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第74話 文化祭 ~ その1~

すいません、予約投稿忘れてました。

 高瀬川高校には普通科と異世界留学科の二つの科があり、普通科は三クラス、異世界留学科は一クラスとなっている。そして、各クラスのHRでは、再来週に迫った文化祭についての確認が行われていた。

 因みに、高瀬川高校の文化祭は三日間行われ、生徒と来場者の投票により最優秀クラスになると校長からプレゼントがもらえるのである。


「うちのクラス、何するんだっけ」

「あぁ、木葉君は夏休み開けてからあまり学校来れてないんだったね。今年は『騎士喫茶』をやることになったんだよ」


 殆ど学校に来れていない実にクラスメイトが文化祭の出し物を教えるが、実にはピンとこない。


「メイド喫茶や執事喫茶は聞いたことあるけど、騎士喫茶って?」

「いや、メイドや執事はありきたりだから、向こうから騎士の甲冑借りてきて、それで喫茶やろうぜって事になったんだよ」


 どうやらこの科の人間は普通とちょっとずれているらしい。誰が甲冑姿に給仕されたいと思うのだろう。

 だが、説明によると、兜はかぶらず、手甲もフル装備にはしないでグローブはつけないのだそうだ。それでも甲冑が煩いのだが、それは本物の持つ臨場感とやらでそれがいいのだそうだ。

 尚、騎士の制服はありきたりだからという理由で却下であった。


「いいじゃん、殿下や姫様を守る騎士に給仕されるってさ」

「…」


 実際、騎士はそんなことはせず別にお付きの者がそういったことをするのだが、今更言っても仕方がない。

 そして、実は当然というか向こうから甲冑を借用してくる係と、ウェイターになっていた。因みに早苗はウェイトレスだ。女性騎士はとあるジャンルで人気らしいが、あまりそのような目では見て欲しくない。


「武器は借りてこないぞ」

「それは当然だろう」

「あと、ビキニアーマーは幻想だからな」


 武器なんぞ持ってきた日には、即銃刀法違反で捕まってしまう。それに騎士団にも女性はいるが、勿論露出度は多くない。あと、やはり男性に比べて力が弱いので、プレートメイルではなく革鎧かチェーンメイルが主となっている。冒険者と同じだが、上質な革を使ってあったり、左胸の部分に国の刻印がされていたりする。こちらの学生なら、やはりプレートメイルではなく、革鎧が良いのではないだろうか。


「早苗さん、女性の分はお願いして良いかな?」

「革鎧でいいわよね。私は自分の分があるから、ほかの子の分を見繕って借りてくるわね」

「あぁ、話が早くて助かるよ」


 早苗も同じ結論に達したようだ。ただ、こちらの世界では『騎士』と言うとプレートメイルを着込んだイメージがあるので革鎧はどうかという気持ちもあるが、動けないよりはマシだろう。




「というわけで、これで決定な。プレートメイルは入口に飾っておくだけにして、中は基本的に革鎧にする」

「やっぱりプレートメイルは動けないか…」


 革鎧を準備すると言った実に対し何人かが反対意見を出したが、実際にプレートメイルを着せたところまるで動けない事が発覚し、結局プレートメイルは飾るだけで接客は革鎧で行うことになった。なお、鎧下は普通に制服にしたので、騎士というよりは異世界の勇者風になっている。父ちゃんか昔見てたアニメにあったなぁ。異世界の登場人物が殆ど車絡みに名前だったなぁ。

 男子は身長と胴回りだけ確認すれば良く、すぐに衣装合わせ(?)は終了したのだが、女子の方が問題であった。

 やはり胸囲の問題があったのだ。


「うーん、パッド入れるしかないのかな…」

「何で胴回りは一緒なのに胸囲が全然違うのよ…」


 そう、何故か女性騎士はこちらの学生達に比べて皆スタイルが良いのだ。当然ながら騎士になるためには見た目よりも実力なのだが、こうもあからさまに違いが分かってしまうと見た目も重要なのかと思ってしまう。


「訓練で剣や槍を振り回すから、体が絞られるんだよ。胸囲はどうなんだろうね」

「胸囲は半分筋肉なのです」


 胸囲の差に早苗が不思議がってると、アルテリアが答えをくれた。そう、女性騎士の胸は脂肪だけではなく、筋肉もあるのだ。アスリートと同じようなものなのだが、アスリートが脂肪が減った分胸もなだらかになるのに対し、女性騎士は形が変わらないのがやはり不思議である。


「サナエはその体型で十分なのです。その鎧もよく似合っているのです」

「はぁ、ありがとうございます」


 早苗の鎧は先日購入した革鎧に王国の刻印を施してもらったものだが、その際手入れを念入りにやってもらったおかげもあってかなり色艶も良く他の騎士用鎧に比べても遜色がない。今更他の子を防具屋に連れて行くわけにもいかないのだが、ちょっと反則だったかもしれないと思っていたのだ。


「それと、何人かあちらからお手伝いに着たいという者がいますので、実と一緒にレクチャーして欲しいのです」

「それって…」

「はい、留学で来てた者達の一部なのです」


 ディバイン、サフィアス、ユーリーの三人が来るとのことであったが、ウェイター決定の現役騎士二人に対し、料理も微妙な評価だったユーリーをどこに配置するか、頭を悩ます実と早苗であった。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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