No.23:西口の言葉
キーン・コーン・カーン・コーン!
校内にチャイムが鳴り響く。授業終了の時間だ。
『はい!今日は特に連絡ありません!気を付けて帰ってね!』
『『さようならーっ!』』
酒井『よし、練習行くか。』
原田『だねー!』
『あのォ……。』
酒井『ん?どうしました?』
『同じクラスの坂本 結衣です。突然だけど野球部ってマネージャーとか募集してる?ウチ結構興味あるんだけど…。』
酒井『あ、募集してると思うよ!一緒にグラウンド行ってみる?話聞くだけでも良いと思うし。』
結衣『うん!行きたい!』
酒井『よし決まり!ついてきて!優太も行くぞ!』
原田『おっけー!』
ガツーンッ!!!
村田『は!?誰だ!?』
佳奈『起きなさいよ~。直。』
村田『またお前コンニャロ……、はっ!?』
佳奈『授業終わってみんなグラウンド向かったよ。いつまで寝てんのよ。』
村田『マジ!?なんでみんな起こしてくれねーんだよぉ!』
佳奈『仕方ないから私が起こしてあげたじゃない。感謝してね。』
村田『今回だけはナイス!マジナイス!じゃあな!』
佳奈『もう。ありがとうの一言くらい言えないのかな?』
***
グラウンドにて。
川越『野球部を見学?歓迎だ。ゆっくり観ていってくれ。』
結衣『はい!ありがとうございます!』
川越『ちなみになぜ野球部のマネージャーを?』
結衣『私の兄貴が高校野球やっていて、去年の夏の大会観て、私もこの世界で一生懸命もがいてみたいな!って思ったんです!』
川越『なるほどな。良い理由だ。兄貴はいくつだ?』
結衣『3つ上です。今は大学1年生で…。』
***
ズバァァーーーンッ!!
酒井『ナイボール!走ってんじゃん!』
村田『だろ?俺は日々進化する。ハハハハ!』
酒井『調子に乗るな!』
ズバーンッ!
西口『もっと腕を振り切れ!ブルペンから置きに行ってなにになる?』
原田『はい…。』
西口(…ったく……。)
『原田!来い!』
酒井(西口先輩が優太を呼んだ…。)
村田(怒られんのか?)
原田(なに言われるんだろ…。)
西口『なあ、お前さ、今のままでいいの?』
原田『え…。』
西口『最初から皆が皆、上手くいってると思うなよ。』
ズバーーンッッ!!!
酒井『ナイボール!!その球だ!』
西口『アイツはレアな例だ。誰だって始めは失敗するもんだ。』
『ここで逃げたら、お前は一生逃げ腰がつくぞ。』
原田(………!)
西口『まずは自分の失敗を見直してみたらどうだ?このままの意識で練習してもお前は3年間村田の控えで終わるだけだ。』
原田『……はいっ!』
西口(ったく…。ピッチャーにしては性格が軟弱と言うか、優しいと言うか…。)
ズバーーンッッ!!
村田『どうよ!?』
酒井『オッケー!』
村田『おい西口!今のどう!?』
西口『タメ語やめろ。ぶっ殺すぞ。』
村田『まあまあ、そう堅いこと言うなって!』
西口(村田と原田…。こいつら両極端すぎんだろ…。)
原田(西口先輩、普段は怖いけど、こんな僕にもしっかりアドバイスくれる…。いい人なんだ…。)
西口(あーは言ったが、実際、)
ズバーーンッッ!!!
酒井『いいスライダーだよ!ナイボール!!』
(村田が怪我でもない限り次の代では絶対的エースだろうな…。あんま褒めたくはねえが実力が1年離れしてる。)
『よし来い!原田!』
スパーーンッ!
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高校紹介のコーナー
(都立)光山高校:東東京
昨夏、都立勢史上初の甲子園ベスト4、今春も当然史上初の甲子園準優勝。都立の星。
昨夏は甲子園で邦南と対戦することは無かったが、決勝で邦南が屈した啓稜学院(大阪)相手に準決勝で延長10回の死闘を演じたのは記憶に新しい。
エースの舞野 駿太郎、正捕手かつ3番打者の綾田 徹、4番の春川 冬史の3人はともに1年からチームの軸で現在西口達と同じ2年生。
エースの舞野はピンチに強く、気迫溢れるピッチングで仲間を鼓舞する。昨夏今春と全試合完投のタフネス右腕。




