No.79:失うものは何も無い
『5番、サード、氷室くん。』
今大会成績
氷室 佑介 2年
打率.778(9-7) 0本 5打点 1盗塁
《大場のレフト前タイムリーで2対1と1点をリードした邦南は1回戦2回戦で合わせて7打数連続ヒット、9打席連続出塁を記録した5番氷室を打席に迎えます。》
氷室佑介 本日の打撃成績
1:左飛 2:中飛 3:死球
《しかし今日は2打数ノーヒット。ここで1本打つことができるか。》
佐藤『元ちゃん、まだ1点取られただけ。切り替えてここズルズル行かないようにしよ。』
森『分かってるよ。俺がそんなヘタレだと思ったの?』
江本『練習でしてきたことするだけだもんな!元ちゃん。』
森『そういうこと。行くよさっとう。』
佐藤『よし!絶対抑えよ!』
各務『監督からの指示はホームゲッツー。』
水谷『1点差で止めましょ。絶対に僕も勝ちたいッス。』
志田『アツいね。』
佐藤『ここ抑えて、裏の攻撃に繋げるよ。』
『『絶対抑えるぞ!!!!』』
『『『おっしゃぁぁぁぁっ!!!』』』
《名関高校、今日2度目の守備のタイムを使いました。残すはあと1度です。》
氷室(前進守備ね…。)
《この回1点を失った森は続投。この場面を凌ぐことが出来るか。》
森(やることはひとつ。)
《さあ初球、セットポジションから》
森(この対角線のボールを活かす!!!)
氷室(近い!!)
ズバンッ!!!
【112km/h】
『ストライク!!ワン!!』
《これも素晴らしいボール!!大場に先程打たれたクロスファイヤーのストレートですが、この角度!!右打者には少し厳しいボールか!!今日最速の112キロ!!バッター氷室も思わず仰け反るような厳しいインコース!!》
氷室(森くん…当てるの怖くねえのかよ…。)
佐藤(こっちには引く余裕なんて無いからね。)
森(俺達は挑戦者。)
“失うものは、何もない!!”
“攻めて攻めて攻めまくる!!!”
ビュッッ!!!
《これもインコース!!!》
氷室(挑むところだ!!!)
小宮(バカ!そのボールは力を抜かないと!!)
佐藤(インコース攻めの意識で肩が開いた!!)
カキィィーーーンッッ!!!
パシィィ!!!
《これは前進守備の江本の正面!!!》
佐藤『バックホーム!!!』
江本『おうよ!!』
《これはホームゲッツーを狙う!!本塁はアウト!!キャッチャー佐藤が一塁へスロー!!!》
『アウトォォ!!!!』
氷室(………。やられた…。)
《ホームゲッツーをここで決めた!!!!大きな大きなダブルプレー!!!邦南高校はこの試合うまくチャンスを生かしきれません!!氷室は今日2度目の満塁での打席でしたがこの打席もブレーキ!!森を捕らえきれません!!》
佐藤『よし!この回を1点だけで乗り越えたのは大きい!』
江本『ナイピッチ。元ちゃん。』
森『江本もね。ナイスサード。さすがの守備だね。』
江本『楽勝楽勝。さっ!バッティング行こーぜ!』
佐藤『取られたら取り返す!』
小宮『佑介、切り替えね。まだ試合は終わってないし、勝ってるんだから。』
氷室『うん。すまん。』
西口『勝ってんのはこっちだ。落ち込まなくていいぞ。』
邦南|100 000 1
名関|000 001
川越(もっとこの回は取らなければいけないイニングだった。)
遠藤(この回は正直点を取られてはいけないイニングだった。)
《7回裏、名関高校の攻撃は、6番、ライト、青山くん。》
(大事なイニングになる。)




