No.4:春の陽射し
キーン!コーン!カーン!コーン!
村田『相変わらずマジあの校長話長すぎ!頭おかしいよあのハゲ!』
酒井『まあ言いたい気持ちはわかる。』
村田『始業式の次は何!?早くグラウンドに行きたいんだけど!』
酒井『うーんと、ホームルームだった気がする。』
村田『だぁー!また先生の話かよ!』
***
村田『A組の教室遠い!ふざけんな!』
酒井『さっきから文句しか言ってねえな。』
村田『やっとついた。あーめんどくさい。』
酒井『この教室寒いなー。まだ春先だからか?』
村田『知るか!』
『あっ!君達野球部の人達じゃない!?』
村田『ん?誰?』
酒井『あっ!君は!確か…原田くん?野球部入部希望者の!』
原田『原田優太だよ。自己アピールでは1番目に喋ってた。同じクラスだね。よろしく。』
酒井『よろしく。』
村田『おー!野球部かー!よろしくよろしくー!!どっかの関西人と違って優しそうでいい感じ!』
原田『村田くんと酒井くん…で合ってる?』
村田『イエッサー!村田直政!』
酒井『酒井逸也。今日から練習よろしくな。』
酒井『何て呼べばいい?普通に優太でいいか?』
原田『全然それでいいよ。二人も下の名前でいいよね?』
村田『オッケーオッケー!』
原田『僕もピッチャーなんだけど、直政もピッチャーなんだよね?』
村田『おーそうだ!優太もピッチャーか!ま、俺がいるから俺らの代ではエースは無理かな!エースナンバーは俺のもん!』
原田『ははは。僕だって負けないからね!』
酒井『直政は昔からこういう調子こいたやつだから気にしないでおいてな。』
原田『入学早々ライバルが出来てうれしいよ。』
酒井『ほぉー!ライバル宣言きた!』
村田『ムリムリ。俺最強だもん。全国で投げてるもん。黒シャーも倒してるもん。』
原田『中学では確かに普通の野球部で投げてたくらいだし実績では劣るけど…いつか絶対エースナンバー奪うから!決めた!』
村田『無理だってばー。俺がいたのが運の尽き。』
酒井『まあ、直政もそう言わず、二人で切磋琢磨していこーぜ。』
***
キーン!コーン!カーン!コーン!
『はい!チャイムも鳴ったことだし、今日はこれでおしまい!学級委員も決まったことだし、学級委員の酒井くん、号令お願い。』
原田(逸也はしっかりものなんだなぁ~。)
村田(マジなんで学級委員とかやっちゃってんの。)
酒井『起立。気を付け。さようなら!』
『『さようなら!!』』
『なあ!今からスタバいこーぜ!』
『賛成!!』
『私も行くー!』
村田『みんな高校生活満喫してるな。』
酒井『羨ましいの?』
村田『べっ!別に羨ましくなんかねえよ!俺はさっさとエースナンバーを大場から奪って甲子園で投げるんだよ!』
原田『まずは監督にしっかりアピールしないとね。』
酒井『よし!練習に行くぞ!』