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No.83:振らなきゃなんも起こらない

《7回裏、1点ビハインドの名関高校はツーアウト満塁のチャンス。ここで打席には2番の小野晃平。》


________________

小野 晃平 3年 神島中出身

大会通算成績

打率.400(5-2) 0本 0打点 4盗塁

本日の打撃成績

四球 死球 犠野選

________________


《打席の小野、今大会は打数こそここまでわずか5ですが、その粘り打ちのスタイルで7つの四死球を奪っています。》



《今日は3打席全て出塁。1打席目では10球粘ってフォアボール、2打席目は9球粘ってデッドボールと先発の村田の嫌がるようなバッティングをしてきました。大場とは当然初対決。》




大場(こういうバッターに小手先の技術は要らない。)




《さぁ注目の対決の初球!!》




小野(俺らしく攻める!)





ビュゴォォォォォォッッ!!!!


小野(えっ!?)



ズッッバァァーーーーンッッ!!!!





【152km/h】






『ストライク!!!』




『『『ウオオォオォォオオォオォ!!!』』』






《自己最速152キロ!!渾身のストレート!!》




小野(やば……。)


西口(ほんとに手首怪我してたのかよ。って感じだな。)




《2球目!!》





ズッッバァァーーーーンッッ!!!!





『ボール!!』



小野(速すぎ…。今のも入ってたら確実に振り遅れてた…。)



《2球目は外に外れた!!小野が見送ってボール!!》





小野(このストレート……。)






(これが……、)







“大場翔真のボール……。”





《3球目!!!》






ビュゴォォォォォォッッ!!!!





小野(低い!?)






ズッッバァァーーーーンッッ!!!!



【148km/h】



西口(良いボール来たが……?)


『ボール!!カウント2ボール1ストライク!!』




西口(ボール1個分外だったか。)



小野(明らかに低めのボールかと思ったらめっちゃノビてきた…。)


《アウトローへのクロスファイヤーは僅かに外れてボール!!カウント1-2のバッティングカウント!!》




西口(次はカウント欲しいですよ。小野ですし。)


大場(おうよ。)




小野(でも…カウントはワンツー。次がボールならフォアボールもある。)




《4球目!!!》





ビュゴォォォォォォッッ!!!!




カクゥッッッ!!!





ズッッバァァーーーーンッッ!!!!





【135km/h】




小野(フォーク…。)






『ストライク!!カウント2ボール2ストライク!!』




《カウントを取るフォークでストライクを取ってきた!!変化量を自由自在に操る大場のフォークボール!!落ち着いてカウントを整えます!》



西口(さすが、ストライク欲しい場面できっちりストライク安定して取れる。やっぱエースは違う。)




《小野は4球全て見逃しで追い込まれた!!このチャンスを逃したくないところ!!》




小野(フォアボールを期待した所でそれは相手依存…。気持ちで負けちゃダメだ。)




(大場から連打が出るとは到底思えない。このチャンスを逃せば試合の流れ的にもこのまま邦南に押しきられる。)





(フォアボールは要らない。ここで俺が大場を……)





“打つんだ!!”





カーン!!





【149km/h】





西口(当てた……?)

大場(ほう。)




《外角への149km/hストレートをしっかりとスイング!!これはファールでカウント変わらず!!》



小野(当たる……!行けるぞ!)



西口(今までとは全然スイングが違ったな。フルスイングしてきた。)

大場(やってやろうじゃん。)




小野(ここはフォアボールなんて狙っちゃダメだ押し切られる。)





ビュゴォォォォォォッッ!!!!




《インコースを攻めた!!!》


西口(決まったろ!?)



カーン!!


大場(な…。)





『ファールボール!!』





《インコースのストレートになんとか食らいついた!!ファールでまたもカウント変わらず!!次が7球目!!》



大場(やってくれんじゃんよ。)

西口(1回冷静になりましょ。ここまでストレート意識してくれてます。フォークで行けば安全です。)

大場(わかった。)




《大場がサインに頷きセットポジションに入ります。》




小野(絶対に打ってやる!)




ビュゴォォォォォォッッ!!!!




小野(真ん中低め!!)




カァァクゥゥッッ!!!




小野(フォーク!?)





(マズい!!空振り……!?)






(当たれ!!!)






カーン!!!



大場(当てた!?)


西口『サード!!』




《これはサード氷室へのボテボテの打球だ!!》



西口(打球が死んでる!?)




氷室(早くしねえと……!)





《バッターランナー小野は俊足!!!》



小野(セーフになるんだ!!絶対セーフになるんだ!!)




氷室(アウトにしなきゃダメなんだ!!)




《サード氷室がダッシュしてすぐ一塁へスロー!!!》






《タイミングは微妙!!一塁ベースを小野が駆け抜けた!!》



西口(……。)

大場(………。)

氷室(……。)










『『セーフッ!!セーフ!!!』 』




『『『ウワァァァァアアアァァ!!!!』』』






小野『よっしゃ!!!』



《一塁はセーフの判定!!!同点!!同点!!名関高校再び同点に追い付いた!!ツーアウト満塁から2番小野の執念の内野安打!!!》



西口(打ち取ったのに…。あの打球ヒットにされちゃうかよ…。)




氷室(再開後砂を入れたとはいえ、さっきの雨で大分グラウンドの土も湿っててもともとボテボテの打球が全然転がってこなかった…。)



《グラウンド状況も悪い中、懸命にサード氷室が処理しましたがしかし!!ランナー小野の足が速かった!!!》




大場(今のはしゃーねぇ。切り替えなきゃな。)




小野(良かったぁ……。)



佐藤『雄史も小野みたいにね。』


水谷『はい。振らなきゃなんも起こらないってやつっすね。』


佐藤『そ。俺達が攻撃で1番大切にしてること。』


水谷『僕も小野先輩みたいにしっかりスイングしていきます。』




『3番、ショート、水谷くん。』




《7回裏、2対2の同点に追い付いた名関高校は尚ツーアウト満塁の勝ち越しチャンスで打席には先程村田からヒットを放っている3番水谷!!この打席で主軸の役割を全うすることが出来るか!!》




水谷『打つ。絶対打つ。』




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