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第22話 魔法料理対決~その1~

だんだん文字数が少なくなってしまってすいません。せめて1500字を切らないようには頑張ります。


「さぁて、突如湧いた料理対決!魔法料理マスターの栄冠はだれが掴むのでしょうか!」


 第二体育館の特設ステージでは、放送部の名物パーソナリティーが雄叫びをあげる。各学年の緊急連絡網まで使って全校生徒へアナウンスをし、尚且つローブ男と浩子だけでは勝負が盛り上がらないだろうと、留学生達まで出場させられた魔法料理対決が、今開催されようとしていた。


「なんでこんな事になったのでしょう?」

「ノリが良すぎる校長と神様のせい…かな。」

「それなら仕方ない…。」


 それぞれイェルミーナ、早苗、ユーリーの言葉である。三人ともアルテリアと浩子により、強制参加を申し付けられてしまっていた。なお、男子の方は一応参加免除という事になっているが、その代わり裏方仕事の大半を押し付けられていた。


「ミノルは運がよかったなぁ 。」

「そうか?可愛い女の子の手料理が食べられるんだぞ。役得以外あるもんか。」

「いや、うちの姉の料理?を食べるくらいなら、素直に逃げた方が良いね。先生を見てみなよ。料理対決の審査員なのに、この世の終わりみたいな顔してるじゃないか。」


 浩一郎の指摘の通り、強制的に審査員席に座らされたアルテリアの顔は優れなかった。せめて実が居てくれたら彼の料理も食べて元気が出せるのに、今日はミハルの件で飛び回っている最中だったのだ。そして、彼女の記憶に蘇る浩子の料理。


「あれは、既に兵器と言っても良かったのです…。」


 つい声に出てしまったのを、隣に座る男子学生が聞きとがめる。


「おい、それはどういう事だ。」

「仮にも教師に対する言葉遣いではないのです。ですが、まぁ、いいのです。あなたは、料理を一口食べて気絶した事があるのです?」

「あるわけないだろ。」

「ならば、今日は記念すべき日になるのです。」

「どういう事だ!」

「これ以上は私の精神衛生上宜しくないので言わないのです。」


 男子学生の不安を煽る事で、少しは気がはれたのか、アルテリアの機嫌は先程よりは良くなったようだった。


「さて、審査員のご紹介です。審査委員長は、我らが異世界留学科の名物教師、アルテリア先生!」

「二人しかいないのに、委員長と言われても嬉しくないのです。」

「そして、この騒動の元凶、男子学生Aです!」

「おい!せめて名前で呼べ!」

「だって名前知りませんし。」


 そう言われてみればそうだった、と男子学生Aとローブ男が気付く。


「では、戦う料理人達のご紹介に移りたいと思います。まずは伝説の女、河内浩子先輩!」

「今回はせめて、普通に勝ちたいわね。」

「次は異世界留学科2年、最近では剣術家であることが判明し、魔法は殆ど使えないにも関わらず強制的に参加させられた伊倉早苗さん!」

「全く自信はないけど、頑張ります。」

「なんでも、最近はアルテリア先生のご子息と一緒に居る事が多いとの噂ですが?」

「えぇっ!?いや、一緒に留学した仲ですし…。」

「なんかちょっと意味深ですね。では次に移りましょう。短期留学生のイェルミーナ・ウォートさん!成績優秀、眉目秀麗、是非ともお近づきになりたいです!」

「料理はしたことがあるが、魔法を使っての料理は初めてだ。まぁ、迷惑をかけない程度に頑張るとしよう。」

「さぁ、ちょっと心配な発言を聞いたような気がしますが、流して…アルテリア先生逃げようとしないでください、次の方、こちらも短期留学生、ちっちゃくてクール、その無口さがかわいらしいと評判のユーリー・サウラスさん!」

「ん、がんばる。」

「御返事もかわいらしいですねー。河内もげちまえ。あと、元凶その二、謎のローブ男!」

「まぁ、ヒロコ殿に勝てれば良いので、気は楽かな。」

「おおっと!ここで勝利宣言です!ただ、河内先輩相手なのが何気にハードル低いです!」

「ちょっと、それどういう事!」

「だって俺ら家庭科実習室の惨劇知ってますもん。」


 一昨年に家庭科実習室での料理実習中に起きた謎の爆発事故、その原因が浩子にあることを、この司会だけではなくほぼ全校生徒が知っていた。


「それではルールです。今回は、こちらに用意した食材を使って料理を作って頂くわけですが、切ったり焼いたりといった事を全て魔法で行って頂きます。水は水道水でもいいですが、美味しい自信があれば、魔法で出されても問題ありません。そして、優勝者には…。」


 司会はここで一旦切ると、大きく息を吸い込んで叫んだ。


「学食一カ月無料券だぁっ!しかもペア!あと、この無料券はあちらの学院でも使えますので、留学生の方々も頑張って下さい!」


 本当の勝負をするはずだった浩子とローブ男の二人には、全くメリットのない優勝賞品だった。表面上は兎も角、内心がっかりしている二人をよそに、司会の話は続くのだった。



ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

ご意見、ご感想、評価もお待ちしてます。

やっぱり反応あるのとないのでは、テンションが違いますからねぇ。


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