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No.3:穏やかな桜景色

『まず俺の自己紹介からだ。名前は川越(かわごえ) 啓造(けいぞう)。今年からここ邦南で監督を務めることになった。今まで監督はやったことない分、監督としてはお前ら新1年生と同じだ。』



林(享神高校でエースで4番として甲子園優勝経験のあるタチやからな。あの人……。やっぱオーラあるわぁ。)


川越『まずお前ら。マウンドに集まれ。2、3年も集める。』


『『ハイッッ!!』』



川越『慶野。指揮れ。』


??『はい。』



酒井『?』




慶野『新入生の皆さんはじめまして。邦南野球部キャプテンの慶野(けいの) 文哉(ふみや)です。去年の夏はセンターやってて、新チームからは内野にも挑戦してます。このチームは、ご覧の様に部員が今まで足りなかった。故に実践経験が少ない。これは、どういうことか?』



『1年生の誰にでも、夏のスタメンを勝ち取るチャンスがあるってことです。7人しか、俺らは居ないから、この中で少なくとも2人は夏の大会に出てもらうことになる。上級生からスタメンを奪えばもっと出られる。勿論、俺らも譲る気はさらさらない。だが、1年生といえども遠慮せず、潰すつもりでかかってきてください。』


酒井(絶対出たるぞ……。夏……。)



慶野『ってことで今から一人ずつ、マウンドにいって大声で名前、投打、希望ポジション、出身チーム、アピールポイントを叫んでな。よろしく。』



林(ほー。いきなり。でもアピールにはもってこいやな。)



慶野『んじゃ、ちょうど一列になってるみたいだし、そこの左の子から順番に行こうか。』



『はい!』




林(身長は170センチくらいか?あんまゴツくもないんやけど、顔が引き締まっとんな。)




『僕の名前は原田(はらだ) 優太(ゆうた)です!!右投げ右打ち!!東郷中央中学出身!!希望ポジションはピッチャー!!スタミナと根性には自信があります!!』




『おっ。いきなりピッチャー。』

『だな。だけど普通の中学上がりって感じ。あんま期待できなさそう。』


『拓磨は厳しいねえ。1年生なんだからもうちょい優しい目で見てあげよ。』

???『ははは。そうだな。即戦力投手の欲しさについ厳しい目になっちまう。アカンな。』



慶野『はい次。』


『はい!』


酒井(背ちっちゃ!)


村田『リトルリーグかよ!』


酒井『バカ!声に出すな!』




小野崎(おのさき) 恭也(きょうや)!!右投げ左打ち!!希望ポジションはセンター!!三重の鈴鹿西クラブ出身!!アピールポイントは走塁と守備!!体がデカイだけのやつには絶対に負けたくありません!』




川越『……。』




森山(もりやま) 光成(みつなり)!!北星中出身!!左投げ左打ち!!希望ポジションはファースト!!アピールポイントはバッティングです!!よろしくお願いします!!』



『佑介。こいつ結構体でかくね?』

『そうだねー。でもウチのファーストは固定だし、代打でチャンスあるかもね。』




『林大騎!!右投げ右打ち!!大阪の浪速ファイターズ出身!!希望ポジションはショート以外の内野ならどこでもええです!アピールポイントは走攻守全部です!!』



酒井『ショート以外……?あいつシニアではショートじゃなかったか?』

村田『けっ。生意気な気取りマンだぜ。』

酒井『なんでイライラしてんだよ。』

村田『俺のことアホヅラとか言いやがって……くっそぉ……!』

酒井(結構根に持ってんだな。)



川越(……。)



『アイツだよ。全国ベスト4で3番ショートのやつ。』

『U-15日本代表の林大騎。中学通算打率は5割2分4厘。1年の中で1番注目のやつ。』




滝澤(たきざわ) 成吾(せいご)です!愛知フラッシュボーイズ出身!!右投げ右打ち!!希望ポジションはセカンドです!!守備力には自信があります!!』








酒井(さかい) 逸也(いつや)!!!名古屋中央シニア出身!!右投げ左打ち!!中学時代はキャッチャーをやっていました!!アピールポイントはミート力とリーダーシップです!』




『おっ、拓磨。ライバルきたね。キャッチャーだってさ。』

『夏のスタメンを譲るつもりはさらさらねえよ。』




村田(むらた) 直政(なおまさ)だ!!!名古屋中央シニア出身!!右投げ左打ち!!希望ポジションは勿論ピッチャー!!アピールポイントは投打全部!!目標は今年の夏にエースナンバーを大場から奪うこと!!』


酒井(バカ!!呼び捨てはまずいって!!)


ザワ…ザワ…ザワ…


村田の自己アピールで上級生達がざわつく。



『アイツ…いま呼び捨てだったよな…。翔真先輩のこと…。』

『うっひょー。スゴい大胆な子来たね。』

『アイツどんだけ自信満々なんだよ。俺らがもしその辺の私学強豪校のやつらだったらボコボコやぞ…。』


慶野『だってよ。翔真。少しは骨のありそうな1年坊が入ってきたんじゃね?』

??『口だけでエースは背負えねえよ。エースってのは、そんな軽いもんじゃない。』


慶野『…まぁな。』

(あの日、お前自身が痛感したんだもんな。)





林『ほんまアンタはいつでもどこでもアホ丸出しやな。ここで先輩呼び捨てはどう考えてもヤバイっちゅーねん!』


村田『あ?うるせえこの関西弁野郎!』


酒井(これ以上俺直政と絡んでたら俺まで先輩に目を付けられそうで嫌だなー。後でシバこ。)





 その後他にも多くの入部希望者が自己アピールを行った。果たしてこの中から誰が夏の大会のベンチ入りを果たし、誰が夏のスタメンを勝ち取るのか……



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