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ふと見上げれば

作者: kuga
掲載日:2016/07/10

 ゆっくりと渦巻いていく煙を見つめ、行く末を目で追っていく。

 

 ゆらりゆらりと揺れている白煙が目指すのは、遠くに光るあの星々なのだろうか。

 

 それともただ漠然と、風に揺られているのだろうか。

 

 そんなことを考えているうちに煙は、薄くなって消えてしまった。

 

 私は大きく息を吸いこんで、もう一度だけタバコを吹かしてみる。

 

 やはりゆっくりと渦巻いていた煙であったが、人知れず吹いた風にさらわれていってしまう。

 

 私の目に映るのは、煌々としているあの星々だけ。


 思わず目を細めたくなるほど眩しいのだけれど、どういうわけか食い入るようにして見つめてしまう。

 

 恐らくそれが、光りというものなのだ。

 

 何だか白けたような気分になってきて、咥えていたタバコを吐き捨てる。

 

 地に落ちて、少しだけ転がり、やがて死んだように動かなくなった。

 

 けれど往生際の悪いことに、吸殻は静かに燃えている。

 

 まるで、まだ生きているとでも言いたげに燃えているのだ。

 

 ……いや、分かっている。

 

 タバコなんぞは生き物ではなく、ただ消費されるだけのモノなのだ。

 

 そうだというのに私は、どこか切ない気持ちを抱えて吸殻を見つめてしまう。

 

 朧げな、いまにも消えてしまいそうなこの光。

 

 もはや光と呼ぶのさえ憚れるような、汚くて小さな輝きである。

 

 それでもこれは、光なのだ。

 

 たとえ燻っている吸殻から放たれるものであっても、やはり光であることに違いはない。

 

 なんともなしに私は、捨てたばかりの吸殻を拾ってみる。

 

 そして意味もなく頭上に掲げて、闇夜に浮かぶ星々に並べてやった。

 

 遠くで煌めくあの星と、私の手元で輝くこの吸殻。

 

 光の強さも、光を放つ場所も違うというのに、こうして並べてみれば同じようなものに思えてくる。

 

 ……不思議なものだ。

 

 そしてまた、どちらも捨てたものではない。

 

 独りでに私はニヤリと笑みをこぼすと、燻っている吸殻を口に咥えなおす。

 

 大きく息を吸いこんで、再び吹かしてみる。

 

 少しだけ砂っぽい味のするこのタバコは、とてもじゃないが美味いとは言えない。

 

 けれど不味いとも言えないのだから、不思議なものだ。

 

 またしてもニヤリと笑みをこぼすと、私はゆっくりと歩いていく。

 

 その拍子にちらりと目についた看板を確認してみれば、ポイ捨て禁止と書かれてあった。

 

「そうだな……捨てるのは、よくない」


 誰もいない公園で、一人呟く。

 

 そしてそのまま私は、ふらふらとどこかへ歩いていくのだった。

下らないと鼻で笑う人もいれば、「ん?」と首を傾げる人もいる。


そういう内容になっているかと思います。


もしかすれば、「何が面白くて、こんなものを投稿したんだ?」と思う人もいることでしょう。


けれどこうして、最後まで読んでしまったということは、それだけ何か気になることがあったのかもしれませんね。


いや、そんなことはないのかもしれませんが、もうそういうことにしておきましょう。


……というわけで、久々の投稿でした。

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