表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/665

No.101:衝突

 7月20日。

邦南野球部が3回戦敗退した日。



ピーッ!!ピーッ!!


美月(みづき)もっと走れ!!恭子(きょうこ)も!!走らない選手は使わないぞ!!』



(はぁっ……。はぁっ……。)



______________


カキィィィーーーーーンッッ!!!!




(えっ……。)






『『ウオォォオオォォォオオオォォオォ!!!!!』』





(そんな…………。そんな…………。さっきまで、ほんの一瞬前まで勝ってたのに…………。)





『マジで?』

『初めて応援来たのに負けちゃったんだけど…。』

『まだ3回戦だよな?』




『『応援、ありがとうございました!!!』 』




『直っ!』

『佳奈。』


『先輩…。でも……!』


『今1番責任感じてるのはあの子。あたしたちが出る幕じゃないよ。』


(………………。)




(大丈夫……?すっごい辛いんじゃない……?)

________________



『『佳奈!!!』』



佳奈『はっ、はいっ!』




『今フリーのスペース空いたじゃない!なんで動かないの!?』



佳奈『すいません!』



『さっきからパスミス多いし、今のも周り見えてないしで、どうかしたの?全然集中出来てないんだけど!』


佳奈『だ、大丈夫です!次は……』


『1年生とはいえ、今年のチームの中心のアンタがそんな練習してたらダメに決まってるじゃない。自覚あるの?練習やって、野球部の応援して、その後また練習してるから疲れてるのも分かるけど、それはみんな同じなんだよ?』



『すいません!!』



『もういいよ今日は。外行って外周してきな。練習終わるまで帰ってこなくていいよ。』



『……はい。わかりました……。』





『よし、佳奈のポジションには智実(ともみ)入って!続けるよ!!』




ピーッ!!




**************


午後19時過ぎ。


 村田と酒井ら1、2年生は試合後自主練習し、いつものように一緒に下校中。



酒井『負けたけど、3年生以外は明日も練習あるからな。夜更かしせずに早く寝ろよ。』


村田『…………。』



酒井『……。』




『また明日な。直政。』



村田『…………。』





酒井(結局あいつ、一言も喋らなかったな……。)




(あんな直政、初めて見た。つっても、先輩の夏の敗因に直接関わったなんてそりゃ初めてだしな……。)








村田(………………。)





____________


カキィィーーーンッ!




(うわ、来たし。)





(でもこれ捕って勝ちだな。やっと終わった。)




バスッ……




(─────────────!)



________________




(なんであんな簡単な打球を……俺の馬鹿野郎が……。)





 自転車のベルの音が鳴り響く。



村田(…………?)



『はぁ……はぁ……。やっと、追い付いた……。』





村田『なんだよマジでお前。』



佳奈『はぁ……。はぁ……。何って……分かんないけど……直の姿が見えたから頑張って自転車漕いできたの……。ふぅーっ疲れた……。』


村田『質問に答えろ。何しに来た。』






佳奈『そんな怒った目で見ないでよ。私も心配なのよ。』




村田『……そんなことかよ。余計なお世話だ。』




佳奈『余計なお世話って……。心配だから話し掛けてみたのに……。』


村田『だからそれが余計なお世話って言ってんだよ。分かるよな?てか、分かれ。』








佳奈『…………。そっか。ごめん。』





村田『頼むから関わらないでくれ。ほんとにウザい。』






佳奈『……ごめんね。無神経だったね。』






村田『…………。』


(何泣きそうな顔してんだよ……。)



(俺だって泣きてえよ…………。)



 村田が自転車を思いっきり漕いで佳奈の前から去る。






『…………。』






『私って、最低だな…………。』










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ