第38話 驚愕の事実
執筆用にGoogle Docs使ってますが、最近入力した文字が途中から消えてしまう現象が発生してます。
いちいち確認しながらなので、ちょっと打ちにくいのですが、書き溜めが増えないのとは直接の関係はありません。
「では、ミノルはツグハルの息子で、サナエは婚約者でいいのか?」
「いえ、まだ違いますから。」
「ほう、まだという事は、そのうちそうなると。ツグハル良かったのう。息子の嫁が決まって。」
「うぅっ話を聞いてくれない。さ、早苗さん、誤解だからね。」
「う、うん。で、でも…。」
「ミノルさんは、サナエさん好きなんでしょ。サナエさんも好いてるのは見ての通りだから、婚約しても良いと思うな。」
馬車の中はカオス状態であった。因みに、最後の台詞は相手がいない上に、性別は変わるは神になるはで更に相手ができなくなったミハルのものであった。
盗賊達は全てナーダが殺してしまったため、討伐証明である武具や身分証等を纏めて袋に詰め込んでいる。一応穴を掘って全員放り込んだ後、炎の魔法で火葬しておいたので、アンデッドとして蘇る事はないであろう。
「ところでナーダよ、なぜたまごを盗賊なんかに奪われたんだ?」
「ちょっと巣を離れた隙に…ね。まさか盗賊で、あそこまで気配消せるのが居るなんて思わなかったのだ。」
「そうか。ところで、たまごは大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。もうちょっとで孵る。御主との子だぞ。」
嬉しそうに爆弾を投下するナーダ。慌てる嗣治。
「ちょっと待て!誰が俺の子だって!?」
「だからこの子だ。以前、御主から貰った魔力で産んだから、御主との子になるのだ。」
「あぁ、あの時か。アルテリアも知ってるから問題は無かろうが、王位継承権が問題だな。」
「そうだな。アルテリアを怒らせたくないし、変な派閥も作らせたくない。継承権なんぞはなから要らぬわ。」
「そうしてもらえると助かる。」
上位竜は、パートナーとなる相手から魔力をもらい、自分の魔力と合わせてたまごを産む。更に、そのたまごに魔力を注ぎ続けると雛が孵るのだが、その雛はパートナーの種族と同じ格好をしている。つまり、ナーダの子は普人族と同じ格好をしていることになる。
これが一般の人ならばあまり問題ではないのだが、仮にも一国の王の子になると、王位継承権の問題が出てきてしまう。上位竜としては、一国に縛られるのは好まないためにそんなものはいらないのだが、中には上位竜を王に頂けば他の国より上位に立てると思う輩が勝手に派閥等を作り始める場合がある。そのため、先に王位継承権の放棄を宣言させておこうという考えであった。
「ふーん、それじゃこの子、俺の弟か妹になるのか。」
「そうじゃ。ミノルよ、宜しく頼むぞ。」
「こっちにいる時は、なるべく様子を見るようにするよ。早苗さんも良いかな?」
「うん。いいわよ。」
「あ、アルテリアさん、こっちに来るって。」
「ミハルさん、何連絡とってんの!?」
「だって、暇だったし、アルテリアさんにも知らせとかないといけないかなーって。」
「いや、まぁそうだけどな。で、いつ王都に来るって?」
「今、ここに呼ぶよ?
私担当神だし、間の神様とも了解取れてるし。」
「そーですか。それじゃお願いします。」
一旦馬車を止め、全員で馬車の外に出る。ミハルが高瀬川高校の異世界とのドアに間をつなぐと、何もないところにドアが現れた。まるで某猫型ロボットのもつ道具のようだ。そのドアがかちゃりと音を立てて開くと、アルテリアがにこやかな笑顔で現れた。目が笑っていないように見えるのは気のせいかもしれない。
「お久しぶりなのです、ナーダ。」
「久しいな、アルテリアよ。御主の息子もだいぶ大きくなったが、ほれ、この子ももうすぐだぞ。」
ナーダがたまごを見せる。アルテリアはそれを慈しむように見つめると、再度刺すような眼光でナーダを見る。
「子が孵るのは私も楽しみなのです。ですが、ナーダは次も狙っているようで油断も隙もないのです。」
「ふむ、ばれたか。この子も孵ったら、再度ツグハルには魔力を頂こうかと思っておったが、そううまくはいかぬようじゃな。」
「当たり前なのです。暫くは孵った子を育てると良いのです。」
「仕方がない、そうさせてもらおう。」
こうして、ナーダ親子もベアル王国の王城に暫く居住することが決定したのだった。因みに先ほどのやり取りの間、嗣治は真っ青な顔をしてオロオロするばかりだった。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
ご意見、ご感想、評価等お待ちしております。m(._.)m




