♥ 学校 1 / 教室 1
──*──*──*── 白梅姫乃学院女子高等学校
──*──*──*── 教室
あ〜〜〜っ、早くホームルーム終わらないかなぁ〜〜〜。
終わったら速攻で帰るんだから!
キンコンカンコーン、キンコンカンコーン────。
キンコンカンコーン、キンコンカンコーン────。
──あっ、ホームルームの終了を教えてくれるチャ~~~イム!!
「 起立! 」「 礼っ! 」──って、ハキハキした声で今日の日直が号令を掛けてくれる。
よぉ〜〜〜し!
ホームルーム、終了っ!!
じゃあ、早速帰っ────ろうとしたら、背後から声を掛けられた。
今直ぐにでも帰りたい私に声を掛けて、私を呼び止めやがったのは────。
女子生徒
「 ──鼓綴里さん、少し宜しくて? 」
鼓綴里惠美
「 …………宜しくないで〜す 」
女子生徒
「 貴女に拒否権なんて、ありませんわ! 」
鼓綴里惠美
「 何様ぁ〜〜? 」
女子生徒
「 お嬢様ですわ!
見れば分かるでしょう! 」
鼓綴里惠美
「 …………はいはい。
そうね、ゆりりん… 」
女子生徒
「 ゆ…っ、ゆりりん?!
貴女っ!
誰に向かって “ ゆりりん ” なんて── 」
鼓綴里惠美
「 白鷺優里だから、 “ ゆりりん ” だけど?
可愛いでしょ♪
──で、何の用なの?
私、午後は予定があるから早く帰りたいんだけど〜〜 」
白鷺憂里
「 鼓綴里さん、貴女、スピリチュアル研究部に入部してましたわね? 」
鼓綴里惠美
「 あぁ……スピ研の事?
其が何?
ゆりりんもスピ研に入部したいの?
部員の私が言うのも変だけど、スピ研の部員は “ ヤバいの揃い ” だから入部は考え直した方が良いよ 」
白鷺憂里
「 違いますわ!
…………貴女ねぇ……、其が分かっていながら何故入部してますの? 」
鼓綴里惠美
「 う〜ん……。
オカ研が無かったからと、ネタ集めの為かな…。
私は名前だけの幽霊部員だよ 」
白鷺憂里
「 そ、そうですの?
幽霊部員もどうかと思いますけど……まぁ、いいですわ。
スピリチュアル研究部には、勇園先輩が居ましたわね? 」
鼓綴里惠美
「 おぞのんがどうかしたの? 」
白鷺憂里
「 おっ…おぞのん??
貴女、勇園先輩の事をおぞのんなんて呼んでますの?!
馴れ馴れしいにも程がありますわよっ!! 」
鼓綴里惠美
「 そう?
おぞのんは喜んでるけど…。
ゆりりんも『 おぞのん 』って呼んだら?
喜ぶと思うよ 」
白鷺憂里
「 貴女と一緒にしないでくださいな!
私は敬愛する勇園先輩を “ おぞのん ” だなんて失礼な渾名で呼んだりしませんわ! 」
鼓綴里惠美
「 そう?
好きに呼べば良いと思うけど。
──で?
おぞのんがどうかしたの? 」
白鷺憂里
「 ………………勇園先輩は今、何処に居られるのかしら?
ご存知なくて? 」
鼓綴里惠美
「 スピ研の部長なんだから部室に居るんじゃないの?
用って其だけ?
もういい? 」
白鷺憂里
「 お待ちになって!
鼓綴里さん、貴女……勇園先輩の連絡先は知っていて? 」
鼓綴里惠美
「 ……まぁ、LINEしてるから知ってるけど? 」
白鷺憂里
「 ラ…LINEですの?!
貴女、勇園先輩とLINEしてますの?! 」
鼓綴里惠美
「 部員だからね。
連絡先ぐらい交換するって。
おぞのんは部長だけど、ヤバくない人だし 」
白鷺憂里
「 そ、そうですの?
鼓綴里さんが連絡先を知っているなら好都合ですわ。
今から勇園先輩へLINEをして、居場所を聞き出してくださいな 」
鼓綴里惠美
「 何でよ? 」
白鷺憂里
「 私が勇園先輩に会いたいからですわ! 」
鼓綴里惠美
「 ……………。
LINEして、居場所が分かれば良いんだね?
おぞのんの居場所が分かったら、私は帰るからね。
良いよね、其で! 」
白鷺憂里
「 勿論ですわ!
恩に切りますわ、鼓綴里さん♪ 」
私はクラスメイトの白鷺憂里の頼みを聞いてあげる事にした。
親切心とかじゃなくて、早く帰って早くア◯メ◯トに行きたいからだよ。