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No.44:アホとクソ

──────月曜日の放課後


 野球部は多目的室でミーティング。理由は当然2回戦で当たることになった覚王山(かくおうざん)高校の分析をするためだ。



秋大会名古屋地区Bゾーン

◯覚王山 6 vs 2 東別院●

●覚王山 3 vs 9 日赤中村◯

◯覚王山 10 vs 5 大森工業●

●覚王山 1 vs 3 市立香流◯

一次予選敗退



名古屋市内県立大会

◯覚王山 9 vs 7 宮下第一●

●覚王山 2 vs 3 上社西◯

2回戦敗退



春大会名古屋地区Hゾーン

◯覚王山 9 vs 1 北陽水産●(8回コールド)

◯覚王山 3 vs 2 虹ヶ丘●(延長12回)

●覚王山 2 vs 13 中部翔洋◯(5回コールド)

◯覚王山 1 vs 0 虹ヶ丘●

春大会二次予選

●覚王山 0 vs 9 雲英◯(7回コールド)

二次予選1回戦敗退





西口『データだけ見ると天白西よりはちゃんと野球できそうだな。』


氷室『春シード権獲得した中部翔洋との試合では5回コールドの完敗か。ついでに雲英(きら)みたいな私学にも完敗。』


西口『あぁ。その辺の弱小校を勝ち抜く力はあるっぽいけど、レベルが上がると手も足も出ない感じか。』


藤武『言ってみれば中の下、下の上らへんってこと?』


小宮『ちょっとちょっとそれはなめすぎじゃない?1回戦は確かに自分達のペースで完璧に試合運べたけど、それで調子に乗っちゃダメでしょ。』


西口『ごめんなさい。』


藤武『哲都の言う通りだな。』



川越『お前らはもう1回戦をじっくり観戦させてもらったからイメージできてると思うが、先発はおそらくエースの十川(そがわ)。右のスリークウォーターハンド。打線はそこまで良いわけではないが、3番の二瓶(にへい)はその辺の公立校にしてはかなりいいバッターだ。強豪私学でも打撃だけならレギュラーは張れるだろう。』



西口『アイツは昨日の試合でも右に左にいい打球飛ばしてたな。』


小宮『うん。スイングスピードもかなり速かったし。それゆえボールを長く見れるからボール球はあんまり振ってこない。ストライクゾーンで勝負したいけど甘くなったらやられる、そんな感じかな。』



川越『エースの十川はストレートとスライダーの2球種。最速は130キロあるかないか。スライダーも悪くはないが、大会を見渡してみても、もっと良い投手はたくさんいる。ここで手こずっていてはそれまで。』



林(せやな。間違いないわ。)


酒井(130キロ位だしね。直政のが全然速い。)



川越『注意するのはチームの核と言って良い3番二瓶。こいつを調子付かせずきっちり抑えれば相手に主導権は握られない。次の日曜日、2回戦の先発は、』





『村田に任せてある!しっかり抑えてこい。』




村田『アイアイサー!』



酒井『良かったな。直政。やっと念願のマウンドじゃん。』


村田『まっかせなさーい。』


林『炎上したら3年間延々といじったるで。覚悟しぃや、アホヅラ。』


村田『お前は敵なのか味方なのかどっちだ!クソ関西人!』


林『誰がクソやて!?アホヅラ!』


村田『お前のことだ!クソ関西人!』


酒井『まぁまぁ!!喧嘩は止めなって!ミーティング中だよ!』


林『逸也はんに免じて許したるわ。感謝せい。アホヅラ。』


村田『それはこっちのセリフだ!クソ関西人。』



西口(コイツら…。)




(二人ともアホでクソだわ…………。)





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