No.85:名関高校エース篠田
『8回の表、邦南高校の攻撃は、6番、キャッチャー、西口くん。』
西口(しっかしこうも苦戦するとはな……。)
ビュッッ!!!
(冗談抜きに、これじゃダメなんだよ!!)
カキィーーン!!!
《初球の外角ストレートをセンター返し!!》
パシィィ!!!
西口(くそっ!!守備範囲広ぇーな!)
《ショート水谷ダイビングキャッチ!!!そのまますぐ立ち上がって一塁へスロー!!!》
『アウトォォ!!!』
《これまたショート水谷の好プレー!!ピッチャー篠田を助けます!!》
篠田『せんきゅ!雄史!』
水谷『打たせてくれれば僕達が何とかしますから!!』
篠田『おうっ!頼んだぜ!!』
佐藤『ナイスショート!!』
水谷『あざっす!』
水谷(さっきのバッティングの借りは守備で返す!)
『7番、ライト、村田くん。』
村田『西口足遅すぎだろ。』
佐藤(村田はバッティングもかなりいい。気を付けないと…。下位打線とはいえ、まだ油断できない。)
村田(くそったれ。マジで調子乗んなよ。)
ズバーーンッッ!!!
『ボール!!』
《初球は外角低めを狙ったフォークボール。これは外れてワンボール。》
村田(なんか調子狂った俺をマウンドから下ろしただけで、本調子の俺をお前らは打ってない。)
(勘違いすんじゃねえ!!)
カクッッ!!
村田(スライダー!?)
カーン!!
《インコースのスライダーに詰まった!セカンド志田が落ち着いてさばいてツーアウト!!》
村田(くっそ…。何かがおかしい…。)
《エース篠田、8回の表をテンポよく抑えます。3球でツーアウトを取ってきました。》
佐藤(よし。村田を簡単に抑えられたのは大きい。)
篠田『ツーアウトな!!』
江本『おーう!』
志田『ツーアウト!!』
『8番、レフト、平本くん。』
《ツーアウトランナー無しで打席には今日途中出場の1年生、平本 総太郎。左投げ左打ち、背番号19の選手。まず塁に出たいところ。》
平本(西口さんといい、直政といい、ちょっと篠田のテンポに翻弄された感は否めない。)
(ここは俺がじっくり……)
ズバーーンッッ!!!
『ストライク!ワン!』
《初球はアウトロー直球!ミット動かず!素晴らしいコントロールです!》
平本(変化させてくるか?)
カクゥッッッ!!!
ズバーーンッッ!!!
『ストライク!!!ツー!!』
《外角のボールゾーンから曲げてストライクを取ってきた!いいスライダーです!!》
平本(なるほどな…。コントロールはかなりのもんだ…。)
佐藤(さすが篠田。コントロール抜群。)
(これでバッターはゾーンを広げざるを得ない。)
平本(追い込まれはしたが、幸い球威は無い。三振するようなボールじゃないし、監督の指示通り逆方向意識でいい。)
《ツーナッシングと追い込んでからの3球目!!》
ビュッッ!!!
平本(真ん中やや内寄り!!)
カクゥッッッ!!!
平本(いや、スライダー!?)
《インコースを攻めた!!!》
平本(打てる!!)
カキィィーーーンッッ!!!
《打ったぁぁっっ!!この打球はライトの横!!》
『フェア!!!』
《落ちた!!これは長打になりそうだ!!バッターランナー平本は二塁を回ったところでストップ!!》
《ツーベースヒット!!内角を抉ってくるスライダーを見事弾き返しました!!邦南高校は再び勝ち越しのチャンス!!》
川越(逆方向をしっかり意識したからこそ、今のインコースにも右肩が開かず、フォームを崩さず打つことが出来た。ひとつ平本にとって自信になったんじゃないか。)
平本(よし。うまく打てたぞ。これで得点圏…。)
佐藤『しゃーねぇしゃーねぇ!ここ抑えてこ!』
篠田『おう!!』
『9番、センター、藤武くん。』
《ツーアウトから途中出場の平本がライト線際へのツーベースヒットでツーアウトランナー二塁!!勝ち越しのチャンスで打席には2年生、藤武 将希!!両打ちなので今度は左バッターボックス!!》
篠田(1番には回したくない。ここで切る。)
佐藤(投げ急ぐなよ。)
《同点にした次のイニングだけに、この回は絶対に失点したくない名関は守りきることができるか!!》




