No.48:両投手の立ち上がり
西口(ツーアウト二塁で小泉だが、村田のボールはかなり走ってる。低く攻めていけば痛打されるリスクはかなり低い。)
(いいか、わかってんな。低めだ。低め。)
村田(はいはい。)
《村田が第1球、セットポジションから小泉に投げる!!!》
ビュッッ!!!
西口(バカ!!)
村田(やべっ。)
小泉『甘い!抜けた変化球!!』
西口(持ってかれる!!)
カキィィーーーンッッ!!!!
村田(!!)
《捕らえた!!!》
パシィィッッ!!!!
西口(………。)
(助かった………。)
《しかしこれはサード氷室正面のライナー!!4番小泉、打球は素晴らしかったんですが不運にも野手正面の当たり!!》
西口『馬鹿か。低くこいっつってんだろ。』
村田『わりーって!わざとじゃねーよ。』
西口『二瓶に打たれたのも、小泉へのボールも両方抜けた真ん中近辺のスライダーだ。両方ともスタンドインでも可笑しくねーボールだぞ。』
村田『次からは低めに抑えるって。』
小宮『まぁまぁ。何はともあれ夏の大会初登板の初回を無失点で抑えたんだし、そんなピリピリしないの。』
西口『いやでも内容が悪い。』
小宮『村田くん、ナイスピッチ!』
村田『チィーッス!あざっす!』
西口『ったく……。哲都は優しすぎんだよ。』
小宮『次のイニング以降も頼んだよ!』
村田『うぃ!そう言われるとやる気になるぜ!』
西口『はぁ。』
《1回の裏、邦南高校の攻撃は、1番、ショート、慶野くん。》
小宮『拓磨は焦りすぎ。もっと彼の特徴掴まないと。』
西口『なんだよ。』
小宮『直政はあんまりガミガミ言い過ぎると逆効果だよ。ほどほどに足伸ばせてあげないとどんどん悪くなるよ。』
西口『キャッチャーとしてはさっきのイニングは納得いかないピッチングだったけどな。』
小宮『それは本人だってわかってるよ。多分ね。』
西口『さぁな。アイツがそこまで考えてるとは思えん。』
カキィィーーーンッッ!
『『おっしゃーっ!先頭の仕事っすね!』』
『『ナイバッチ!!』』
小宮『じゃ、僕ネクストだから。』
西口『おう。まずは先制点、取って楽に試合を進めたいな。』
コン!
《これは2番林の素晴らしいバント!!きちんと決めてワンナウト二塁!!先制のチャンスを迎えた邦南高校!ここで打順はクリーンナップに回ります!》
『3番、ファースト、小宮くん。』
《打席には右肘の故障で今大会は左投げとして登録されています、左投げ左打ちの好打者小宮哲都。マウンドには覚王山のエース十川。》
木暮(厳しいとこ突いていくぞ。竜之介。)
十川(おうよ。)
小宮(先制のチャンス。逃さない。)
十川(さぁて、こっからが本番だな。本気でやべぇ奴等だ。)
小宮(球速もやっぱり135キロ弱くらい。コントロールはまあまあかな。)
十川(鋭い目付き。綺麗なバッティングフォーム。)
(抑えてやる!)
ビュッッ!!!
木暮(ナイスボール!!)
ズバァァーーンッッ!!!
『ストライク!!ワン!!』
《初球はアウトローギリギリへのストレート!!》
小宮(今のは仕方ない。)
氷室『哲都!後ろに繋ぐ気持ちでいいぞー!』
ズバァァーーンッッ!!!
小宮(これは………?)
『ストライク!!ツー!!!』
十川(よし!)
《アウトローを2球続けて一気に追い込んだ!!素晴らしいボールに小宮手が出ません!!》
小宮(高校野球独特の外角のこのコースはちょっと厳しいかな…。)
《さぁカウントツーナッシングと追い込んだ覚王山バッテリー!次の1球は!?》
木暮(投げ急ぐな。丁寧にな。)
十川(うす。)
小宮(追い込まれたからにはクサいとこはカットしないと。)
ビュッッ!!!
ズバァァーーンッッ!!
【134km/h】
『ボール!!』
《これは外に外れてボール!!カウント1ボール2ストライク!!》
小宮(ストレート3球続けてきた。)
木暮(これでいくぞ。腕振ってけ。)
十川(おぅし。)
《第4球、投げる!!》
ビュッッ!!
小宮(これは遠い!3球目と同じボール!!)
カクッッ!!
十川(これキタだろ!?)
木暮(素晴らしいボールだ!!)
小宮(スライダー!!これもしかして)
ズバァァーーンッッ!!
小宮(入っ、ちゃった?)
『ストライク!!スリー!!』
十川『おしゃぁ!!!』
《見逃し三振!!!小宮4球全て見逃し!!十川の外角攻めにバット出ず!!》
小宮(外角のボールからストライクになるスライダー…。うーん、やられた。)
木暮『4球とも全部ナイスボールな!!』
十川『おし!ツーアウト!!』
西口(哲都の見逃し三振は久々に見たな。)




