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No.103:直政の意志

 7月22日 敗北から2日


西口『低く来い!!』





ズバァァーーンッ!!!




西口(…………。)





『どうした?村田。まだ疲れてんのか?』




村田『別に。早く球返せ。』



西口『ったく……。いつまでも凹んでんじゃねーよ。』

村田『は?うっせーな。凹んでねーっつーの。』

西口『なんだお前。マジで。さすがに調子に乗りすぎてんぞ。』

村田『乗ってねーって!なんなんだよマジで!』

西口『あのな。みんなもう切り替えようとしてんだよ。お前だけだぞ。村田。』

村田『うるっせえな!』

西口『お前はどう思ったんだよ。』


村田『……は?』



『一昨日の試合、負けてなんも思わなかったんだな。』


村田『……その話すんじゃねぇよ。』



西口『逃げててもどうにもならんだろ。いつまで逃げる気だ?なぁ。』


村田『…………。』


『いつまで逃げる気だって聞いてんだ!!!!』


『答えろよ!!!!!』




村田『その話はやめろ……って。』




西口『どこ行くんだ?まだ俺の質問に答えてないんだけど。』


村田『帰る。』



西口『……、あっそ。勝手に帰れよ。』


村田『おうおう。帰る帰る。じゃあな。』


西口『早く帰れよ。戻ってくんな。』


村田『あぁ。今までお世話になりましたわぁ。』






小宮『ちょっと何揉めてんの!?』


西口『()っとけ。夏のショックを引きずってんだよ。んで、気ぃ抜けた球投げてっから言っただけ。』


小宮『……ったく。拓磨も言い過ぎたんじゃないの?』


西口『別に。俺は一言も間違ったことは言ってない。』


小宮『秋の一次予選もあと3週間無いんだよ。』


西口『あんなの居てもチームの雰囲気悪くするだけだ。帰りたきゃ勝手に帰ればいいし。やる気無いのに居たってはっきり言って邪魔だ。』


小宮『そうだけど言い方ってもんがあるっしょ。彼ほんとに帰ってこなかったらどうすんの?』


西口『このまま辞めるならその程度ってことだろ。残ってても役には立てねえよ。足手まといになるだけ。』




『何にせよ、あいつ自身が必ずあの敗北からは向き合わなきゃならねえんだ。あいつの意志がそうなら、仕方ねえよ。』







************


野球部の練習から勝手に帰った村田の帰路。




村田(死ねっ。死ねっ。ほんとうぜぇな。なんなんだよアイツ。)






佳奈(えっ。直じゃん……。こんな時間に……。野球部今日は練習終わるの随分早いなぁ……。)





“頼むから関わらないでくれ。ほんとにウザい。”




佳奈(…………。はぁ……。あんなこと言われちゃったし、ウチほんと悪いことしちゃったな……。謝りたいけど、うーん……。)




(あっ!時間やばいんだった!早く学校行かなきゃ!練習遅れちゃう!)





……



(ふぅーっ!なんとか間に合った!ってかむしろ余裕?)





(あれ?野球部……昼休憩中?えっ、さっき直、家の近くに…………。)





『……だからさ。滝澤も中学時代少しやってたんだろ?』


『少しだけな。』


『じゃあ今日の練習後ちょっと投げてみない?俺受けるからさ。』


『いいよ。』





『逸也くんっ!』


酒井『斎藤さん……?夏休みは初めて会ったね。どうしたの?』


佳奈『……直、いる?』


酒井『あぁ。アイツ今日なんか練習中なのに勝手に帰りやがってさ。先輩と少し揉めて。』


佳奈『えっ!そうだったの!?』


酒井『うん。この前の試合、3年生の最後の夏を自分が終わらせちゃったの、引きずってるっぽくてさ。それ関係でさ。俺も一緒に帰るとき色んな話題するんだけど全部無視。ここ3日ずっとおかしいんだよ。』



佳奈『……やっぱりそうなんだ…………。』


酒井『斎藤さんもなんかあったの?』


佳奈『あっ、いやいや、私は何にも無いんだけど、ね?』


酒井『直政と家近いんでしょ?』


佳奈『近い、けど……。』



酒井『あっ、だったら今日の帰り家寄ってこれ渡しといてくれない?俺今日帰り接骨院行かなきゃいけないから遅くなりそうでさ。 』


佳奈『えっ、良いけど……、ウチ、直の家分かんない……。』


酒井『えーっと、斎藤さん若山中だよね?』


佳奈『うん。』


酒井『若山中の近くのでっかい交差点あるじゃん?そこをお寺の方に大分真っ直ぐ行ったところに公園あるじゃん?ここまでわかる?』


佳奈『うん。分かるよ。』


酒井『その公園の花畑の裏に村田って表札の家あるから。そこがアイツんち。たぶん分かりやすい場所だと思う。』


佳奈『わかった。7時くらいになっちゃうかもだけど、いい?』


酒井『全然大丈夫。ありがと。』


佳奈『全然平気!あっ、ウチも午後練まで時間迫ってるからまたね!』


酒井『はいはーい。』






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