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第34話 カナディ王国王都到着

書き溜めが…。

脳内プロットが中々まとまりません。


2015/10/01

サブタイトルの話数を間違えていたので、修正

「ようやく着いたな。」

「そうですね、大した事件も起こらず安心しました。」


 カナディ王国王都。嗣治達一行は、本来五日かかる日程を三日で駆け抜けて王都の城壁の前に到着していた。勿論、一般の正門ではなく国内外の貴族や来賓用の特別な門の前だ。


「ベアル王国国王様御一行でございますね。私は侍従長をしております、ラーフェンと申します。皆様のご案内を仰せつかり、お待ちしておりました。」

「御苦労。すまんが、まずは宿に行かせてもらえないだろうか。」

「国賓の方々を一般の宿にお泊めするわけにはいきません。城の方へ御案内致しますので、そちらで御逗留お願いします。」

「うむ、そう言われては仕方ない。案内を頼む。そうそう、護衛団の方もできれば近い位置に部屋を用意してもらえないだろうか。」

「かしこまりました。御用意させて頂きます。」


 侍従長は部下を呼び出すと、手早く指示を出す。部下が去っていくのを確認すると、自ら馬にまたがり案内を開始した。




「よくぞ参られた、ツグハル王!そしてミノル王子!」


 国賓を迎える迎賓館にて、カナディ王国国王と嗣治、実親子とミハルが対面する。この国では身分の上下に対する特権意識が比較的希薄で、こういう場でも参列する全員が大広間の同じような椅子に腰かけている。まるで学校の入学式とかのようであったが、椅子はパイプ椅子でなくてもっと豪華であるし、一段高い段もない。国王とそれ以外の違いは、座っている人物そのものでしかなかった。


「それで、こちらが新たな担当神でございますか。」

「お初にお目にかかります。ミハル・サカモトと申します。」

「ふむ、どうやらツグハルと同じ世界から来られた方のようだな。是非こちらの世界を堪能して、神として公平な職務に励んで頂きたいものですな。」

「ええ、心がけさせて頂きます。」


 カナディ王の言葉は、少々警戒を含んだものになってしまっている。担当神の交代というだけでも一大事なのに、それが異世界人で、同じ異世界人が王になっている国に居るという事態も看過できないものがある。勿論嗣治を疑うような事は明言しないが、婉曲に一国のみを利する事の無いよう釘を刺してきたのだった。


「勿論、我がベアル王国はカナディ王国に対して何ら含むところはございませんぞ。ミハル様が我が国におられるのは、あくまでも異世界とのつながりが多少強いためではありますが、それを理由としてミハル様を拘束するものではございません。カナディ王国にもこうして来られたのも、ミハル様ご自身の御判断によるものです。」

「はっはっはっ。勿論疑ってはおらぬさ。ただ、こう言っておかないと黙ってない輩もおるのでな。」

「お互い、臣下の手綱を握っておくのも大変ですなぁ。」

「そうですな。」


 カナディ王は、嗣治とほぼ同年代の灰色の髪と鳶色の瞳を持つナイスガイである。ベアル王国内乱時に、嗣治とアルテリアが諸外国に根回しを行っていた事で干渉を受けずにすんだが、その時のカナディ王国側の窓口を担当していたのが現カナディ王であるフィルケ・カナディであった。


「で、今回はミハル様の件だけではあるまい?」

「勿論だとも。おい実、ミハル様と早苗殿を連れてその辺挨拶回りして来い。こっちはちと大事な話があるのでな。」

「了解しました。ではカナディ王、失礼致します。」

「おう、中々礼儀正しい王子だな。お前らの息子とは思えんぞ。」

「ちゃんとその辺は教育してるからな。」

「その教育に関しても、ちと話がある。」

「あぁ、こちらの話の後に聞こう。」

「では、ちと別室に移ろうか。」

「そうだな。」


 両国王は、カナディ国王の私室へと移動する。当然護衛も控えてはいるが、部屋の中までは入ってこない。


「さて、今回の訪問だが、大体わかってくれていると思う。」

「勿論だ。相手はやはり聖王国なのか?」

「その可能性が高い。尻尾はつかませないようにしているようだが、そのやり口が聖王国である事を証明している。」

「ふん、神がここまで身近に居て、しかも普人に肩入れしているわけでもないのにな。」

「まぁそう言うな。俺もこの世界では普人だ。当然普人至上主義なんかじゃないが、それに縋りつきたい奴らも居るのさ。魔族だってそうだからな。」

「そういや、内乱の原因はそれだったな。今は大丈夫なのか?」

「ああ、かなり勢力は削っている。事を起こすとすればテロくらいしかないが、うちの諜報部隊も頑張ってくれているよ。」

「ほう、そっちが安定してくれれば、こちらとしても安心だ。友好国としては、共通の敵にあたる事を拒否はせぬよ。」

「それはありがたいな。」


 二人の国王はその後も遅くまで語り合うのだった。


ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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