No.94:火事場の馬鹿力
《3球目!!!》
スットォォーーーンッッ!!!
小野(フォークっ!?)
ピクッ
ズッッバァァァーーーーンッッ!!!
西口『スイング!!』
『ノースイング!!』
小野(ふぅ…………。)
《ハーフスイングの判定は振っていないの判定!ストライクからボールになるフォークをなんとか見極めた!》
小野(今のも危うく手を出すとこだった……。)
西口(よく見極めたな。簡単じゃねーぞ。)
(フォークに付いてくるならストレートで終わりだ。)
大場(今度こそ決める。)
小野(フォークを意識するとストレートに付いていけない。でもフォークにもストレートにも対応できなきゃダメ…。)
ビュゴォォッッッ!!!!!
西口(アウトハイストレート。その様子じゃこれに対応出来ないだろ。)
カーンッ!
西口(…………。)
『ファールボール!!』
《外角高めの制球されたストレートをなんとかカットした!!カウントは2-1!!投手有利カウントは変わらず!!》
小野(ふぅ……。)
西口(コイツ…。完全にカットしにきやがった。)
大場(挑むところじゃん。)
ビュゴォォッッッ!!!!!
スットォォーーーンッッ!!!
カーンッ!!
《これもファール!!フォークボールに今度もついて行った!!これが小野晃平の真骨頂!!粘って粘って相手バッテリーにプレッシャーをかけていきます!》
西口(なんでストレートもフォークも当てられるんだ…。)
大場(内行くぞ。ピッチングの幅が狭くなってる。)
西口(そのつもりです。)
小野(俺がずっと練習してきたことだからね……。)
ビュゴォォッッッ!!!!!
ズッッバァァァーーーーンッッ!!!!
『ボール!!!カウント2ボール2ストライク!!』
《6球目のインコース直球を見極めた!!カウント2-2の平行カウントになった!!》
西口(ちっ。結局ツーツーまで来ちまった。)
大場(踏ん張りどころだ。)
《7球目!!》
ビュゴォォッッッ!!!!!
カーンッ!!
《これもファール!!あの大場のボールになんとか食らいつきます!!》
西口(なんで当てれんだよ…。おかしなことやってやがる……。)
小野(…………。)
水谷(小野先輩流石だな…。この場面であの大場にも存分に練習の成果出してる。)
小野(凄いなホント…。全然甘い球が来ない。)
カクッ!!
カーンッ!!
《8球目もファール!!大場の緩急あるカーブにもなんとか付いていった!!》
西口(なんでコイツ翔真先輩のボールにこんな付いてこれんだよ…。)
大場(根性で打ち取ってやるよ…。)
村田(…………。)
《カウントは2ボール2ストライクの平行カウントから変わらず次が9球目!!!》
ビュゴォォッッッ!!!!!
ズッッバァァァーーーーンッッ!!!!
【148km/h】
『ボール!!!カウント3ボール2ストライク!!』
《高めのストレートをよく見極めた!!大場は少しボールが上ずってしまったか!これでツーナッシングからフルカウントまで持ってきた!!》
西口(くっそめんどくせぇバッターだな……。)
《小野、抜群の選球眼で大場のボールを見極めます。ツーアウト一二塁と、ベース詰まっているのでランナーは投げると同時にスタートを切ります。シングルヒットでも同点の可能性が高いか。》
西口(ここまでかなり外角を続けました。インハイ直球で強引に押しきりましょう。)
大場(おっけぇ。)
小野(クサい球は全部カットする。ボールになるフォークもなんとか処理したい…。)
《フルカウント、粘って粘って次が10球目!!大場、セットポジションから、》
《投げる!!!!》
ビュゴォォッッッ!!!!!
西口(真ん中に入った!!)
大場(甘い!)
小野(ど真ん中!!!)
(チャンスボール!!!)
カキィィーーンッ!!!
《三遊間!!!》
小野(抜けろ!!!)
《抜ければ同点だが!?》
パシィィッ!!
《ショート慶野なんとか追い付いた!!!》
慶野(……っ!?)
《しかし何処にも投げられない!!!捕るのが精一杯でした!!小野が甘く入ったストレートを打っていって今日2本目の内野安打!!!》
佐藤『小野ォ!!ナイバッチ!!』
森『それでこそ小野だね!!』
西口(マジかよ…。)
村田(…………。)
《9回裏、1点ビハインドの名関高校の攻撃!!!ツーアウトランナー無しからライト村田の落球で出塁、そこから江本、小野の連打でツーアウトフルベース!!》
大場(試されてやがんな……。)
(野球の神様によ…………。)
小林『ナイバッチ。よくあの大場の球、何球もカット出来たな。』
小野『ハハ…。頑張ったっしょ。』
小林『何意識してたの?打席で。』
小野『うーん。』
小林『ん?』
小野『なんも考えてなかったかも。全然思い出せないや。』
小林『ハハハ!なんだそれ!流石だな!』
小野『火事場の馬鹿力ってやつ?』
《ツーアウトフルベース!!一打逆転サヨナラの場面で打席には3番ショート、2年生の水谷雄史!!》
西口『タイムお願いします。』
『『タイム!!』』
《邦南高校は連続での守備のタイム。この試合3度目の伝令です。島谷涼太が再び監督の指示を伝えにいきます。》




