♥ 城内 2 / 何処か 2 / 目覚めたら 2
聞きたい事が山程あって困る……。
取り敢えず、此処は何処なんだろう──って事を先ずはっきりとさせたい。
其に此の人の事もね!
何を言ってるのか分かるなら、言葉も通じるかも知れない。
此処は勇気を出して、話し掛けてみようじゃないの!
鼓綴里惠美
「 あの──、私は鼓綴里惠美です。
15歳のJKです。
貴女は誰ですか?
此処は…何処ですか?
分からない事ばかりで困ってます。
教えてください 」
綺麗なお姉さんだから、取り敢えず敬語を使ってみたりする。
正しい敬語なんて使えないから “ なんちゃって敬語 ” なんだけどね〜〜。
其に「 女子高生でっす☆ 」って言っても分からないかも知れないから、英語の方を使ってみた。
一寸だけ、カッコイイ感じがするし。
?
「 勇…者様……。
…………御丁寧に有り難う御座います。
私はヴィネパラ・ヒスプ・イク・ルッグルクリと申します。
≪ ルッグルクリ王国 ≫の皇女ですわ 」
鼓綴里惠美
「 皇女様?? 」
お姫様なんだ!?
タメ口じゃなくて敬語にしといて正解だったかもぉ〜〜〜。
鼓綴里惠美
「 えぇと……私の事は、気軽に “ え〜みん ” って呼んでください。
ヴィネパラ皇女様 」
ヴィネパラかぁ。
何か防虫剤のピ◯パ◯ア◯スを思い出しちゃう名前だよね。
ヴィネパラ皇女
「 とんでも御座いませんわ!
勇者様の御名前を呼び捨てには出来ません!
私の事は “ ヴィネパラ ” と御呼びください! 」
鼓綴里惠美
「 いやいや、其こそ無理でしょ。
王国の皇女様の名前を呼び捨てなんて出来ませんから… 」
ヴィネパラ皇女
「 ですが…… 」
何で今にも泣きそうな顔するかな〜〜?
涙脆いのかな?
私はただ「 勇者様 」って呼ばれたくないだけなんだけど…。
胸の前で両手の指を組みながら涙ぐんでるヴィネパラ皇女に対して、1つ提案する事にした。
鼓綴里惠美
「 あ〜〜じゃあさ、こうしましょうよ。
私はヴィネパラ皇女様の事を “ ヴィネちゃん ” って呼ばせてもらいますから、ヴィネちゃんは私の事を “ え〜みん様 ” って呼んでください。
どうかな? 」
ヴィネパラ皇女
「 ヴィネちゃん……(////)
はい!
分かりましたわ。
エーミン様、宜しくお願い致します(////)」
何か「 永眠 」とか「 ムー◯ン 」って聞こえるぅ!!
鼓綴里惠美
「 此方こそ宜しくね。
ヴィネちゃん 」
よっし!
「 勇者様 」の連呼を封じれた──と思う!
鼓綴里惠美
「 ところでだけど、此処は何の部屋なの??
ヴィネちゃんの部屋じゃないよね? 」
ヴィネパラ皇女
「 ふふふ。
違いますわ。
此処は勇者様を召喚する為の儀式で使う特別な──神聖な場所ですわ。
勇者召喚の間です 」
鼓綴里惠美
「 勇者召喚の間…。
此処が……。
じゃあ、全身ローブの人達は儀式を執行する術者? 」
ヴィネパラ皇女
「 はい。
勇者召喚の儀を成功させる為に必要な補佐達ですわ。
勇者召喚の魔法陣を発動させるには膨大なマナが必要になりますから…… 」
鼓綴里惠美
「 そ、そうなんだ…。
其は其は大変な儀式なんだろうね…… 」
ヴィネパラ皇女
「 はい…。
マナを消費し過ぎてしまうと術者は意識を失い倒れてしまいます。
でも、安心してください。
寝れさえすればマナは回復しますわ 」
鼓綴里惠美
「 そうなんだ? 」