越者の刻印Lv.2】
「世界ノ声」「情報開示」
〖特異能力〗
【暴喰】
【復讐ノ誓い】
〖固有能力〗
【呪詛魔法Lv.1】
【愚者】
【猟奇殺神】
【串刺大公】
【鮮血夫人】
【黒死神病】
【白き死神】
【殺戮大王】
【処刑大王】
【満月狂人】
【殺人道化】
〖種族特性〗
【不老長寿】【魔力源泉】【進化覚醒】
【魔王眼Lv.1】【魔素変換Lv.1】
〖究極能力〗
【死神】
「死線」「死与」「死眼」「魂壊」「神殺」
〖極限能力〗
【常在戦場】【一騎当千】【天下無双】
【百発百中】【英雄豪傑】【一心不乱】
【起死回生】【自由自在】【千変万化】
【億毒不侵】【寒暑不侵】
〖上位能力〗
【刀聖】【剣聖】【銃聖】
【暗殺王】【暗器王】【気配偽装】
【演技王】【逃走王】【拷問王】
【性交王】【無情】【鍛冶王】
【性欲強化】【酒鬼】【悪露踏破】
【電気耐性】【薬物耐性】【苦痛耐性】
【拷問耐性】
〖共通能力〗
【糸天Lv.8】【体聖Lv.7】【拳聖Lv.7】
【蹴聖Lv.7】【瞬歩Lv.7】【真気Lv.8】
【覇気Lv.3】【暗視Lv.4】【地獄耳Lv.3】
【行動予測Lv.8】【肉体操作Lv.9】【家事術Lv.5】
【交渉術Lv.5】【会話術Lv.5】【速読術Lv.7】
【解体術Lv.7】【愛撫術Lv.9】【読唇術Lv.5】
【尋問術Lv.9】【誘惑術Lv.9】【空間掌握Lv.6】
【料理術Lv.5】【魔力操作Lv.1】【魔力察知Lv.1】
【魔力遮断Lv.1】【生活魔法Lv.1】【無魔法Lv.1】
【闇魔法Lv.1】【毒魔法Lv.1】
〖補助能力〗
【体躯強化Lv.7】【内臓強化Lv.6】【血液循環Lv.6】
【血管強化Lv.5】【物理耐性Lv.7】【睡眠耐性Lv.9】
【衰弱耐性Lv.9】【火傷耐性Lv.7】【出血耐性Lv.7】
【閃光軽減Lv.4】【病気耐性Lv.4】【空腹耐性Lv.8】
【渇水耐性Lv.8】【環境耐性Lv.3】
〖獲得加護〗
【地球神の加護】
【超越者の刻印】
〖獲得称号〗
【精神病質者】
【享楽主義者】
【元伝説の殺し屋】
な?!
「特異能力と固有能力、そして魔法は君の実績を考えた上での転生前ボーナスだと思ってくれて構わないよ?ま、君にそれらの才能があった故に獲得できたものだしね。
転生すればそれに加えて、複数の神の加護と高位種族を手にすることができるよ?
但しレベルは1に戻るから能力値は下がるけどね」
とんでもないな。
「まるでゲームみたいだな」
「そうだね。だけどゲームと違ってバランスなんてないよ?
あとは異世界の人間達は知らないけど、これらの能力値や能力は自分の肉体+aだから注意してね?」
「どういうことだ?レベル形式で境地を表したシステムに思えるが」
「本質は補正だよ。まぁそう見えるように造られてはいるけどね。意図的にシステム的能力値や能力をオフにする事ができるから、オフにして多少は鍛えた方がいいよ?
システムの恩恵は絶大だ。しかし君の持つ固有能力の"愚者"のように能力を封じる能力とかも存在するからね。一番最後に信じれるのはシステムの恩恵などではなく、己の力だと思わないかい?」
「なるほどな。それならば鍛錬を積む時はオフにした方がいいのか」
「そうだね。それも一つの手だ。ただ異世界には武技と呼ばれる技が存在する。これの中にはスキルレベルに依存したものもあるから注意してねー?」
「もう他に言うことは無くなったかな。それじゃあ転生してもらおうかな?」
いくらなんでも急すぎるだろ。
『"超越者"が"あなた"を対象に転生魔法を行使』
『抵抗に失敗しました』
『転生を開始します』