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女神  作者: 勝目博
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求愛

引き込まれる亮二の愛。そして1つになる日が・・・。

「送ってくるよ」亮二は母に言った。

「気を付けるんだよ。冬さんまた来てね」母は、冬が気に入ったようだ。何度も、いい娘さんだと言う母に冬も恥ずかしがっていた。冬の動きは素晴らしかった。何度もこの家に来たように、台所の中を把握していた。母にも聞かずにお皿を出したり、グラスを出したり、忙しそうに動いていた。確かに広い台所ではない。それでも冬の動きに無駄はなかった。一瞬、亮二は結婚したらこうなのかな、とも考えた。亮二は冬を愛していた。それは、紛れもない事実だ。亮二は冬に告白したが、冬の気持ちは聞いていない。嫌いではないだろう。亮二はそう思った。でも、はっきりと聞きたい気持ちと同時に、怖さもあった。二人は並んで歩き出した。

「ビックリしたよ。来るなんて言わないから」

「急にごめんね。おかさんに会っておきたかったの」冬は楽しそうだった。電車の中での冬とは、比べものにならぬほど、活き活きとしていた。田舎の道には街灯はない。懐中電灯を片手に、畑のあぜ道を歩いていた。遠くに駅の灯りが見えているが、ここでは懐中電灯が頼りだった。雪が無ければ問題ないが、まだ積もった雪で道はよく見えなかった。亮二には無くても歩ける。しかし、母は冬を心配して渡してくれたのだ。あぜ道の中央だけは踏み固められている。だが、周りは道の端も分からない。

「気をつけてね、落ちても畑だから大丈夫だけど」亮二がそう言うと、冬が急に笑い出した。

「ほんとう?大丈夫?」電灯の明かりを見ながら、冬は尋ねた。

「もちろん、肥ダメはあるけど」亮二がそう言った矢先、冬が思いっきり亮二を押した。

「うわぁ」亮二はバランスを崩し、ゴロゴロと畑に転がっていった。冬はそれを見て大笑いしている。

「ほんとう、大丈夫ね」体半分、雪に埋まった亮二が冬を見ると、いきなり冬も畑にジャンプした。

「あ〜気持ちいい。私、雪って大好き」冬は大きな声で叫んだ。

「都会では、大きな声も出せないわ。だから」雪と戯れる冬は、冬の妖精そのままだった。

「私、亮二さんが好き〜」冬が大声で叫んだ。亮二の周りの雪が一斉に溶けだした。そう感じるほど亮二は嬉しく、照れたのだ。冬は亮二に抱きついた。

「ねえ、結婚してくれる」亮二は信じられなかった。その言葉の持つ意味が、どんなに重要で、どんなに責任があるかぐらいは、亮二にも理解できていた。

「で、でも、僕は・・・」亮二の心配は病気だけだった。

「何も言わずに、返事だけして」冬は亮二の言葉を遮った。亮二はすぐには返事をしなかったが、冬は急がせることも無く、じっと、亮二を見つめていた。亮二は考えた。もし、父のような運命ならば、冬を不幸するだろう。しかし、手術で元気になる可能性もあったのだ。もちろん、手術で元気になれば、冬に結婚を申し込むつもりでいた。亮二はじっと見つめる冬を見た。断わることなど出来なかった。

「僕でいいの」亮二はやっと声を発した。

「亮二さんがいいの」冬は戸惑いすら見せなかった。

「でも、何で」

「結婚を誓った人意外に、私の身体に触れてほしくない、から」亮二は真赤になる自分が分かった。頬は焼けるように暑く、身体も熱い。耳たぶなどは溶け落ちそうだった。

「行こう」冬は亮二の手を引き、畑からあぜ道に上がった。冬はまるでこの街を知っているように歩きはじめた。冬の足どりは早かった。亮二は冬に全てを任せた。ところが冬は、駅の灯りとは違うほうに歩き出した。亮二は戸惑った。そして、この先の情景を思い出した。何もないはずだ。行けば行くほど街から離れ、小さな池にぶつかるはずだった。その先は山に入る。冬はどこに行こうとしているのか、しかしその足どりは、目的地があるような歩き方だった。冬は無言で亮二の手を引いていた。そろそろ池に着きそうなとき、冬は亮二に振り返りかすかな笑みを浮かべた。

「ここ」冬が指差したのは、畑の納屋だ。普段は農機具が収められいる納屋だった。

「えっ、ここ?ここで何を」亮二の言葉はそこで止まった。いかに馬鹿げた質問をしたのか気づいたからだ。しかし、冬は何も言わずに手を引き、納屋の中に入っていった。中は狭い。四人も入ればいっぱいになる。しかも多くの農機具がおかれたままなのだ。

「ちょっと待って」冬が納屋の隅に行くと、小さな焚き火が現れた。どうやって火をつけたのかは、分からなかった。しかも炎に浮かび上がった納屋の内部は、6畳ほどの広さに見えたのだ。暗くて分からなかったのかも知れない。実際は、6畳の広さがあり、焚き火のスペースもあったのだ。亮二はそう思うことにした。小さな焚き火の割には、寒さは全然感じなかった。冬と二人でいることに、亮二は興奮と喜びを感じていたからかも知れなかった。

「寒くない」向き合う冬が優しく尋ねた。亮二が黙って頷くと、冬は胸のボタンを外し始めた。

「冬・・」

「黙って」冬は唇を人差し指でそっと触れた。

「でも、人が来たら」

「誰も来ないわ。ここは二人だけの場所なの」冬のブラウスが床に滑り落ち、真っ白な肌に、焚き火の炎が揺らめいた。冬は亮二を見つめたまま、ゆっくりとスカートのホックも外し、ジッパーを下ろした。スカートは音も無く下に落ちた。腿の産毛はキラキラと光り、白い下着もオレンジに染めていた。冬はその場に横たわった。まるで藁のベッドがあるようだ。亮二も無言で服を脱いだ。パンツ一枚で冬に重なり、二人は激しく唇を求め合った。冬は背中を浮かし、ブラのホックを外した。片手で胸を隠しつつ、冬はブラを取りはらった。ふくよかな胸はその形を崩すことなく、豊かな丸みを見せていた。冬は亮二に頷いて、腰を僅かに浮き上がらせた。亮二は冬のお腹に舌を這わせた。同時に冬の下着をゆっくりを引き下げ、自分も裸のなった。寒さはちっとも感じない。亮二はゆっくりとせり上がり、冬に身体を重ねた。二人の鼓動はぴったりと合っていた。亮二が静かに冬の中に入った。二人の影は納屋の壁に一つになって映し出された。そして二人の影はゆらゆらと燃え上がった。

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